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アフターコロナ。変化を楽しむデザイナーになろう。

「MdN新世代デザイナーズファイル 一流アートディレクターが推薦する気鋭の91人(MdN書籍編集部)」にて、アートディレクターのDODO DESIGN 堂々穣氏が受けたインタビュー記事になっています。

これまでの自身のこと

——キャリアの最初の10年で心がけたことは何ですか?
毎日目の前の仕事に追われていました。だからこそ一番大切にしていたのは、自分のオリジナリティを探すこと。僕の場合は音楽からの影響が強く、JAMAICAレゲエのサウンドシステムやNYヒップホップなどのタイポグラフィ、レコードジャケットデザインなど。フォントの扱いやレイアウト、写真のトンマナなど好きな世界観を探求していました。自分の好きなカルチャーを信じ、センスを磨き、デザインに落とし込む。デザインから音や匂い、感覚まで感じさせたい。好きなものを追求する事こそ、デザイナーとしてのスキルアップに繋がると思います。

——失敗の経験はありますか?それはどのような内容で、どのように解決しましたか?
失敗も恥ずかしい経験も沢山しています。遅刻や誤植など失敗あるあるは一通りしました。その都度真剣に反省し、アウトをセーフに変える行動を試みてきました。その後の立ち振る舞いは特に慎重にし、その繰り返しで失敗は少なくなり、信用に変わっていくように思います。失敗は成功のもと。

——次が見いだせないときに、何がきっかけでがんばれましたか?
仕事に集中し没頭し続け、うまくいく時もあれば、どうあがいても前に進まない、いや後退することすらあります。それが長期にわたりどうすれば良いか分からず不眠や鬱状態になることもありました。解決の糸口はリセット。
自分の中に溜め込まず、家族や信頼できる友人に話を聞いてもらうこと。話すことがなくなるくらいまで話し、自分の思考を空にする。不思議とパワーが湧いてきます。あとはひたすら寝ること!

——「この仕事を続けていける」と感じたのはどのようなときですか?
自分達の手がけたデザインが世に出て、それを目にした時はとても感動するし達成感があります。それ以上に感じるのは、デザインはグラフィックのみならずデジタル、空間、映像etcと括りがなくどこまでも自由で変幻自在です。いつも決まった答えはなく、無限に可能性があり、人々の役にも立ちます。もちろん毎度うまくいくか緊張しますが、時代の流れに乗ってワクワクしながら働ける。デザインの仕事は本当に素晴らしいと毎日感じています。「デザインが本当に好き」な限りこの仕事を続けていきたいです。

いまの自身のこと

——悩んだときの解決方法は?
何かでスイッチを切り替える事でしょうか。他分野で活躍する人の話をYouTubeで見て発想の転換の参考にしたり、トレーニングして体を追い込み頭の中を空っぽにしたり、サウナで汗とともにストレスを流し水風呂で整えたり。自分をリセットする何かを見つけると良いと思います。それから僕の場合はお風呂から出る時と電車から降りる時に解決方法を思い浮かぶ事が多いです。何かの扉を出る時が僕のスイッチみたいです。

——クライアントとはどのように接するようにしていますか?
どんな難しい課題でも断らないようにしています。礼儀礼節も大切にしています。プロのデザイナーですからクライアントのニーズに答えてオリジナルデザインができることは最低限のスキルです。その先に価値があると考えています。あとは、人の話をよく聞く、約束を守る。これに尽きますね。

——達成感を覚えるのはどんなときですか?
まだ見た事もないデザインが出来あがった時です。またこれまで思いつかなかったアイデアが浮かんだ時、目の前が晴れていくような高揚感があります。パッケージデザインや店舗デザインなど自分たちの手がけた仕事が流通していることにも達成感を感じます。

——いま、何を目指して作っていますか?
コロナの時代になり、今までの当たり前が当たり前じゃなくなりました。私たちは時代に合わせたフレキシブルなデザインを目指しています。未知の世の中に対して人類がどうするか試されている。それがデザインの世界にも映し出されている気がします。時の流れを読み時の流れに乗るデザイン。今までの既成概念を取っ払い、見た人手にとった人の第六感を刺激するようなワクワクするデザインを目指していきたいと思います。

デザインに対する考え方について

——この仕事における「プロフェッショナル」の定義を教えてください。
独自の何かを極めている人だと思います。そういう人はオーラが違います。自身に満ち溢れています。そういう大人になりたいですね。

——これからのデザイナー、アートディレクターのあり方はどのようになるか、どのようになるべきかを教えてください。
今はGoogleのみならず、YouTube、InstagramなどのSNSから情報を得るだけでなく発信するも当たり前になりつつあります。僕らデザイナーも発信する側に立ってもいいんじゃないかと考えています。ロゴが出来上がるまでの作業風景とかラフデザイン制作過程とかプロの仕事をYouTubeでアップしたらどうかな、と。自分たちの知識や技を無料で公開し、DM(フィードバック)で学習する。そのような新しい試みをしたいです。先人の知恵に頼りつつ、過去のしきたりにこだわらない。イラレやフォトショだけでなく使用アプリケーションも変わると思います。最近新卒で面接に来る学生達は既にその流れにあります。この変化スピードを楽しむデザイナーになるべきです。

新世代へのメッセージ

——どのような目標を、どのように立てるべきかを教えてください。
これから先の未来に向けてどうやっていくかに意識を集中して目標を立てるべきです。大変革の時代、昨日良かった事が翌日に変わっている可能性があるので毎日アップデートが必要です。情報感度を高く持ち続け柔軟にスピード感を持って仕事するべきです。

——その達成のためのヒントを教えてください。
SNSにYouTube、メディアが完全に変わってしまいました。この変革スピードに思い切り乗っかっていくべきでしょう。デザイナーがYouTubeチャンネルを持ってもいいし、自分の好きなことを極めて発信していくべきです。働き方も働く場所も本当に自由な時代になりました。





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