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利尿薬

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#ループ利尿薬

利尿薬の副作用を比較【血圧は?腎機能は?電解質は?】

利尿薬を使用するときに,副作用を気にすることは少なくないですよね.

利尿薬であれば脱水は共通の懸念事項になりますし,カリウムなどの電解質異常,腎機能の悪化など留意すべき点は多数あります.

すると,いろいろな副作用がありすぎて,なにを気にしたらいいのか,頭の中がゴッチャになることありませんか?

今回は,利尿薬の副作用を整理するとともに,「この利尿薬ではこの副作用にとくに注意」「この利尿薬なら,

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【Drぷーの私見】利尿薬いろいろランキング【使い分けの参考になるかな?】

いろいろ利尿薬の記事を書いてきたので,ここいらでいろいろなランキングをつけてみました.

完全に私見です.

質問とか意見があったら,議論してみたいのでTwitterでコメントやDMください!

1.利尿作用利尿薬ですからね.利尿作用は比較したいですよね.

1位.ループ利尿薬
・やはり,利尿作用といったらループ利尿薬.増量の効果も期待できる.
・静注薬があり,効果判定や用量調整もつきやすいのも良

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【実臨床で困るやつ】利尿薬抵抗性の原因と対策➁:対策編【保存版】

(2022/10/11追記)

前回に引き続き,利尿薬抵抗性の原因と対策です.

今回は,実践編.

0.前回のおさらい利尿薬抵抗性の原因はこのようなものが考えられます.
(詳しい解説は前回記事の目次クリックで読みたい項目だけ読めます.)

では,戦っていきます.

1.武器(治療選択肢)を確保戦いに武器は必要ですよね.

利尿薬抵抗性に抗うための武器と,特徴を簡単に列記します.

   

2.

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【実臨床で困るやつ】利尿薬抵抗性の原因と対策➀:原因編【保存版】

利尿薬の使用に苦手意識がある人.

苦手意識の1つの原因に

「利尿薬を使ったのに効かない!」
「どうしたらいいかわからん!」

という状況があるはずです.

今回は利尿薬抵抗性の話.(長くなってしまったので2部構成)

基本的には,”利尿薬抵抗性との闘い”は,”ループ利尿薬への抵抗性”であることがほとんどなので,ループ利尿薬中心の話になります.

 

1.経口利尿薬の腸管からの吸収不良心不全で

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フロセミドの持続投与に意味があるかを考える【vs ボーラス投与】

今日は小話です.

フロセミドの持続投与をみたことありますか?

あれって意味があるんでしょうか?

よく色んな本に書いてあるエビデンスをピックアップしつつ,個人的な意見を紹介します.

DOSE 研究(N Engl J Med. 2011 Mar 3;364(9):797-805.)
・急性心不全に対して
➀持続投与 vs ボーラス投与(12時間おき)
➁高用量(元々内服していた用量の2.5倍)

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【The利尿薬】ループ利尿薬【特徴から種類や使い分けも解説】

今回は,最強の利尿薬,ループ利尿薬の解説です.

1.ループ利尿薬の作用機序と特徴ヘンレのループ上行脚にあるNa-K-2Cl共輸送体を阻害します.

これの何がすごいって?

(他のナトリウム利尿薬同様の)単純なナトリウム再吸収抑制による利尿効果は当然あります.

重要なのは,それに加え,ヘンレのループの濃縮機構を阻害することです.

ヘンレのループの濃縮機構を阻害すると,腎髄質の浸透圧勾配が低減

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【利尿薬比較シリーズ➀】利尿作用の強さを比較【ループ利尿薬は本当に最強?】

利尿薬には「強さ」という概念があります.

一般的には,ループ利尿薬が利尿効果最強の利尿薬とされます.

この差ははなぜ生まれるのか.

今回はその点を解説していきます.

利尿薬といえば,ほぼナトリウム利尿薬たいていの利尿薬は,ナトリウムの再吸収を抑えることで,利尿効果を発揮します.

ループ利尿薬,サイアザイド利尿薬,K保持性利尿薬,炭酸脱水酵素阻害薬などがそうです.

「同じナトリウム再吸収

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