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【書評/音声コンテンツstand.fm】子育て×読書 第4回 GRIT やりぬく力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける


5月もあっという間に終わってしまいそうですが、如何お過ごしでしょうか?緊急事態宣言も解除されてもコロナとの闘い?は長期戦に入りそうですので、この時間の取れる期間に大切な人と過ごしたり趣味を極めたり探したり、家族との時間に使ったり様々ですね。。。

私も家事・育児を回しながら読書体験を続けております。
Stand.fmでも配信をしておりますので、宜しければ聴いてみてください。

今回も個人の自主研究テーマ・・・「才能」「継続」「努力」「能力」というワードが盛りだくさんの書籍をご紹介致します。

少し前に結構話題になりました「GRIT」です。著者はアンジェラ・ダックワースさん。ダイヤモンド社から出ています。やり抜く力と書いてありますね。やり抜くには力が必要だということでしょうか!?

また副題(日本語訳)には人生のあらゆる成功をきめる「究極の能力」をみにつけると書いてあります!!

究極の能力って・・・何か奥義でも授かる気分ですが・・・そんな抽象度の高い言葉をしっかり説明してくれるエビデンス満載な書籍だと言うことを読みながら気付かされます。

この本でも語られてますが、継続的に献身的に努力を毎日少しずつ続けること・・・これが一番の近道のようですね。

◯やり抜く力の秘密

やり抜く人には何か秘密があるんでしょうか・・・?
そもそもやり抜く人はどうしてやり抜く事ができるんでしょうか?

荒川静香さんの尻もち2万回ではありませんが・・・2万回もジャンプの練習するなんて尋常ではないですよね。本人は全くそういうマインドではないんでしょうね・・・

アーティスト:創造する意欲
アスリート:勝利のスリル

この様に何か動機があって続けていくんですね。ただ、アーティストでもアスリートでもない人が継続していく為にはどんなものが必要なのでしょうか?

これは、究極の鍛錬、才能の正体で書きましたが、もう粘り強く、情熱を傾けて継続して行くことで、才能の芽が育ち、やがてその部分が尖って誰にも真似が出来ないような独自性が出てくるんですね。守破離のフレームワークでも説明がつきますが、やはり離れるときにどれくらい型を練習したかだと思うんです。とにかく最初は師匠?の教えを守りまたは目標とすべき人の行動を完コピするなどのアクションをとにかく取り続ける。

↓こちら「究極の鍛錬」

↓こちら「才能の正体」

◯やり抜く力と才能の関係

やり抜く力と才能には何か関係があるのでしょうか?

書籍の中でも語られていますが、軍隊の入隊試験や入隊してからの訓練の様子を読んでも分かりますが、やり抜く力と才能には然程、関係がなさそうです。この場合の関係とは相関関係という事かと解釈しましたが、才能とは努力の末に尖った出た芽の部分です。この芽のを育てて行ってようやく結果が出て人々は「天才」とか「才能がある」と呼ぶと思われます。

この書籍で言う所の才能(著者のお父さんが信じて来た、先天的なの能力)で考えると才能があるからと行ってやり抜く力があるとは限らないということです。一方でやり抜く力があるからと言って才能があるという状態にあるという訳ではないということです。

どうしても我々は「才能」「達成」に直結すると考えがちですよね。しかし、それは結果を見て才能があるという様に我々の脳が勝手に判断しているんですね。ダニエル・カーネマンのファスト&スローではありませんが、システム1がほぼ自動的に。

◯努力と才能の方程式

実際、方程式なんてものが存在するのでしょうか!?
努力や才能は目に見えない(見えにくい)ものだと考えてしまいますが・・・

「才能」が「達成」に直結してしまう
と我々は考えてしまいます。これはバイアスだと思いますが、結果だけを見て判断している証拠でもありますね。しかし、良く才能という抽象度の高い言葉を因数分解しないで才能があるから課題を達成出来たと判断してしまうのは・・・ダニエル・カーネマンのファスト&スローで言えば、システム1で自動的に判断しているとも言いかえられます。

ただ実際、一流と呼ばれている(そもそも一流って何でしょうか?)人々は当たり前の事を地道にコツコツ続けていることが分かってきました。タイガー・ウッズもモーツアルトも荒川静香も・・・

