怒りを聴いてもらうこと、怒りを聴いてあげること

このところ腹ただしいことが続いた。
非常識な権威主義の老人にオノレの偏見をゴリ押しされた。
久しぶりに腹が立ち、怒りという感情が収まらなかった。
一人で考えているとどんどん怒りが膨らんでいった。

誰かにぶちまけたい。
とてもぶちまけたい。
でも、できなかった。
関係ない人にとっては、他者の怒りなんか聞かされてもただの迷惑だろう。
怒りというような負の感情なんかに巻き込まれたくないだろう。
大人だから聞いてはくれるんだろうけどね。
聴いてくれるのが大人であればあるほど、冷静に聴いてくれる。
冷静に判断され、そして、正論を教えてくれる。

たとえばこんな感じ。(実際に頂きました)

怒りは自分の心も体も
周囲の人の心をも痛めてしまうので
その怒りが早く静まることを祈ってます。

冷静だな。
正しいんだろうけど責められている感じ。
怒っているアタシが悪いみたいじゃないか?

そうでなきゃ、こういう感じ。(いつかどこかで聞いたような)

ひとそれぞれの正しさがあり、
今回はあなたの正しさとその人の正しさがすれ違ったね。

全くそのとおりなんだけどさ、解っているよ。
そのとおりなんだけど、それで怒りが納まることはないんだ。

さては、こんな感じもある。(毒多にありがちだった)

それは相手が未熟である。
未熟はそいつの課題であって、君の課題じゃない。
そいつの課題まで背負い込んで怒る必要なないんだよ。

あ、アドラーだね。よく言ってきたな・・・
でもさ、なに?自分が言われたときのこのモヤモヤ感

はたまたこんな感じのときも・・・(毒多かよ^^;)

バカ相手に怒るのはアホらしいから、怒るのやめなよ。

どうもね、なんだかさ、どれもこれも怒っていることを否定された感じなんだよね。
怒りを収めるように諭されている感じ。
どうもこんな感じの冷静で大人な言葉で丸め込まれるのが見えてしまう。
だから他人に怒りの感情を吐くことを躊躇する。

今回は、どうしても怒りが収まらず、新しい友人に愚痴ってみた。
この友人はカウンセラーでもある。
LINEで愚痴った。
愚痴るだけで、かなり心は落ち着くことを感じた。
でもね、それ以上に愚痴ってよかった。

で、その友人からのレスはこんな感じ。

なにそれ、許しがたいね。
ふざけ過ぎでしょ。
ほんとに腹立つぅううううう!!
老害もいいとこだよね、ほんとどっかいってくれないかしら。
引退よ、引退させましょ、
あの人たち自分がバカっていう自覚がないんだよね。
だからバカな所以なんだけどぉおお
それにしても腹立つ。
どうしてくれよう。
ほんとにもう!!

ちょっとちょっと、なんでアタシより怒っているのさ。
ごめんごめん、悪かったからそんなに怒んないでおくれよ。
でもね、正直にいうね。涙がでてくるよ。嬉しいよ。
ありがとう、一緒に怒ってくれて。
愚痴ってよかった。
ほんとうによかったよ。

冷静な大人たちがいう正論は全部分かるんだ。理性でね。
でもね、なんだか違うんだよな。
ほんと違うんだって。
最初に、言ってほしいのはこんな言葉なんだ。
一緒に怒ってもらうことだったんだ。
やっとわかったよ。
冷静な判断や理性的な対処の仕方なんて自分でも分かるんだから。

そんなことがあったある日、傾聴仲間からメールをが届いた。
傾聴ではあるけど話し手に理不尽な叱責をされたと。

傾聴なんだからって解っているけど、とめどなく感情が壊れていく。

以前のワタシなら大人で冷静な判断と対処の仕方を返信したかもしれない。
そうしたほうが、彼女も落ち着いて考えてもらえると思っていた。
感情から理性に戻ってほしかったんだと思う。
でも、それは違うと身をもってカウンセラーの友人に教えられた。
だからアタシがしてもらったように、彼女以上に怒り嘆き、得も言われぬ感情を言葉にして返事をした。
ワタシの怒り嘆きも決して創作した返事ではないんだ。本心なんだ。アタシの感じた怒りも嘆きそのものなんだ。
彼女にうったえられた相手にも心底怒れたし、大切な友人をこんな目に合わせたという怒りも上乗せした。
怒りや嘆きをそのまま包み隠さず言葉にして送った。
以前のようにそんな感情を押し殺して、理性で冷静に返信するのはやめた。

しばらくして彼女から感謝の言葉と、吹っ切れた、ってメールが届いた。

よかった。吹っ切れたんだ。
一緒に怒り嘆いたワタシの感情も波がひくように消えていった。
きっと次は彼女も彼女の友人から怒りを話されたなら、友人以上に怒るんだろうな。
ボクたちは人としても傾聴人としても大切なことを学んだのかもしれない。
実感をともなった学びは、身体の芯まで染み入る。

アタマじゃなくて身体で感じることは大切なんだよな。


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