妄想する男

僕はここに一つ、大胆で破廉恥で非国民な提案を行う。今直ぐお金持ちになりたいと思ったら、その頭でその足で皇室の解体運動に乗り出すべきである。勿論、結果報酬が原則だ。「努力しましたので、その対価分だけ下さい」といった甘えは許されない。確実な解体に成功した者と、その解体に成功した時代の日本人全員に経済発展が約束されるのである。テレビに出て来る経済評論家に、「少子高齢化やその他諸々の理由があるから日本の高度経済成長はあり得ない」とは言わないまでも「今後、薔薇色の経済発展が待っている」と言う人は誰一人といない。そう言えば、「正しい経済政策(ケインズ的手法)をやれば経済成長する」と言ってる評論家もネット界隈には一部いたっけな。僕に言わせれば、全部リアリティがない。つまり経済成長しない派は嘘付きだし、経済成長する派もある意味嘘付きなのだ。嘘付きではないかもしれないが、だったら無知で馬鹿なんだと僕は思う。焦点は皇室である。但し、我々日本人の手によって粛々と遠慮深く解体してしまったのでは全く駄目だ。現在の日本には皇室解体論者が少ない。少し前は今より盛んだったが、流行らないと思って諦めたらしい。あいつらは手柄を独り占めしようと思ったからこそ失敗したのである。僕のように手柄を現代の日本人皆んなでシェアしようと考えない浅ましい連中だったのだ。最近、連中の手はますますせこせこしたものになりつつある。つまり、「愛子様を天皇に!」その後「愛子様はご結婚を!」と言う積りなのだ。僕は、この様なせこせこしたやり方によって手柄をむざむざ潰してしまうかの様な、つまり皇室が自然消滅してしまうかの様なやり方は反対だと言っているのだ。解体する時はテレビや新聞、SNS等ありとあらゆる情報インフラを通じて“世界”へ強烈に発信するべきである。「これは我々日本人の総意と運動の成果である」と。
何故日本では、大声を上げて皇室解体を叫ぶ者が現れなかったのだろう。共産党が主張するような「天皇反対!」といった程度のみみっちい弱々しい声しか上がらなかったのは何故だろうか。「男系男子反対!」と、もっと核心を突いた主張をやるべきだったのだ。僕は分かっている。彼等は、皇統断絶(皇室解体だと真意が伝わらない。男の血の流れを絶たなければならない!)が経済発展に寄与するものとは考えも及ばなかったからである。先の対戦の責任が天皇にあるとか、マルクスの万人平等の精神にそぐわないとか、どうせちゃちな発想に過ぎないのだ。我々は今を生きる人間である!今掴めるものは全部手繰り寄せてみせるのだ!ロマン主義や理想主義なんてくだらない。共産主義とはロマンと理想の成れの果てに過ぎないのだ。彼等は理想が高過ぎる上に、多少なりとも、見えないものへの“畏れ”がまだあったのだろうと思われる。だからこそ、訳の分からない理想に燃えていたが為に皇統と経済の因果な関係に気付かなかったのだろう。馬鹿な連中である。僕のような新人類は“畏れ”を完全に捨てて、氷の上に座り、これしかないという様なあまりに冷たく人も寄せ付けない判断をやってのける積りだ。ああ僕が総理大臣だったらなぁ。テレビカメラの前で“世界”に向かって宣言してやるのになぁ。日本人が何千年にも渡って繋げてきた皇統の男系継承はこれを最後に止めにしてやるってね。その代わり、お金を刷って刷って刷りまくってやるんだとね。だから邪魔するんじゃないぞと。俺は自殺なんかしないし、駅の構内で飛び降りたりもしないからなってね。安倍はごめんだぞともね。国内の自称保守派が騒ぐだろうか?既存マスコミや普段皇室なんて考えた事もない連中(俺もこの中に入るのか?)だって心にもない皇室擁護論を繰り広げるかもしれない。いやいやそれ以前に、笑われて相手にもされないかもしれない。それならそれで構わない。総理の衆議院解散権を行使するつもりだ。但し、日本銀行の紙幣印刷機をフル稼働させてから辞めてやる!それもさせないのだったら政府で官邸で俺の権限で俺の目の前で一兆円玉を百枚造るんだ!これを止めて本当のところ誰が困るんだろう。“世界”への誓い、つまり皇統断絶を約束する迄もなく、勝手にお金を刷って誰が損をするのだろうか。損をしたと言って来た人間にはお金を配ってあげると良いのではないか。それではハイパーインフレを起こしてしてしまうって?だったら俺が印刷機の前に座って見といてやるよ。なんなら“世界”に配ってあげたって構わない。金が欲しい奴は皆んな俺の前に出て来ると良いだろう。なんだ、俺は詐欺師だったんじゃないかと思って少し我に返った次第である。
兎に角、岸田なんてのは踏ん切りのつかない腰抜けなんだ。自民党は考えの足りない脳足りんの集まりである。皆んな、知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいるんだろう。皇統、これは断絶すべきである。以上の着想を得たには理由があるんだ。10年近く前にフジのプライムニュースを観ていたら、変な外国人が出て来て、「日本の近未来はこんなに明るいぞ」と盛んにやっていた。宙を浮いている車がそこら中に走っていたり、なんだなんだ、例えて言うならあれは映画「マイノリティ・リポート」の世界観だった。これの何処に日本らしさがあるんだってね。僕は反近代主義者では決してないのだが、あの未来絵図には何処かに薄気味悪さがあった。そうか、この絵は皇統の途絶えた未来を暗示しているんだってね。勘の良い奴はあの放送を観たら気付いた事だろう。だから今暗躍している皇統断絶論者は僕と同じく“世界”の推奨を察知した者なんだろうと思う。もしもそれが達成出来ないんだったら、“世界”は日本の先細りを只々待ってくれるだろうか。日々動けなくなっていく人間を捕まえて、ウクライナの様な戦場でせいぜいこき使ってやったら良いと思うのではないか。勿論、我々をウクライナに連れて行く事は出来ない。日本をウクライナ化するという意味である。日本に大量の武器を売りつけるのだ!おお、なんと“世界”は腹黒いのか!

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