ニーチェも下記の通り示唆深い言葉を残しています。

「芸術家の素晴らしい作品を見ても、その方がむしろ好都合と言っていい。気の遠くなるような努力のたまものだと知ったら、感動が薄れるかもしれないから」

感動が薄れてしまうことになりますね。作品を見て何万回試行錯誤を続けたか?なんて考える方は、ご自身も同様の領域に居る方だと思いますが、ほとんどの方が一流ではないと思いますので、私もそうですが、素晴らしい作品=才能があるなどと考えてしまい、そこで思考停止してしまう訳ですよね。

◯努力は二重に影響する

個人的にですが、この書籍の最も刺さった箇所がここです。。
努力というファクトが二重作用するというところ・・・二重です。

著者の見解では・・・
才能×努力=スキル

スキル×努力=達成

はい。如何でしょうか??もう説明不要ですが努力というエッセンスが間違いなく必要だということが分かりました。つまり努力なしではスキルも身につかず、努力なしでは達成は困難だと言うことが言えますよね。

この努力するという心や姿勢がある人、ない人、あるいは努力をどこまでするか、どこまでしないかの判断尺度を持っている人。この努力に焦点を当てるべきだと考えるのは私だけしょうか??

ただ究極の鍛錬でも書きましたが、努力は一般的には辛く、つまらないということですよね。チクセントミハイのフロー状態で没入するまでには、努力を重ねている課題をどこまで好きになれるか?どこまでコミットできるかが鍵になりますが、それはその人の置かれている文脈にも寄りますが・・・

◯「やり抜く力」をはかるグリット・スケール

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※画像は書籍より拝借

はい。著者が開発したグリット・スケール。あなたはどのくらいやり抜く力がありますか?という問いに対して5段階評価で定量的に分析が可能なんだとか。

2の挫折してもかんたんに諦めない・・・諦めて心が折れてしまう時にどう振る舞うか?ですね・・・

4のわたしは努力家だ・・・これも自分が努力家だとメタ思考で見るのもなかなか難しいですよね。自身では努力しているつもりでも、相対的に見たらそうでもないよ!ってこともありますしね。。。。

キーワードとして「情熱」「粘り強さ」というものがうかがい知ることができます。情熱の火を燃やし続けるには当然、モチベーションというガソリンが必要ですが・・・モチベーションを保つのには本当に苦労しますよね。ここに粘り強さというスパイスを加える事で火が消えにくくなるとは思いますが、この粘り強さも持っている人、持っていない人、持っていても発揮出来る人、出来ない人など別れてしまうと思います。

粘る・・・駄々をこねる・・・諦めが悪い・・・ちょっと余談なんですが、stand.fmで下記を収録致しました。

沖仲仕の哲人、エリック・ホッファーですが、少年性について語りました。子供はなかなか諦めが悪い印象があるのですが、私だけでしょうか?駄々をこねたり、あの手、この手で要求をしてきますが・・・かなりの粘り強さを感じます。正直・・・しつこいなぁ~と思うことも。

ですが、裏側の構造はもちろんなんらかの家庭内でのポジションを取ろうと子供なりに必死であることや承認欲求なども含まれているのだと思いますが・・・それにしても粘り強く交渉してきます。

努力する時にはこの、少年性みたいな部分も必要になるのかもしれません。

◯ピラミッドストラクチャーで課題をマネジメント

課題に取り組むにしても、いきなり無目的に目的地を定めずに努力をしても無駄骨を折るということになりますよね。努力の始め方にもお作法があるようです。

【努力を始める際の落とし穴】
①最上位目標が複数存在してしまい、あれも、これも状態に陥る
②中位のレイヤーは乱立しているが最上位目標がない状態に陥る
何の為に、何目的で努力しているのか?
③最上位目標しかなく、中位や下位まで目標が具体的に落とし込まれていない状態に陥る(ポジティブな空想状態・・・)
④どこにも属さない/関連しない目標が見え隠れする状態に陥る
⑤下位レイヤーの目標ばかりに注視してしまい、柔軟に変えられない。
手段の目的化状態・・・

