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ミャンマーを知りたくて 前日譚

2021年、2月、当時ドはまりして週5で通っていたホットヨガのレッスンが終わり、整ったなぁとスマホを取り出したら、私の知らないところで世界がまた変わっていました。

「ミャンマーでクーデター、軍が国家の権力を掌握。」

その前から情勢が緊迫していることは伝えられていたのですが、
本当にクーデターが起きてしまうとは。

私がこの仕事に携わるようになって初めての、一つの国が根本的に変わってしまう出来事でした。


ミャンマーという国についてざっくり整理していくと、

国名は、正式には ”ミャンマー連邦共和国” です。

連邦というのは、複数の自治権をもつ州が、一つの主権の元に結合してできる国家のことで、
簡単に言えば、小さな国が集まって一つの国を作っているような状態です。


人口およそ5700万のうち、70%がビルマ族、ついで多いのがカレン族やモン族など、一つの国の中に135の民族が暮らしています。

この民族同士、言葉や文化、宗教もかなり違っていて、対立が絶えず、強い軍事政権が統治していたのですが、
2011年に選挙で民政移管(軍から民間に政権がわたること)が実現。

2016年にはアウンサンスーチーさん率いるNLDが政権を担い、
紆余曲折ありながらも、民族同士の対話の機運も高まっていたところに、
2021年軍がクーデターを起こし、民主勢力を弾圧。

少しずつ和平に向かって進んできたことが、一気に振り出しに戻るどころか、少数民族を軍が徹底的に弾圧して、状況はかなり悪化しています。
少数民族の村を軍が空爆して、家を捨てて山の中に潜伏しなくてはならない状態の人たちがたくさんいます。


その後、2022年ロシアによるウクライナ侵攻があり、
2023年にはイスラエルとハマスの戦闘があり、世界の目はそちらに集まることになります。


ミャンマーで起きているのは国の中の話なので、内政干渉の問題もあり、なかなか他国が介入するのが難しいこともあって、どんどん情報が入ってこなくなりました。


およそ3年、駅前でミャンマーからの留学生たちが募金や国際社会からの支援を訴えているのを見て、何かできないのかなと思うだけの日々が続きました。


2023年の年末、転機が。

シャンティ国際ボランティア会さんとの出会いです。


戦争や貧困、災害など、困難な状況にある世界中の子供たちに、現地に図書館を作ったり現地の言葉に翻訳もしたりして、本を届ける活動を主にされています。


私、今の仕事ができているのは、幼少期に図書館に入りびたり、こんなに読めるの?と司書さんに言われるくらい本を借りまくり、学校の図書室の本は全部読んでやる、くらいの勢いで本を読みまくっていたおかげなんです。


そんな背景もあり、本に関係するシャンティさんから式典の司会のお仕事で声をかけていただき、とてもうれしかったことを覚えています。


さて、仕事が終わって、
シャンティさんのタイ事務所の方とお話する中で、
タイのスラムや難民キャンプなどを、私が訪問することができるかもしれない、というような流れになり・・・


この2023年は、特に難民についてのニュースを扱う機会が多かったです。


普段放送で原稿を読むとき
内容を理解して、理解した通り伝わるように音声表現することは、体験したことがないものでも、もちろんできるのですが


イスラエル、南アフリカと旅をしてみて、ニュースの解像度が劇的に上がったんです。


ニュースを読むときって、原稿に書かれた文字を読み上げるというよりは、
頭の中で状況や情景を思い浮かべて、それを音に出したり、説明したりというイメージなんです。(私は)


やはり、現地に行って叩き込まれた体感がある場合と、紙や映像で見るだけで知ったことというのは、音の出し方が変わってくるんですね。

もちろん、書かれた原稿を読むだけでなく、自分の言葉でコメントするときの言葉選びも違ったものになってきますし。

私は音声表現のマニア寄りなので、出す音を増やせるならなんでもやりたいというマインドと、
新しいことを知れるなら飛び込んでみたいというマインドが多分強め。
あと、なるべく自分の自然な言葉で話したい。


また今度書きたいけど、今の番組に関わるきっかけになったのも、取材相手にくっついて自費で台湾取材に行って一人でカメラ回したことなんだよな・・・。

話がそれました。

ということで、

最初は、タイで難民キャンプに行けるかも、と聞いて
そこまで行くのはさすがに難しいかな・・・。
と思ったのですが、


日がたち。

今国際ニュースで必ず重要トピックになる難民について、知る機会が目の前にある
こんなこと、人生でまたあるのかな?


そして、タイにある難民キャンプということは。


タイはミャンマーの隣にあり、国境沿いにミャンマーから避難してきた人が大勢います。



これは、あのミャンマーに少しでも触れられる機会になるのでは。



う~~~~~~~ん、スケジュール、めっちゃ空いてるんだよなぁ!



ということで、1か月後、真冬の日本を飛び立ち常夏のタイヘ、
しかもミャンマーとの国境沿いの町まで向かうことになりました。



展開が早すぎて耳キーンです。



(先方からも、後々、まさか本当に来るとは思いませんでした。と笑って言われましたが。)

1月末は、2月1日のクーデターの日に向けて非常に現地がセンシティブになっている時期。

さすがに難民キャンプに入るのは難しいかもしれないということだったのですが、シャンティさんの職員とともになんとか入域許可もいただくことができました。


撮影や振る舞いには十分注意が必要です。
この記事もどこまで書けるかですが、
書けるところはなるべく詳細に、私の体感を綴っていきたいと思います。

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