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金融教育について思索を巡らせる、ある事件の記録。

はじめましての方から頻繁に起こしいただく方まで、ようこそ。 どうも、ゑんどう @ryosuke_endo です。

このnoteでは、特に読む必要がないと感じられることかもしれないけれど、ぼくがだれかと対面して話したい”雑談”を文字化するものなので、そんな雑談にお付き合いくださる方は、ぜひ読み進めてください。

そして娘は命を絶った ~“暗号資産”めぐる事件の果てに

上記の記事を読み、ぼくは我が家にだって存分に起こり得ることなんだろうと身震いすると同時に以下の5項目が頭の中で浮かんできた。

① 金融教育
② 投資とローン
③ 奨学金という名の借金
④ 詐欺被害
⑤ 自己責任と被害救済

金融教育の必要性

しょっちゅう投機的な目線で語られることの多い暗号資産だが、今回の事件で「だから暗号資産は…」といった語り筋にするのは誤りだ。暗号資産は合法的に取引されるもので、それについてあーだこーだいうのは筋違いである。

もちろん、暗号資産の税制等については課題があるのは事実で、一時期ビットコインで億り人となれたところで他の暗号資産(当時は仮想通貨と呼称)を購入していた人たちが追徴課税に苦しめられていることがネット上で話題になっていることからも察することができる。

ただ、それも日本という国の税制を把握しているのかどうかや資産とは何を指すのかなど、金融に関する知識や体験をしているのか否かによって取り扱う態度や姿勢が異なってくるのは明らかだろう。

金融教育は今年度(2022年度)から高等学校で必修化され、家庭科の授業で投資や資産形成まで踏み込んだ金融経済教育が行われることになっている。

これまでも小・中・高の各科目で断片的に組み込まれていたが、文科省が定める学習指導要領の改定を機に「公共」や「家庭科」の中で具体的に学ぶこととなったが、当事者である高校生やその保護者へVISAが行った調査の中で「金融教育が義務化されたことへの認知」を問う設問に対し、高校生は63.2%、保護者は47.1%が「知らなかった(今初めて知った)」と回答していることから、周知はされていない様子だ。

高校生は金融に関して「学びたい」が60.3% 学びたい項目は「適切な収入・支出の管理方法」|VISA

なぜ、学習指導要領の改定に伴い金融教育が必修化(義務化)されたのか。文部科学省は「生きる力」を育むことを重要だと位置づけているからだ。

要は社会の変化が昭和や平成の初期と比較すると圧倒的に激しく、そして早くなってしまったことから、定型的・踏襲的な生き方では迫りくる課題の解決が難しくなってきた。その解決をする/できるために必要なものが「生きる力」であり、その中の一つに「お金」について理解・把握し、うまく活用できるようになるべきだということである。

今回の暗号資産の詐欺被害をうけて残念ながら亡くなってしまった女性も消費者金融や奨学金などお金の問題が発生した結果、八方塞がりになってしまったと考え、自死を選択することになってしまったわけだが、少なくとも金融に関する知識や体験といった素地があれば防げたのかもしれない。

また、これは何も子どもたちだけの問題ではなく、保護養育の責任を持つ親でも同様だ。何しろ、親世代は金融教育なんてものを受けていない。どうしているのかと行ったら個人で興味や関心を持って知識習得や税制対応などの実務を通してノウハウを身につけているだけで、全体的に日本人全体が底上げされているわけではない。

我が家でも金融に関する知識や体験をどうやって行うのかを常々模索してい
るものの、自身の経験に即したことを提供するだけでは心もとないことこの上ないし何よりも不安だ。

しかし今は便利な世の中である。金融庁がここぞとばかりにわかりやすい資料を制作してくれているため、これを活用しながら自分自身でも知識をみにつけるのと同時に運用することによって体験を身につけることが可能だ。

「基礎から学べる金融ガイド」

「お金」は生活や業務を実行する上で不可欠な「力」だ。何かを実現させるために、ぼくたちはお金を利用する他にない。お金で幸福は変えないかもしれないが、少なくとも不幸になることを防ぐことにはつながる。

教育に金がかかる事実

何かを実現させるためにはお金が必要だと書いたが、現在の日本では教育を受けるにもお金がかかる。義務教育期間を終え、高等学校や大学に通うためには奨学金という名の借金をしなければならない。

教育を無償化することは大賛成だが、それをするためにも国が抱える予算の中から教育に注ぎ込まなければ実現できないわけで、ただただ「無償にしろ」と声を荒げたところで徒労に終わってしまう。

