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「無益」な要素を「有益」に変えるサービスたち/ビジネスモデルを学ぼう

休みの日、昼や夕方まで寝てしまって「1日を無駄にしてしてまった」と感じたこと、ありませんか?

誰しも、こうしていれば無駄にならなかったのに。と後悔する経験をしたことは人生で一度くらい(なんならたくさん)あるかと思います。

実はビジネスの中でも無駄になってしまっている要素はたくさんあり、この利益を生まない状態に目をつけ、利益を生む状態に変えてくれるサービスが存在しています。

今日はその事例をいくつか見ながら、ビジネスモデルを学んでみたいと思います。

レストランの赤字時間を利益に変える「Spacious」

Spaciousは2016年にNYで創業したサービスです。
このサービスは2019年にコワーキングスペースを運営するWeWorkに買収されました。買収額は非公開のようですが、当時の評価額は31億円ほどだったそうです。

レストランやバーは、基本的に夜が稼ぎ時となり、朝から夕方にかけてはクローズもしくはランチ営業となっていることが多いです。この時間はなかなか利益が出しづらく、開けていても閉めていても赤字ということも多いそうです。

その朝から夕方の時間を、コワーキングスペースとして貸出できるようにするサービスが「Spacious」です。

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運営元のSpacious Technologies,incがレストランのスペース使用料を払い、レストランの昼間の時間をコワーキングスペースとして提供。利用者は、1日の利用料を支払うor年間メンバーになることで、スペースを利用できる仕組みとなっています。

利用者からすると、1回2,000円程度、もしくは年18万円ほどで様々な場所にあるドリンクバーなどがついたおしゃれなレストランで昼間仕事をすることができます。仕事柄、移動が多いビジネスマンにはピッタリのサービスです。

レストラン側にもメリットは大きく、なかなか収益化できない時間帯をスペース利用料という形で貸し出せることで、赤字だった時間帯を収益が出る状態に変えることができます。

また、コワーキングスペースの利用者がそのまま食事をしてくれたり、食事目的ではない人達にも認知を取ることができるため、潜在顧客の発掘までSpecious側でおこなってくれる一度で二度おいしい取り組みへと早変わりします。

このサービスの素晴らしいポイントは、ユーザー(利用者)とサプライヤー(レストラン)の両方の課題を上手く解決しているところです。

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外回りの多いビジネスマンは、よくカフェなどで仕事をする機会があると思います。しかしカフェなどには様々な人が来るので、騒がしかったり仕事に集中できる環境ではないケースもあります。もっと静かな場所で仕事がしたい、もっと落ち着いて仕事がしたい。そういった願いがこのサービスで叶います。

他のレンタルスペースなどと違い、鍵の受け渡しやルームの清掃なども不要で、気軽に使って気軽に帰れる。なんなら食事もしていける。これは便利ですよね。

そしてサプライヤーであるレストランは、前述した通り赤字時間を収益化することができます。また、宣伝効果もある為一石二鳥。

この二つの課題を結びつけることで解決した、キレイな*リボンモデルのビジネスだと思います。

*リボンモデル=クライアントとユーザーが出会う場(プラットフォーム)を作り出し、双方の満足を追求するビジネスモデルです。(出典:リクルートホールディングスレポート「価値創造モデルの中心となるビジネスモデル」

床面積のコストを無くす「サマリーポケット」

自宅には「使わないけど必要なもの」や「たくさんあって幅を取っているもの」がどの家にも存在します。

すると、お金を払って使っている土地を無駄遣いしている状態となり、言うなれば土地にかかっているお金を無駄に消費している状態と言えるのではないでしょうか?

そんな無駄にしてしまっている床面積のコストを解消してくれるのが「サマリーポケット」です。このサービスは専用の箱を購入し、そこに入るだけの「物」を月額料金で保管してもらえる、いわば貸し倉庫です。

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大きな特徴は、預けるものをひとつずつ写真に撮って保管することができ、必要に応じて1アイテムごとに取り出すことができる点です。いま自分が預けているものをすぐに把握でき、欲しいものを欲しいタイミングで取り出せる、四次元ポケットのような仕組みですね。

さらに、預けていた物が不要になった場合、手数料を払えばヤフオクに出品してくれるお任せオプションも存在します。また、洋服や布団をクリーニングに出してくれるオプションもあります。

使わないものを預かってくれて、クリーニングにも出してくれて、いらなくなったら売ってくれる。こんな至れり尽くせりなサービスがあるもんなんですね。

ビジネスモデル的には「預かり量×オプション利用率×利用継続期間=売上」となるため、ビジネスを拡大する上では、「どれだけの預かりキャパを確保できるか(=倉庫の利用可能面積)」が大きなポイントです。

そして、売上を積んでいくうえで「どれだけ量を預けてもらえるか(利用人数×預け量)」「どれだけオプションを使ってもらえるか(一人当たり平均単価の向上)」、サブスクモデルなので「どれだけ継続して使ってもらえるか=解約に防止(売上の積み上げ)」が勝負になります。

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在宅で家にいる時間が増えた今、家のスペースを有効活用したいというニーズは高まっていると思います。そんな時、使わないものを捨てるのか・取っておくのか・売るのか、という選択肢だったところに「預ける」という選択肢ができることは、大きな変化ですね。

SNSの発展に寄り、この先クラウドとリアルはより境目がなくなると思っています。そんな世界で、こういうリアルの課題をクラウド的な発想で解決できるサービスは大きな可能性を感じます。

今後も動向を注目していきたいですね。


今日は、「無益」を「有益」に変えるサービスというテーマで見ていきました。色んなサービスの考え方や戦い方を見ることは学びが多いですね。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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