ざっと①から⑤まで並べて見ましたが、この考え方は何事にも汎用が可能かと思います。抽象度の高い問ばかり持ち続けていても具体策に掛けるし、やたら手数が多く具体的な策が多いが、何のためにやっているのか?どうなりたいか?などのレイヤーの高い問を持っていない。或いは、本当に細かい小さな目の前のことばかりに思考を奪われてしまい、具体策に掛けるパターンなど、我々の日々の生活でも本当に起こる事だと感じますね。

実際、システム1で判断することも多いですが、一度、立止ってピラミッド・ストラクチャーを構築して上位、中位、下位の概念を紙に書いたり、iPadなどにメモで書いておくなど、書くという行為がワンクッション入ると良いのかもしれません。

◯意図的な努力とは?

これは聞いたことのある方も多いと思いますが、マルコム・グラッドウェルの1万時間の法則というものがあります。アンダース・エリクソン氏の研究結果だったと思いますが、ある分野を極めた数名の「天才」を対象に、彼らが天才になるに至った理由を考察してそれを体系化して法則と名付けたんですね。

1日90分であれば、20年

20年。。。すごいです。もちろん一日の努力の時間が増えれば20年を掛けずとも1万時間に達する計算ですが・・・

要は「意図」が重要なんですよね。意図することが大切。しかし、どのように意図的に練習をしていけばいいのでしょうか!?

よくブレストなどでも発想を出し合って(批判、否定は禁止などのグランドルールを適用)、広げるだけ、広げた後に絞るという手法を取りますが、努力についても様々なチャレンジを模索して、ここだ!という分野に絞ってリソースを投入することが非常に効果的であることが分かってきました。

さらに、チクセントミハイのフローばりに集中して、没入して、アウトプットに対しての適切でタイムリーなフォードバックを返して貰える環境を自分で構築して、もらったフィードバックを元に反省、改善、内省をというPDCAを回し続けることで強固な基盤が作れるのだと思います。

個人的には1万時間の法則は根拠が仮になかったとしても、荒川静香さんのしりもち2万回に例えられる様に、1万時間を費やせば費やす前とは見える世界や感じ方も含めて別人になれるとは思ってます。

◯子供に「やり抜く力」を身に付けさせる?ためには

そもそも身に付けさせるとかタイトルに付けている時点でまだまだな訳ですが・・・子供とは日々格闘しており非常に興味のある領域です。

ポイントは・・・「賢明な育て方をする」+「親自身が粘り強く生きる」だそうです・・・

まず、賢明な育て方?とは抽象度が少し高いですが、そもそも育て方に賢明などというものがあるのでしょうか!?嫌われる勇気や幸せになる勇気などは悩んだり、キャリアトランジション、ライフステージの変わる度に読んできましたが、子供とは本当に自分とは別人格であるという事を腹に据えて態度を示さないと、ついつい口うるさくなってしまったり、尊敬を欠いた態度を取ってしまったりと・・・もう反省せざるを得ない状況ではあります・・・

惜しみない支援を続け、高い期待を掛けつつ寄り添うというイメージでしょうか?本人の課題だと思い、口を出したり邪魔をしないことが何より大切だと思います。

さらにここは非常にハードル上がりますが・・・親自身が何より今を生きる、自分の人生を生きるなど粘り強い生き方をしていかないと子供に対する態度にどうしても出てしまうと重いんですよね。

◯最後に・・・

はい。以上でGRIT やり抜く力のnote×音声コンテンツstand.fmの二段論法を終えたいと思いますが、司馬遷の史記烈伝にもあるように、知っている知識を自分の形式知、さらには人間知まで落とし込んで、知った事に身を処するのが難しいわけです。

そこ身を処する為にこの書籍がガイドとなるんだと思います。様々なエビデンスが豊富にかかれておりまので、アフターコロナ時代の子育てや働き方と絡めて間違いなくやり抜く力が今後、ますます必要になることは事実として存在します。

コロナのこの文脈での記事となりましたが、コロナ前で何が変わって何が変わらないのか?や自分自身のパラダイムの変化や周囲の人の息遣いなども気にしてみるのも良い機会なのかもしれません。

以上になります、有り難うござました。






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