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2019年 小学生部門 最優秀賞『スガンさんのヤギ』

受賞者
蛭田 モモさん (小3)

読んだ本
『スガンさんのヤギ』アルフォンス・ドーデ文 エリック・バテュー絵 ときありえ訳 西村書店

作品
「よかったの、ブランケット」

 つまらなかったね、
 ブランケット。
 かこいの中で、
 くいやひもにつながれて、
 山をながめながら、
 くさをたべていた。

 よかったね、
 ブランケット。
 スガンさんのところから
 だっしゅつできて。

 よかったね、
 ブランケット。
 小さな女王のように
 むかえられて
 森じゅうがうっとりした。

 よかったね、
 ブランケット。
 かもしかたちに
 一ばんいいのぶどうを
 わけてもらった。

 よかったの、
 ブランケット。
 かぜがつめたくなって
 山のむこうで
 とおぼえがきこえた。

 よかったの、
 ブランケット。
 スガンさんの
 ラッパがさけんでいる。

 よかったの、
 ブランケット。
 かいぶつのようなおおかみが
 たたかうまえから
 あじみをしている。

 たいへんだったね、
 ブランケット。
 一ばんじゅう
 10回いじょうも
 ゆうかんに
 つのでたたかった。

 でもたべられてしまった。

 くやしかったね。
 かなしかったね。

 よかったの、
 ブランケット。

受賞のことば
 さいゆうしゅうしょうのおしらせを聞いて、わたしもお母さんもおどろきました。とてもうれしいです。『スガンさんのヤギ』をよんで、いちばん心にのこっているのは、スガンさんがかえるようによんだのに、ブランケットはかえらないで、おおかみとたたかって、くわれてしまったことです。そのときの、ブランケットのきもちをかきました。

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(注:応募者の作文は原則としてそのまま掲載していますが、表記ミスと思われるものを一部修正している場合があります。――読書探偵作文コンクール事務局)

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▼西村書店『スガンさんのヤギ』

http://119.245.210.133/book/archives/3211

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