見出し画像

四月を過ぎても僕たちは、、、

読まない方がいいと思う。
軽やかに生きていきたいと望む人は、ステキな恋をしたいと願う人は、ステキな恋をしていると公言できる人は、誰かが愛して、幸せにしてくれると信じている人は、読者は楽しくてためになると口にする人は、この本を読まない方がいいと思う。

解説 あさのあつこ


私は小さい頃からかなりの本読みだったからか、時折読書家を気取る人の「本を読めばためになる」系の発言に、気味の悪さを感じていた。

私は本が好きだ。

だけど、“ためになる”から好きなんかじゃないし、小説を読んでいて“ため”になったことなんてない。

だけど、ああこの本に出会えてよかったと思える出会いがある。

この本も、そんな一冊だ。

好きだ、と叫びたくなるくらい強く想っていた。

四月になれば彼女は 川村元気

これだけわかり合えていても、妻のことをいま愛しているかどうかわからない。

男性も女性も、自分の優しい行動や異性に気に入られたいという願望を、本物の愛と混同しているんです。

この本に出てくる人間はみんな愛にがんじがらめだ。

恋に落ちて、この人を愛していることも、この人を愛している自分も、全部永遠に続く気がしている。

そしてそれが続かないと知った時、激しく揺さぶられる。

果たしてこれはなのか、自分はこの人をほんとうに愛していたのか、と。


私は最近考える。

この地球の、この時代の、愛の定義がちょっと難しいんじゃないのかと。

“究極の愛、恋愛”をたった一人とか、たった一回とか、はたまた永遠とかという言葉と結びつけて、勝手にこんがらがっている気がする。

まあこんな冷めた感想は傍に置いて、だけどどんな形であれ愛なしじゃ生きられない私たちには、この本はすごくキクと思う。
だって

「人間だけが誰かのことで喜んだり、悲しんだりできる動物だから面白いんだよ」

そう。

あと、作中で私の大好きなシガーロスの曲が何回か触れられていました。
私はこの曲を藤代とハル、大島さんは一緒に聴いた気がします。

ぜひ曲を聴きながら、この本をお手に取ってみてください。


Written by あかり

アラサー女

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?