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「空間と作品」アーティゾン美術館 dokug(ur)a論的美術論

アーティゾン美術館の「空間と作品」展に行ってきました。

多くの展示では、美術作品単体としての来歴や歴史的位置付けが語られるところを、今回の展示ではより観点が外側に広げられ、それぞれの作品がこれまで他者(売り手や買い手、依頼主)や空間(飾られる場所、飾り方)とどのように関係してきたか、関係しているかに着目していました

作品のある空間を構築しているエリアでは、「作品のある空間」そのものを展示しようと試みており、本物が飾ってあるモデルルームみたいな部分があって面白かったです

絵画や置物、棚が全て美術作品
多分お値段異常のおしゃれな空間


一つのピカソの絵のみがそこそこ広い空間に置いてあるという大胆な展示もあり、作品が空間に及ぼす存在感を感じたりもできました

同じエリアに円山応挙作の襖が畳とともに配置されている空間があったのですが、襖の奥の生活を想起させて面白かったですね
また、襖絵の子犬たちがとにかくかわいらしいので是非見て欲しいです
子どもの誕生祝いなどで作られたのかしら


円山応挙作「竹に狗子波に鴨図襖」の一部
このような子犬が戯れていてとにかくかわいい

他にも作品と人(売り手・書い手・依頼主)の関わりに着目したエリアや、作品と飾られ方(額縁)に着目したエリアなどがあり、色んな切り口があるのだなぁと感心しました
学芸員さんや研究者さんたちの研究の賜物

額縁にも各時代のトレンドがあるということを初めて知りましたが、一部を共有しながら変化していっている感じが土偶の編年に似ていそうな予感がしました
ただ、個人的には違いがあまり分からなかった。。。分類学的視点が弱い。。。

今回の展示の趣旨とはあまり関係ないですが、展示されていたマティスの絵がよかったですね
迷いなく置かれた絵の具
私も何かを自由に描いてみたいなという気になりました

マティス「コリウール」


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