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コミュニティをつくりたいなら、イベントを企画するな。

最近こんなツイートをしたので、ちょっと詳しく書いてみます。

コミュニティスペースでは極力イベントを企画しない方がいい

自分はこれまでに、中高生世代の放課後施設、市民活動センター、そしていまの私設図書館と、さまざまなコミュニティスペースの運営に携わってきました。

その経験からわかったことは、運営側がイベントを企画しないコミュニティスペースの方がうまくいくことです。

うまくいくというのは、主体的で自律的なコミュニティが育つということで、そこに集う人同士が有機的に繋がり、新しい価値が生まれていくとも言い換えることができます。

そもそもコミュニティづくりは、焚き火に似ていると言われます。焚き火は最初に手間をかけ、だんだん炭に火が移ってくればあとは勝手に燃えていきます(もちろんたまに面倒は見ないとですが)

つまり、コミュニティづくりにおいて運営者がイベントを企画し続けている状態は、焚き火にずっと薪をくべているのと同じであり、自律的なコミュニティとは呼ぶことができません。

日常性と非日常性

まちのあちこちに本を置いて、人やまちを繋ぐ「まちライブラリー」の活動を提唱された磯井さんとお話しした際に、コミュニティ活動の日常性と非日常性について伺う機会がありました。

まちのお祭りやマルシェなどのイベントは非日常の活動で、コミュニティスペースの運営は日常の活動と言えます。日常性の活動において重要なのは、毎日そこにあり続けることにあります。

例えば、自分の好きなカフェや居酒屋はまさに日常性の場です。いつ行っても顔見知りのマスターがいて、常連客がいて、自分のお気に入りのメニューがあって。それを求めて、お店に足を運ぶ方が多いでしょう。

でも、もしもそのお店で毎日のようにイベントが開催されていたらどう思うでしょうか?「今日は暇だから行ってみよう」と思って、お店の前に着いたら「本日は貸切です」の看板が出ていたり、行きつけのコワーキングスペースでいつ行っても◯◯勉強会が開催されていたり。

自分だったらそんな場所には、あんまり行きたくないなぁと感じてしまいます。

そもそもイベントの企画は疲れる

そもそもイベントを企画するのは、とても労力のいることです。企画を考え、集客し、当日の運営を行なって、片付けをして…。イベントのばかりしていると、運営側が疲弊してしまうんです。

もしあなたがコミュニティスペースの運営者で、毎月のようにイベントの企画をしているのであれば、その大変さを実感していることでしょう(最初は楽しいんですけどね)

でも、なんのためにイベントを企画しているかをよくよく考えてみれば、その場所に人を呼び込んだり、新規の人に知ってもらうきっかけだったりが目的のはずです。

これは別にイベント以外の方法でも達成できるはずですし、日常利用したい人からすればイベントはむしろ邪魔で、コミュニティづくりには逆効果になる可能性もあります。

もちろんたまに刺激がないとおもしろくないのが人間なので、イベントの企画が一切いけないとは考えていません。たまには必要です。

ただ毎日、毎週、毎月のようにイベントが開催されるコミュニティスペースは、コミュニティが育たないし、イベントに頼らない運営が重要ではないかと考えています。

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