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愛とは安心か、それとも・・・・


どうして人は愛を求めるのか。
そもそも愛とはなんなのか。

「駄目だったんだよねぇ」
「でも、私にはどうしても真ちゃんなのよ」

主人公の明生に愛されながらも、狂おしい愛を選んだなずな。
私はそこに愛の難しさを感じた。

御曹司で自分のことを愛してくれていて、真面目で不満もないはずなのに
ふと耳にした自分の心を狂わせる人の話。
自分でもわかっている。
だめだと。
その人は自分のことを裏切ったのだ。
それでも、なお自分の心をいとも簡単にさらってしまう人
でも、それぞれに愛する定義が違う。
狂おしいほどの愛
心が安らぐ愛

明生にとっての愛は安心なんだと感じた。
幼いときからずっと疑問を抱きながら生きてきた明生にとって
唯一安心できた相手が
いい匂いの相手として現れたのだ。
明生は両親にでさえ、疑問を抱いて生きてきた。
御曹司に生まれて、両親からも愛されながら
自分は生まれそこなったんだと。
その自分が安心できた、心が安らげた人。
どの場面でもどこか客観的な明生に私はどこか強さを感じた。
そんな明生になずなは自分の感情は理解できないと。
なずなにどこか共感した

「人間はさ、そうやって
毎回自分に裏切られながら生きていくしかないんだよ」

いずれその選択を自分自身の手で裏切ることになるだろう。
その時彼女はいったいどうするのだろうと。
そう明生は言い切っている
裏切ることになると。
でも、それはわからない。
その選択を自分の力で裏切らないという選択もある。
裏切るという選択があるということは、
裏切らないという選択があるということだ。
ある種、明生はとてもまっすぐで純粋だ。
それゆえの強さを持っている。
だが、その魅力に気がつかないなずな。
心とは難しいものだ。


いっぽうもう一人の主人公みはるも聖司ではなく、黒木にどうしようもなく惹かれている
なにに惹かれるのかどうして黒木なのか

きっと大きな理由があるのだ。
ただその大きな理由が一体何なのか、みはる自身にもわからないのだった

自分が大きく変化する予感を感じながらもそれを確信できない。
時が過ぎ、自分が決断した時には遅かった。
想いとタイミング
この二つが重なることはそうめったにあるもんじゃない。
あの時こうしていれば
そんなことを思ったことのない人はいないのではないか。
だから人間は悩み、苦しみ、その先に愛をいうものを求めるのではないか。
愛とはなんなのだろうか。
自分にとっての愛とは
安心なのか、心が良くも悪くも一瞬でひきつけられてしまうものなのか
人生で自分にとっての愛とはと考えるきっかけをくれるそんな一冊


Written  by  なおこ

アラフォー女


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