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10/13開催【ドコモベンチャーズピッチ】未来をつくるベビーテック~乳児から幼児の健康や成長を支援するテクノロジー~

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2022年10月13日(木)に行ったイベント、

【ドコモベンチャーズピッチ】未来をつくるベビーテック~乳児から幼児の健康や成長を支援するテクノロジー~

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、ベビーテック領域で新しい事業に取り組まれている注目のスタートアップ4社をお招きし、ピッチをしていただきました。

  • 幼児教育に関連するスタートアップに興味がある方

  • 子どもの健康事業に興味のある方

  • 教育関連の投資先を探している投資家の方

  • 大企業とスタートアップの共創を模索している方

にぜひお読みいただきたい内容となっております!
以下、各スタートアップにピッチをしていただいた内容をご紹介します!

■1社目:株式会社ファーストアセント

1社目は、ファーストアセント 服部 伴之様にご登壇いただきました!

<株式会社ファーストアセント 代表取締役社長 服部 伴之様>

株式会社ファーストアセント 服部 伴之様

・ファーストアセント社の事業内容

ファーストアセント社は「テクノロジーで育児を変える」をMissionに掲げ、子育て支援自社サービス開発、育児ビックデータの研究、データプラットフォームの提供などを行っています。

育児における二つの問題
2010年に長女が産まれ、育児の大変さを経験した服部様によると、育児において特に大変なことは、

・赤ちゃんが泣くこと
・寝かしつけ

の2点だそうです。

親には、泣いている理由が分からない、泣き止まない、近所迷惑なのではないかといった不安がつきまといます。また、赤ちゃんの寝つきが悪かったり、夜泣きしたりなどで親が十分に睡眠を取れず、ストレスになることがあります。

・育児記録アプリ「パパっと育児」の開発

そこでファーストアセント社は、育児記録アプリ「パパっと育児」を開発しました。

パパッと育児では、睡眠や起床、授乳の様子などをアプリで記録・シェアすることで、育児を見える化することができます。さらに、赤ちゃんの泣き声を録音することで、AIが感情を分析する泣き声解析機能も搭載されています。

これまで約80万人以上の子育てを見える化しており、ユーザーのフィードバックをもとに計算した泣き声分析の的中率は約80%と、高い水準になっています。

・「ainenne(あいねんね)」の開発

さらにファーストアセント社は、赤ちゃんの寝かしつけを支援するプロダクト、「ainenne」も開発しています。ainenneは快適な睡眠リズムの形成を助けるIoT機器で、サブスクリプション形態で提供しています。

ainenneの機能

ainenneには、

・AIが学習によって推奨起床時間を提示
・朝日を模した光で起床を促進

などの機能があります。

赤ちゃんにも体内時計があるため、朝日に似た光によってその体内時計の一日のサイクルを整えます。さらに、睡眠リズムを分析し、睡眠リズムが一定になるような起床時間の提案もしてくれます。

他にも、

・泣き声解析
・ホワイトノイズ
・温度・湿度計
・アラーム音
・アプリ連携

などの機能があります。

・エビデンスを元にしたサービス開発

ファーストアセント社は、パパッと育児やainenneから得られたデータを元に、育児における研究開発も行っています。それらの研究結果をainenneなどのサービスに反映することで、プロダクト開発に役立てています。

さらに、データプラットフォームを形成して、企業に情報を提供し、業界全体の研究開発にも寄与しています。

・父親の育休に関する福利厚生サービス

育児・介護休業法が改正され、

・育児休業・産後パパ育休に関する研修
・育児休業・産後パパ育休に関する相談窓口の整備

などが義務化されるなど、父親の育休を推進する動きが起こっています。一方で、多くの企業では、父親の育休に対応する体制が整っていません。

そこで、ファーストアセント社は、BtoB向け「babycare+for Businnes」の提供も行っています。これにより、働く親は、

・育休導入セミナー
・専門家監修の育児情報サイト
・ainenne

などのサービスを受けることで、安心して子育てに向き合うことがができます。

■2社目:株式会社ノーススター

2社目は、ノーススター 田北 浩大様にご登壇いただきました!

