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中途採用に「即戦力を求めるべきなのかどうか」会議

 企業にとって中途採用とは可能な限り事業を前に前に推進するために必要な人員を確保するために必要な措置だ。この前提が間違っているとは思わないものの、即時的な戦力として期待している企業側と採用される人員側とでの認識は「即時結果を求める」でいいのかどうかを考えてみたい。

 ※ なんだか偉そうな書き出しで恐縮だが僕自身は、中途採用で雇用された後に即時的に成果や結果を出せたことは多少はあるかもしれないが、少なくとも経営に大きなインパクトを与えたことがあるのかと言えば甚だ疑問である。そんな人員が書くことであるので、どちらかというと即時的に成果や結果が出ない人の考え方が書かれてると思っていただきたい。

 どうも、おはよう!会えなかった時のために、こんにちは!こんばんは!おやすみなさい!えんどう @ryosuke_endo です。

今回のnoteを書くきっかけはサイボウズの林田さんのポスト

 まず、今回の内容を書くに至ったきっかけは、サイボウズの林田さん(ビジネスマーケティング本部/本部長)のポストからだ。

 サイボウズといえば業務アプリ構築クラウドの「kintone」(キントーン)をはじめとしたSaaS(Software as a Service)における国内トップレベルの企業であり、同時に多様な働き方を推進している組織でもある。

 さぞ、中途採用される人材はもちろん、新卒で採用される人員のレベルも高そうな印象を抱いてしまう。その理由は簡単で、国内におけるトップレベルの売上規模・利益を挙げられる企業であるということは、それを実現するための組織体制と人員が必要だからだ。

 つまり、人員を確保する術を保有している以外に、確保した人員を円滑に事業推進するための戦力とするための術も保有しているとみることができる。そうでなければ国内でトップの事業者となるための成果を出すことなどできるはずがない。

 しかし、林田さんのポストからはそうではないとする意見とともに、受け入れ側と採用された側の認識ギャップがあることと、長期的な視点で自らの入社を捉えてもらいつつ、プロセスや文化といった業務以外の認識を徐々に周囲と合わせてもらいたいとしている。

 この点は少なくない企業における採用にもいえることだろう。

組織の段階や状況によって求められるものが変わる

 まず、入社から1年以内に成果を求めるほどに高速な成長を遂げることを目指している組織では、限りなく離脱や離職が多くならざるを得ない。

 つまり、切っては捨てるというと聞こえが悪いが組織の成長に完全に貢献できるだけの「タフ」な人員以外をドンドンと入れ替わり受け入れることによって選別し、より速度を上げられるような体制を構築する。

 長期的な視点での採用は「余裕」をもっているからこそだ。

 まだ創設間もない会社や小さいながらも志の高い組織体は、とにかく自分たちが社会的に意義のある存在であることを誇示することだけでなく、血を流しながらでも前に進んでいる状態を保持しなければ組織的な死を迎えてしまうであろうことを実感している。

 急速な成長を遂げるためには、とにかく歩みを速める他にない。時代の変化というカーブにも臆することなく最高速で突っ込んでいく。そこで降り落ちてしまう人間は「仕方がない」のだ。

 今回の林田さんの内容は、一見するとサイボウズの採用事情について「余裕」を感じられるかもしれない。

サイボウズも懸命に模索している最中

 サイボウズとて、これまで最高時速を更新し続けるために犠牲を払ってきた時代はある。過去には離職率が28%だったこともある。日本の平均的な離職率が15%前後(厚生労働省)であることを踏まえると、決して低くはない数字だ。

 2005年当時の28%から現在の離職率は3-5%程度にまで落とし込まれているわけだが、これは組織再編や評価制度の見直しなどを行ってきたサイボウズとして取り組んできた努力の成果でもある。

 無論、離職率が低いからすばらしいといいたいわけではない。

 雇用の流動性が低いと言われる日本だが、国際的な比較をみると決して大きく劣っているわけではなく、むしろ従業員側の働く権利が強く、アメリカなどと比べれば簡単にクビを切れないにもかかわらず、よく健闘していると言えるかもしれない。

 ただ問題なのは、転職をしたところで収入を上げられない構造になっている点、つまり好条件での転職が難しいということだ。だからこそ、企業にしがみつこうとする会社員、いわゆる「仕事ができないおじさん」が生まれてしまう土壌を育んでいるのも事実だ。

 そういう人材を循環させる意味では「離職率が高いこと=悪い会社」ではないといえる。特に速度を高めていく段階にある組織からするとコストばかりがかかってしまう害悪的な存在に見えるだろうし、足を引っ張る存在として組織内に嫌悪感を漂わせる存在になってしまうかもしれない。

 そうすると、離職率や離脱が多い組織は、その組織が置かれている段階や状況に人材が合わなかっただけの場合が多いのではないかと考えることができる。

 ただ、長期的に見れば採用制度や組織体制、社内の受入れ体制やその仕組みなどを整えることにより、組織に貢献してくれる人材を確保しつつ、成果を出せるように「整えていく」ことができる組織の方が魅力的にみえる。

いま日本は人手不足ではない

 いま、日本は人手不足だと言われている。しかし、実態は低賃金で働いてくれる人不足であり、賃上げ不足だ。

 こうなってくると長期的な視点で人材の確保を行い、その確保した人員を「整える」制度や仕組みを持っている組織の方が人員を確保できる可能性が高くなり、低賃金しか提供できない組織は人員(日本人)確保ができなくなる。

 僕としては、それでいわゆるブラック企業が淘汰されるのであれば日本にとっては非常に好影響を与えられる可能性が高くなることから、歓迎すべき事柄だと考えているのはいうまでもない。

 結論はこうだ。

 中途採用を考えている組織も採用される側も、少なくとも1年以内に成果や結果を求めたり出すことを必要以上に取り組む必要はない。

 それ以上に組織としては人材を確保した後に「整える」制度や仕組みを用意することに注力することで長期的な意味で人材の確保をできる可能性が高くなると言えるし、人材側は組織文化などをはじめとした「認識」をすり合わせていくことと自らのスキルや経験を発揮できるように周囲との関係性を構築していくべきだろう。

 この意見が合っているか間違っているかは正直なところわからない。

 しかし、これまでに複数の企業に中途で採用され、1年以内に組織を去ることになったこともあれば、3年から5年と在籍することもあった。また、組織として採用する側、制度や仕組みを整える側として活動することもあった立場から考察した一つの意見だ。

 自分と生活をする子どもが、いざ仕事をするとなった場合、どちらの方がいいのかはわからないが、少なくとも僕の意見を伝えるとするならば上記したことだろうことから、今回のnoteで書いた内容となる。

 以上。

 ではでは。

 えんどう

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