見出し画像

dok-s の映画日記その46「オフィシャルシークレット」(2020)

「圧倒的正義」
評価:★★★★★

主人公キャサリンがイギリス政府の諜報に関する仕事中に、あの有名な2003年のイラク攻撃を前提としたアメリカの裏工作情報を入手し、マスコミにリークし大問題になった実話をベースにした話。

コンプライアンスがうるさくなった今日に、この最初のリークシーンを見ていて複雑な気分になった方も多いはず。うっかり漏らし賠償1000万なんてこともありましたな。まだそれらが緩かった時代の話かもしれないが、例え正義感とはいえ、その気持ちは彼女自身のものであるし、自分の都合であるから、当然罪に問われることになる。ここまでのシーンは割とハラハラドキドキである。

やがてバレて政府を敵に回すことになる。
少女の面影が残るようなキーラ・ナイトレイ演ずる主人公キャサリンは、一見秘密暴露をしでかすようには見えないが、意思がありそうな眼光やすこしエラがはった口元あたりに、その正義感が当てはまりそうな顔立ち。
映画を見ている誰もが、事件発覚後しょっちゅうベッドで寝込むこの、か弱いキャサリンがなんとか無罪になってほしい、弁護士がんばれ!と感じずにはいられなくなるはず。

例え正義のためとはいえ、職場のコンプライアンスを無視してリークをしなければならないようなことが、今後自分の生活にも降りかかることがあるだろうか。実際にあっても自分はスルーするだろうか、などを考えながら、映画ラストの、モノホンのキャサリンの最後のインタビューの言葉に、静かに拍手を送りました。(2020.10.5)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?