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大人になってほしい友達

オイシイ タノシイ オモロイのが大事でな 
“生き方”とかって総括はせんでええねんで

かしましめし おかざき真里


ある日急に朝起きられなくなった。
ずっと働きたいと思っていた、憧れの会社に就職できたのに
ある日急に朝起きられなくなった。

28歳、独身、職なし。
主人公千春と、千春の同級生ナカムラと英治が再会し、定期的に一緒にご飯を食べる中になる、という軸で話が進むお話。

20代後半。社会の中で少しずつ傷を負いながら生きていく3人のセリフが、妙に胸に刺さるこの漫画。

どうして会社辞めちゃったの?

これを聞かれるのが怖かった千春。

28歳ともなれば 知っている
私たちが欲しいのは“問題の解決”とかじゃない
問題が解決したって 助かるわけじゃないんだ
だからせめてご飯は美味しく
生きる運動だけは楽しく


この歳になって、友達に求めることは何なんだろうと思う。

抱える問題は10代と比べてより大きく、重くなっている実感はあるけれど、その問題のアドバイスが欲しいかと聞かれたら、ノーだ。

年を重ねていけば、自分で“正論”が出せるし、どう対処していけばいいかわかる。でもだからこそ、友達からはそういう“正論”の話を聞きたくない。

千春が会社を辞めた理由を聞かれたくないのも、わかる。

答えは1つじゃないし、シンプルにまとめられない。
そういう複雑さを、大人になれば持つようになる。

だから、今本当に欲しいのは、ばかな話でもしながら美味しいご飯を一緒に、美味しい美味しいって言いながら食べてくれる友達。

大人になってからの友達の大切さを考えさせられる漫画。

Written by あかり

アラサー女

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