<株式会社ノーススター 代表取締役社長 田北 浩大様>

株式会社ノーススター 田北 浩大様

・ノーススター社の事業内容

ノーススター社は、三井物産とエバ―センスのジョイントベンチャーとして創設されました。「医療をもっと身近に」というビジョンを掲げ、活動しています。

また、医療機関やパートナー企業と連携しながらサービスを展開しています。

・キッズドクターについて

ノーススター社は、子どものいる親の健康に関する不安を解消するアプリ「キッズドクター」を運営しています。ユーザーの8割20代〜30代の親世代で、男女別で見てみると女性が9割を占めます。また、子どもの年齢は、約88%が3歳以下となっており、小児医療に特化しています。

キッズドクターの利用イメージ

キッズドクターでメインとなっているサービスが、チャットベースでの健康相談です。電話相談における心理的なハードルや、回線が混雑して繋がらないといった課題を解消しています。

さらにチャットでやり取りすることで、画像を使って相談することも可能です。

相談内容によっては、必要に応じて、オンライン診断の予約手配や夜間診療の予約手配などをすることもあります。緊急性が高い場合には、救急病院についての情報提供やタクシーの手配などをすることもサービスに含まれています。

・対応時間・対応エリア

キッズドクターは、平日は夜間、土日は10時から22時まで対応しています。
また、チャット健康相談とオンライン診療は全国に対応しており、往診や病児保育も全国の広いエリアに対応しています。

サービスで対応できる範囲

最近では、オンライン診療の予約件数が徐々に増加しています。田北様によると、オンライン診療には、地理的な要因に左右されないことや、病院での二次感染の心配がないというメリットがあり、それらが予約件数の増加を後押ししているそうです。

・今後について

今後の目標は、小児の総合健康プラットフォームを実現することだそうです。現在の、健康相談や診断、治療の改善に加えて、治療後のケアにも力を入れていく予定です。

さらには、健康に関するコンテンツ配信や、親子の健康ケア講座、腸内細菌に関する先進医療の導入なども見据えています。

■3社目:株式会社sketchbook(スケッチブック)

3社目は、sketchbook 多田出 昇様にご登壇いただきました!

<株式会社sketchbook Founder 多田出 昇様>

株式会社sketchbook 多田出 昇様

・sketchbook社の事業内容

sketchbook社は認可保育園給食向けトータルサポートサービス「baby’s fun!」を展開しています。

事務作業を軽減するシステムと、調理作業を軽減するミールキットで給食運営を最適化するほか、sketchbook社所属の管理栄養士が保育園の「食育」をサポートしています。

・保育園は選ばれる時代に

数年前までは、待機児童の数が問題視されていました。しかし、政府の取り組みや少子化により、待機児童の数は大幅に減少しました。特に地方の保育園の中には、定員割れが発生している保育園もあるそうです。

ゆえに保育園は、カリキュラムや教育方針などで選ばれる時代に突入しています。しかし、保育園に勤める保育士や調理士、栄養士は日々の業務に追われ、「教育」に十分な時間をかけられていないことを多田出様は指摘します。

そこで、sketchbook社では、保育園の職員が食育に注力することをサポートし、子どもの将来に貢献したいと考え、保育園給食トータルサポートサービス「baby’s fun!」を提供しています。

・保育園給食の現状

厚労省から認可を受けるために、認可保育園では自園で調理することが義務付けられており、全ての給食を各保育園で調理しなければいけないという決まりがあります。

そのため、給食の調理や、献立作成や原材料の発注の事務作業などに追われ、保育園の差別化に繋がる「食育」に力を入れられていないのが現状です。

sketchbook社は、主に調理作業の効率化献立作成の効率化の二つの軸で事業を展開しています。

・「baby’s fun!」について

「baby’s fun!」のサービスの流れ

調理作業の効率化については、給食のミールキットを提供しています。ミールキットを保育園に提供することで、現場で必要な作業は調理のみになり、食材の発注や下ごしらえの作業が必要なくなります。

