㊴ミャンマー情勢(ミャンマー人男性の国外脱出制限)5月15日情報追記
5月3日にYahooニュースに以下の記事が掲載されました。
ミャンマーのNewsがYahooニュースに取り上げられるのは珍しいことです!
ミャンマー軍事政権“国外就労”男性の出国を一時禁止 兵役逃れ防ぐ狙いか(日テレNEWS NNN) - Yahoo!ニュース
さて、前回㊲で、多数のミャンマー人が日本を目指していることを解説しましたが、まさか、その動きに歯止めをかける行為が起きています、、、
記事を引用します。
さて、今回のミャンマー政府による急な措置(=男性の渡航許可を一時的に停止した手口)を、他のソースも引用しながら解説します。
ミャンマーから日本に渡航する際のフロー
まず、以下がミャンマーから日本に渡航する際のフローチャートです。
今回は、赤枠の箇所がポイントですので、拡大します。
日本に就労する際のフロー
日本に就労する際は、主にミャンマー側の送出し機関から、日本側の受入れ機関(監理団体、登録支援機関)に行くというステップを踏みます。
ミャンマーの送出し機関と日本の受入れ機関の間のやり取り
さて、実際にミャンマーの送出し機関と日本の受入れ機関の間で必要なやり取りが以下の図です。
1.日本の監理団体が、デマンドレター(求人票)を作成する。
2.ミャンマーの送出し機関に送付する。
3.ミャンマーの送出し機関が、ミャンマー政府(労働省)に送付する。
4.ミャンマー労働省が、許可証を発行する。
ちなみに、ネット上で公開されているデマンドレター(求人票)のサンプルは以下です。
今回、4.ミャンマー労働省が、許可証の発行のプロセスを停止してしまったのです。
そして、再開の目途は立っていません。
もちろん、これは日本企業にとっては悩みの種です。
なぜなら、日本企業は、多くのミャンマー人の技能実習生や特定技能の受け入れをしているためです。もちろん、技術・人文・国際(ぎじんこく)等、男性のすべての就労資格のプロセスが停止しています。
ミャンマー政府は、再開の目途も示されていないのですから、困ったものです。
日本企業以上に困っているのは、これから日本に行く予定だった若いミャンマー人男性です。
労働省の大臣は、これはあくまでも一時的な措置であると言っているようですが、ミャンマー政府に言うことは、信用に値しないため、しばらく様子を見る他ありません、、、
徐々に北朝鮮みたいな国家になってきましたね( ;∀;)
情報追記(5月15日時点)
労働省の情報では、
●23歳以下、31歳以上の日本からの労働者の求人の50%のみ申請を受付ける
●23歳以上〜30歳以下の求人は受付けない
とのことです。徴兵にあたって、年齢を気にしている様子が伺えます。
しかし、労働省も、上(SAC)の方針が決まらないため、正式な決定を文書で出せないようです!
これぞ、ミャンマー軍政!
北朝鮮の将軍様を想像するとわかりやすいです。
明確な指示が出ないので、役所は忖度することさえもできずに、右往左往しています…
動きが遅い(鈍い)ミャンマー人→2024年がFinal Year
最後に、批判めいたことになりますが、2021年2月のクーデターからはや3年3ヶ月が経ちました。
現時点で、ミャンマー国内に残っていて、今から海外での就労を目指す若者は動きが遅すぎます!!!
私は、2024年は海外に逃れる最後の年になると考えます。
ミャンマー政府は2023年1月から約2ヶ月パスポートの発給を停止し、23年2月24日に再開しました。
この間、ミャンマー人の間には、「もう海外に行けない可能性がある。海外に留学、就労で行けなければ自分の人生は今後どうなってしまうのだろうか???」という悲壮感が漂いました。
そして、パスポートの発給が再開して、一気にパスポート取得者が増えました。
ミャンマーでは、朝令暮改で制度がコロコロ変わるため、その場で行動できるかどうかで、生き死にが決まるわけです。
2021年に15歳、16歳で就労の資格が無かった方は、2024年にようやく18歳、19歳になるので、仕方ありません。
しかし、2024年時点で20代中盤や後半の方々は、ピントがずれていると言わざるを得ません。
既に国外に出ているべき人たちなのです。
2024年は、ミャンマー人が国外に出れるかどうかの最後の年です。
2025年以降は、人材の質面で、優秀なミャンマー人は枯渇します。
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