奇妙な遺言状に隠された真相とは⁉「元彼の遺言状」
こんにちは、読書子です。
本日、紹介する本はこちら。
新川帆立作「元彼の遺言状」
第19回「このミステリーがすごい」大賞受賞作品です。
テンポよくストーリーが進むので、サクサク読めました。
では、あらすじを簡単に紹介します。
『僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る・・
大手製薬会社・森川製薬の御曹司、森川栄治が奇妙な遺言状を残して亡くなった。
大学時代、栄治と一時期付き合っていた弁護士の剣持麗子は、「自身が犯人だ」と名乗る栄治の友人の代理を務めることになった。
栄治の莫大な財産の分け前を獲得するため、麗子は森川家が主催する「犯人選考会」で依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。
また、麗子は栄治の元カノの一人として、軽井沢の屋敷を受け取ることになっていた。
屋敷へ訪れた麗子は他の元カノ達と手続きをすませるが、その晩、栄治の顧問弁護士である村山の事務所から遺言書が入った金庫が盗まれる。
更には村山も何者かによって毒殺されてしまう。
なぜ、栄治は奇妙な遺言状を残したのか。
そして、村山を殺した犯人とは。』
森川栄治が残した奇妙な遺言状を巡って巻き起こる事件を、剣持麗子が解決していくストーリー。
お金持ちの遺産相続って大変だと思いながら読んでいましたが、栄治の顧問弁護士・村山が亡くなったあたりで一変。
次は誰が狙われるのか、麗子は大丈夫なのか、なぜ村山は殺害されたのかと先が読めない展開にハラハラ、ドキドキしました。
また、強気な女性弁護士・剣持麗子をはじめ、大学で文化人類学を教えている栄治の兄・富治、初対面の麗子に突っかかっていった栄治のいとこ・紗英、栄治の元カノの一人で看護師の朝陽など。
個性豊かな登場人物によって、より物語を面白くしていたと思います。
特に主人公の剣持麗子は最初、気が強くてプライドが高く、金の亡者という印象を受けましたが、依頼主からの言葉で悩んだり、失敗したりと人間臭い一面を見て、チャーミングで素敵な女性だと思うようになりました。
そして最後、栄治が奇妙な遺言状を残した真相には驚きましたが、今まで疑問だった点と点が線で繋がっていく感じは読んでいて爽快でした。
作り込まれたストーリーと個性豊かなキャラクターが魅力の「元彼の遺言状」
気になる人はぜひ、読んでみてください。
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