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オウンドメディアを運用すればいいのではなく成果までの過程と我慢が必要

枕にかえて

 どうも、えんどう @ryosuke_endo です。

 何だかオウンドメディアを運用することが大前提のような社会風情だ。

 どこもかしこもオウンドメディアと称してテキストで自社の魅力や商材のよさを申し伝えようとするところもあれば、動画で再生数を稼ぎつつ=自社サイトや採用サイトへの導線を構築しようとしていたりもする。

 もう、何ならみんながメチャクチャがんばってるからこそ真っ赤っかな血みどろの戦をしなければならないような状態に陥っているような気もしていたりする。

 遠くから一人のネットに依存する現代人として観測していると「みんな、疲れてるんだね...」なんて感想を抱くに至るわけだが、みなさんはどうか。

 オウンドメディアだなんだといいつつ、結局、やってるのは「自分たちの出したい情報」を出すだけの自慰的な発信となってしまっていることが少なくない。

 少なくとも企業体・組織体として発進をする以上、そこには誰かしらの役に立つことや得をする情報が掲出することが望ましいわけだが、それと自分たちの「ありのままの姿」とがごちゃ混ぜになってしまっている感がある。

 別に僕は著名なWebマーケターとやらでもデジタルマーケティングとやらでものすごく成果を出すような人材ではないが、それらの情報を受け取る生活者として、また、サービス提供者として実感していることを書き連ねていく。

▶︎ オウンドメディア地獄に嵌まり込む人たち

 まぁ、オウンドメディアが云々と書いてある情報はいくらでもあるため、有益なWebマーケターとかデジタルマーケティングに強い人たちが書くたちが出している情報をググってもらった方がいい。

 本稿で記載するのは、どうもオウンドメディア地獄にハマり込んだ末に右往左往している人たちのことを観察しただけの趣味の悪い内容しか記載しない。ここにはキラキラした言葉の装飾もなければ、為になる助言など一切ないことを記載しておく。

 動画であろうが、テキストであろうが関係なく、オウンドメディア地獄にはまり込む人たちはどの業界のどんな組織にもいてしまうものだ。

 何が地獄なのか。

 出す情報が偏っており、誰のためにもならない自慰的な情報となってしまう点だ。

 ただメディアを運用するだけならば無料でできる時代である。

 企業であってもコストをかけずにソーシャルメディアのアカウントを開設し、業務時間内に投稿をするスタッフを見繕ったうえで月間で投稿数やフォロー数などの”目標設定し運用”させる。

 違うだろう。

 そもそも会社組織であれば何もかもが利益を追求すべきであり、そこから逆算数式によって導き出された行動をとるべきだ。売上の増加する効果を期待するのか。経費の削減効果を期待するのか。

 そこから逆算されて運用されるからこそ目標設定が意味をなすのであり、ただView数が増えたとか減った、月間の閲覧ユーザー数の増減とか正直どうでもいい。

 そんな当然かのような運用方針をいつしか見失ってしまった人たちが運用するメディアは地獄に落ちたも同然である。そこから這い上がるためには、余程の人が途中加入して救い出さない限りは無理だろう。

▷ “自分たちの強み”と”出されて嬉しい情報”は違う

 なぜ、そのような勘違いが起こってしまうのか。

 自分たちの強みを探る作業や時間が楽しいからだ。自社のよさを知っているからこそ、世間にもっと知られていいと考えるし、自分たちの仲間を世間に知らしめたいとも思う。

 実際、そうやって行動した結果として自社内の魅力に気づけることもあれば、さらに深掘りしたいと思える事柄に出会えることもあるため、そこに嵌まり込んでしまう人たちがインターネットの世界にソーシャルメディア登場以後、急増している。

 しかし、いくら自分たちの強みや魅力を語り出したところで、その情報を求めている人たちは極めて少数派である。いや、むしろいない。いるはずがないのだ。

 たとえば、自らの出身地が田舎の人は理解できるだろうが、地元の〇〇組合に所属する▲▲課長の強みとか魅力を出された媒体があったとしよう。それに興味なんて湧くだろうか。興味を持つわけがないだろう。

 仮に興味を持って覗きたい人がいるとしたら、その▲▲課長の知人や友人、家族ぐらいなもので、その地域に住む人たちが1万人いたとしたら1%、つまり100人もいないだろう。

 そんな情報を必死に、懸命に世の中に出そうとしている姿を想像すると、何だか物悲しくはならないだろうか。

 「いや、そういう小さいかもしれないけど熱がありそうなところに投下することに意義があるのです!」

 そうやって息巻く人もいるだろうが、その熱量を生み出す人たちの属性が何なのかにもよる。少なくとも▲▲課長の情報が出されて喜べる人たちの属性は、決して情報が拡散されたり深掘りされるようなものではないはずだ。

▷ “出されることを望むもの”と”出されたことが喜ばしい情報”

 なぜ、そのような齟齬が生じるのか。

 それは”出されること自体を望む人”がいて、情報を出して欲しい欲求(つまり承認欲求)が出てしまうためだ。また、上記した自組織の魅力や強みを深掘りしすぎた結果として出てくる他己的な承認欲求も無関係ではない。

 「この人、すげーんだぜ!」みたいなどうでもいい他己紹介を受けたことがある人はわかるだろうが、正直、自分にはまったく興味も関係もない分野の人を紹介された時の気まずさを思い起こして欲しい。