実際に調理時間を約67%カットでき、人手不足の解消に貢献しています。

また、献立作成の効率化については、

・園のスケジュール
・季節の食材
・園児のアレルギー
・コスト面

などを考慮し、献立を作成したり、栄養価を計算したりできるシステムを開発しています。

園児のアレルギーにも対応することで、全員が同じものを食べられたり、献立作成のミスを防ぐこともできます。アレルギー以外にも、宗教上の理由から食べられない食材がある園児にも対応できます。

献立に関するシステムは、2023年の1月にローンチする予定です。

・保育園向けの販売から一般の販売へ

「baby’s fun!」の展望

さらにsketchbook社は、食材キットやそのほかの自社製品を、保育園で購入できる仕組みの構築を目指しています。保育園で自社製品を冷凍販売することが可能になれば、送り迎えの際に購入してもらうことができるのではないかと考えています。

これには、自治体と協業していく必要があり、現在この計画を進めているそうです。

・食事を通じて目指したいこと

多田出様は、すべての子ども達が平等に「質」の高い食事ができる環境を提供したいと考えています。

また、子ども達の食事に関わる親や保育園の職員が、経験に左右されることなく食事を作るための情報発信や環境づくりをしていきたいとも考えているそうです。さらに親や保育園の職員の負担を減らすことにより、人的な要因の事件や事故を未然に防ぐことにも期待しています。

■4社目:株式会社ChiCaRo(チカロ)

4社目は、ChiCaRo 奥 温子様にご登壇いただきました!

<株式会社ChiCaRo 代表取締役社長 奥 温子様>

株式会社ChiCaRo 奥 温子様

・ChiCaRo社の事業内容

ChiCaRo社は、ワンオペ育児に悩む親子を救うため、「子育ての”みかた”を増やす」をコンセプトに、子育てお助けアバターロボットを開発しています。

家庭での孤独な子育てに苦しむ両親を、親戚や保育士などが、離れた場所から子育ての「味方」としてアバターロボット越しに家庭の子育てを応援することができます。

アバターロボットに搭載されているモニターを通して子どもと会話ができるほか、遠隔操作で移動することもできます。また鬼ごっこやかくれんぼなど、身体を使う遊びも楽しめます。

・子育てアバターロボット「ChiCaRo」

ChiCaRo社は、親子やその祖父母までを繋ぐリモート大家族を実現するために、子育てアバターロボット「ChiCaRo」を開発しています。

ChiCaRoが実現するリモートでのつながり

ChiCaRoは、人型で丸みを帯びた親しみやすい形をしており、顔の部分にはモニターが搭載されています。保護者はそのモニターに接続することで、離れていても子どもと一緒に遊ぶことができます。

また、タブレットからの操作で移動もできるため、子どもが移動してもそれに対応することができます。ラグマットや畳などの段差なら乗り越えることができます。

ChiCaRoのサービス利用イメージ

・育児アドバイザーAIの開発

そして、ChiCaRo社が現在開発しているのが、育児アドバイザーAIによる発達成長支援サービスです。

保育園などにChiCaRoを導入し、遠隔で保育サポーターが操作することで、子どもの成長をサポートすることができます。さらに、子どもが遊んでいる様子をChiCaRoに搭載されたAIが感知し、一人一人の行動や個性をデータに蓄積し、データベースを構築します。

子どもの行動を定性的にではなく、AIを用いて定量的に分析することで、データドリブンなサポートが可能となります。さらに、それらのデータをもとに保護者や保育士に対して、特定の子どもに適した遊び方を提案したり、子どもの成長度合を伝えたりしていきたいと考えているそうです。

まとめ

今回は、ベビーテックの代表的な4社のお話をお聞きしました。

核家族化や共働きの増加により、最近では父親の育児休暇取得率が上昇するなど、子育てにおける環境は大きく変化しています。テクノロジーの進化により、そうした状況変化においても、子どもが健やかに成長する環境が形成されてきていると思います!

ベビーテックのサービスが普及した世界は非常に楽しみですね!

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます。

引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!

>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベントはこちら


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