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dok-s の映画日記その26「ジョーズ」(1975)

ジョーズ (字幕版)
評価:★★★★
「例の檻」

シャークハンターものはテレ東の昼なんかでよくやってる、いわゆるジョーズ・ヘタな亜流ものをいくつも見てきたが、その本家をなぜか見ていなかった。

ゲップが出るほど亜流三流シャークハンターものを見てきたので今更感があったが、いざ見てみるとやはりイノベーターな作品、誰も今まで作っていない自負を作品からひしひしと感じた。
迫力が違った。

本作は、有名なビーチのシーンはそれほど怖くもなく、やたらやかましい喋りのシーンや、苛立たしく思える演出もあるが、これはラスト10分の爽快的なスペクタクルへと誘う前戯に過ぎない。

今では海底撮影に必須の、例の檻がジョーズにくしゃくしゃにされるのも、ウォーキングデッドも真っ青の、パワハラ船長の人体千切れも、全ては1975年の本作からといってもいいだろう。
当時の技術でよくもここまで追求できたものだ!。ラストの半分沈んだ船に顎を乗っけるジョーズは今でも充分怖い。

たしかに、これらは今となっては当たり前の数々かもしれないが、登場人物が古臭い昔のハリウッド俳優な演技なのに、立体的に見せるカメラワークや現代にも通じるアナログSFXテクニックで、その歪みこそが、これからも楽しめるパニホラの歴史に残る名作たる所以なのだ。

まだ20代の早熟スピルバーグの伝説の始まりに乾杯。(2020.5.24)

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