 オウンドメディア地獄に陥っている人たちの出す情報は、そんなふうに他人の余剰時間を少しでも削減しようと目論む悪の結社なのではないかとすら思えるほど、まったく悪意のない悪意を振り撒いてくる。

 いい迷惑という他にないのだが、うまくメディア運用をできている本当に企画上手で構成上手なメディア運用者たちは「情報を出されたこと自体が喜ばしいもの」を厳選して出してくる。

 それは一定以上の熱量を持ち、他人に少しだけでも影響を与えるほどに”経済循環に影響を与えることが叶う人たちが求める情報”だ。

 「え!あの情報がでるの!」とか「...ぅぉ、まじか...」みたいな反応ををしてしまう待ち焦がれた情報である。ただ情報を出すのではなく、視点や切り口、切り口の角度が鋭利であるのかどうかなど、企画や構成によって噛めば噛むほどに味が出るスルメのようなものだ。

 存外、誰もが気になっているけれど調べる機会が多くない情報や、それらをまとめた有益な保管庫として機能する運用などができればメディア価値や運用者に対する評価は鰻登りとなる。

 たとえば、ロシアがウクライナに侵攻した経緯を丁寧に当事者たちの発言や当時の情勢などを踏まえつつ時系列でまとめられた情報や、それぞれの首脳たちが発する生の声明をリアルタイムで届けるようなことができれば、その価値は世界規模で賞賛されるだろう。

 そこまではいかなくとも、地元で有名なラーメン屋が経営を諦める機会にに、一人の客として、時には友人としてマスターからの声を地元の人たちに届けることができたとするならば、それは非常に価値のある情報となる。

 そこまで有名ではないかもしれないけれど、著名な人たちが何名も通っていたと噂されていた小さな塾があり、そこの運営責任者と著名人と接点を持っていた講師陣の運営方針などが世に出されれば興味を引くだろう。

 世に出されること、世の中に出されることがなかった情報を出すこと、そしてその情報と自組織との関連性を密接に関連させられることが地獄化しないメディア運営においては必要なのだ。

▷ あなたの会社や組織は何をする人たちの集まりですか

 地獄化している自覚がないメディアを運用している人たちは多くいるだろう。ただただアナリティクス上の数値を日次、週次、月次で確認しては数値改善を図ることにだけ躍起になってしまっている人たちは注意が必要である。

 なぜなら、それはメディア運営をすること自体が目的化してしまっている状態であり、運用することに注力しすぎている状態である。

 冒頭の問いを思い出して欲しい。

 会社組織であれば利益を追求するべきであり、利益とは(簡単にいえば)売上と経費の引き算で捻出されるもので、それを叶えるだけの行動が業務なのだ。

 自社でメディアを運営することの目的は、根本的に利益の創出であり、売上増加への貢献であり、経費削減を期待できるものであるべきだ。

 もし、これらに該当すると述べることができないのであれば、運用方針を見直すか運用自体をやめた方がいい。

 繰り返すが、会社組織は営利組織であり、サークル活動ではない。

 オウンドメディアの運用は決して短期的に成果が出せるようなものではない。時間がかかるものである。時間がかかるものであるからこそ、どうやって認知を得るのか。認知を得たらどうなるのか。実際に商材購入や顧客となる可能性をどうやって高めるのか。

 そんな当然なことを当然なこととして認識すべきなのだが、地獄に陥ってしまっている場合には気づけないものである。

 だからもし、あなたの周りに地獄と化している案件があれば、担当者にそっと聞いてあげて欲しいのだ。

 「それって会社の利益になってるの」

 もうそれはそれは「きっつー。」な質問であるが、だからこそ必要な質問なのである。時間は有限で、給与は会社の金融資源から出されるのだから無限ではない。がんばらなければならないのだ。

 ではでは。

 えんどう

▶︎ おまけ

▷ 紹介したいnote

読み進めるたびに安達さんからコンコンと説教を受けているような気持ちになるのが、この記事のおすすめポイントである。月に10本の質の高い記事を出すべきだ、とする箇所に納得せざるを得ないのは安達さんが書いているからだろう。

【30】ページビューが伸びないブログやオウンドメディアの欠点は明らか。

マーケティングってことばがドンドンといろんなところで使われるようになったこともあり、何でもいいのかって話になりかねないが、実はシンプルなもので「何がして利益を出したいのか」って話になる。その点を踏まえて本記事を読んでみると随分と納得感が高くなる。

採用オウンドメディアを立ち上げようか迷っている方へ

僕は毎日書いているのだが、特にポジションを決めているわけではない。なぜなら、勝負するところがないからである。勝負したいと思っている市場があれば何かしらポジションを取って行動するのだろうが。

ブログのポジショニング戦略。オウンドメディアを失敗しないためにすべきこと

▷ 本noteに関連する紹介したい書籍

セールスコピーを考えることは、商材やサービスを「どう受け取ってもらうのか」を決める過程だ。この時間が楽しいと思える人は多いのかもしれないが、決して簡単なものではない世界でもある。だからこそ、ことば選びを慎重かつ大胆になる必要がある。地獄化したメディアに必要なのはここだ。

▷ 著者のTwitterアカウント

僕の主な生息SNSはTwitterで、日々、意識ひくい系の投稿を繰り返している。気になる人はぜひ以下から覗いてみて欲しい。何ならフォローしてくれると毎日書いているnoteの更新情報をお届けする。

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