奨学金には実質的に借金となる「貸与型」と、返済が不要となる「給付型」があり、すべての奨学金が貸与型ではない。また、奨学金を提供しているのは日本学生支援機構(JASSO)だけでなく、大学や公益財団法人、地方自治体や上場企業など10,000以上もの団体から提供されており、中でも5,000以上は給付型の奨学金が用意されている。

これも調べることができる/できないによって「機会の格差」が生じていることを示すものといえるかもしれないが、結局は教育を受けるためにはお金が必要である点は揺らぐことのない事実なのである。

上記の奨学金サイト「ガクシー」を運営しているSCHOL(スカラ)が行った調査によると、大学生の40%は奨学金を受給しており受給に至った学生が受給している奨学金の61.6%が貸与型の奨学金であることがわかっている。

悲しいかな、大学を卒業すると同時に学費の返済がはじまってしまうことになるのだが、そうまでしなければならない状況というのは非常に貧しい状況である。

社会の中で金融資産が余っていないから教育へ資産を税金という形で回すことができない。その結果、教育を受けたいと願う子どもや保護者が自転車操業的な生活に借金を背負い、何とかその場(期間)をごまかすなんて構図なわけだが、先進国の中でも日本ぐらいなものだ。

今回の詐欺事件の被害者となってしまった女性やその家族も、生活面で非常に困窮していたものの大学進学という希望を手繰り寄せるためには貸与型の奨学金を頼らざるを得なかった。

ここで大学の無償化が議論の種になってくるわけだが、大学に税金を入れて学費負担を減少させるような施策はすべきではない。なぜなら、客寄せパンダ的な講師陣を揃えたり、楽しそうな学園生活を売りにするような大学が生まれてしまうからだ。

大学に税金を支払って潤う形にするのではなく、一定以上の成績を収めている学生個人に向けて国が授業料を肩代わりする形で運用したほうが本質的に学ぶ意欲のある学生と研究や学問を追い求める大学側との間に齟齬が生じなくなる。

まぁ、そのためには経済的な格差が生じるぐらいに日本が経済的に豊かにならないと厳しいのかもしれないし、老人たちがいなくなることを待つ他にないのかもしれない。

いずれにしても現状の学生たちを含め、貸与型で借金を背負う形になりながら社会人にならざるを得ないうえ、年収が30年以上も横ばいなのだから結婚をするだとか子育てをするだなんてモチベーションが湧くのかどうかは甚だ疑問である。

おわりに

上記してきたように、ぼくは今回の題材にした事件は教育とお金の問題が露呈する形になったものだと捉えている。

もちろん、他にも奨学金でいうと問題だといえる事例はあるだろうが、それも含めて金融教育がどれだけ効果があるのか、だ。

繰り返しになるが、お金で幸福を買うことはできなくても不幸となることを防ぐことは可能であり、お金の有無によって教育や学習の機会が損なわれてしまうのは国家的な損失だろう。

老人たちに有限資産であるお金を投下することは医療費も含め、もっと削り出しつつ、将来世代である子どもとその家庭に向けて手厚すぎると思われるほどにお金を投下することは将来、国民の義務である「納税」によって回収が可能だ。

こんなぼくでもわかるようなことをどうして行えないのか。どうして余命が60年以上もある若者が自死を選ばなければならないのか。

子どもと生活をする一人の当事者として、どうも他人事として片付けられない感情を抱いたことから、こんな風に長々と書いてしまった。

我が家の子どもたちが学業に勤しんだり、学校生活を豊かに送れるような時代になって欲しいとは思いつつ、小学校の景色が30年以上前から大きな変化が生じていないことに絶望している。

果たして、ぼくたちは国に一方的な期待感を寄せるよりも、自らの知識と体験を増加させるように個人で動いていく他にないのだろう。

何とも物悲しいことだが、日本から逃げることを前提に生活をしていないと苦しくなる一方なのかもしれないと思うと、そうも言ってられない。

老害が幅を利かせられる状態は、決して国が繁栄していくとは思えないが、数は力であり日本は民主国家であるため多数派が世間をつくっていく。
どうやら、詰んでしまっているのかもしれない。

嘘でも日本の未来は明るいといえるようになってもらいたいし、子どもたちがぼくみたいなオジさんになる頃にはマシになっていてほしい。

ではでは。

ゑんどう

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