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ついに発売予約となりました!

第3版の序


 ここ数年コロナやAIの進歩など時代の大きな変化もあり、本書がどこまで読者や時代のニーズに答えられているかもわからず、第3版を書く機会はきっとないだろうと思って過ごしていました。ただ、臨床の日々に没頭する中で、今まで何度も考えている問題に対しても新たな発見や気づきが積み重なり、病気のとらえ方や診断の仕方などで自分自身の成長を感じる一方、卒後15年目に書き記せていない部分や、内容の粗い部分をもどかしく感じていました。そんな折、2023年の春に中外医学社さんから第3版のお話を頂いた時には、本書を期待してくださる読者がいることを嬉しく思うと同時に、やる気に火がついたのを覚えています。それから約1年間は、常に本書のことを考えて過ごしてきました。

 卒後20年が経過した今でも分からないことは多く、昔よりも増えているようにも感じます。病気や人体の、時に神秘的とも表現される深淵なる設計図を、科学という眼鏡をかけてみても分からないことも多く、今まで表層だけをみてわかった気になっていたことに気づかされます。それでも分からないことを恐れずに、学びのモチベーションに変換して、日々の新たな発見に多くの喜びを感じることに生きる意味を感じるようになりました。そしてそうした気づきを医学生や研修医、読者の皆様と共有できることは、本当に嬉しいことなのです。

最後になりましたが、第3版の出版機会を下さった中外医学社様、読者の皆様、頼りになる職場の同僚や家族、私を医師に導いてくれた父、天国から見守ってくれている母に心から感謝してお礼の言葉を贈ります。

「分からない」を恐れない

石井 義洋


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