拭き取る

「将来の夢はなんですか?」

そんなことをよく聞かれた。思い思いの夢を語ると大人の人は喜んでなりたい自分に賛同してくれてた。その時応援してくれてることが嬉しかった。大人は正しい存在であり、自分の知らないことを知っていて、僕たち子どもに希望を与えてくれる人だった。

その存在がすごく大きくて、大人が羨ましかった。早く自分もそうなってみたいなと思っていた。

大学を出て、社会人になり、大人の仲間入りをして思った。

「あの頃のキラキラして見えた大人なんてどこにもいないじゃないか。」

そのにいる大人は今日を生きるためばかりに仕方なく働くといった具合にすら見える燻んだ色だった。追いかけるものは夢や希望じゃなく、目の前の評価や数字といったノルマ。

今までの描いていたことが戯れ言かのように思えてしまうくらい社会の雰囲気とは淀んでいる。

これから社会に貢献、活躍すると意気込んでいる新生たちをことごとく潰しにかかってると思えてしまう。

そんな社会が嫌いだ。それが社会だという大人が嫌いだ。

夢を語らせて希望を見せてたのはあんた達だ。

そんな社会の端くれにならまいと若い世代は動き始めている。

淀んだ空気を払拭する時代がくる。曇った窓を綺麗にするように。




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