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視点の自由研究No.99「視点_文化って農業かもしれない」

このコラムでも書かせて頂いた弊社のパーパス「文化の継承」。今回はこの「文化」を考えてみようと思います。文化と共によく使われる言葉に「伝統」があります。今回は映像に絞り、かつ自分たちのパーパスという視点から書き進めてみようと思います。

「映像の文化」

映像の世界はまだ100年程度の歴史しかありません。まだまだ伝統と呼べるほどの技術やノウハウは少ないと言えます。むしろ日々更新されていくカメラ機材、編集ソフトなどのおかげ、さらには広告という外からの刺激、影響を良くも悪くもすぐに取り入れていく業界柄ということもあり、伝統とは程遠い世界かもしれません。

しかし映画などでは、人々を楽しませるエンタテイメント、感動を生むストーリーが今も生み出されていて、文化としての側面を持っています。同じ映像業界でもあり、人々の生活を描いていくことで時代を写す鏡だなと考えていることはこのコラムでも書かせて頂きました。

「CultureとCultivate」

そもそも文化の英語訳であるCulture。その語源はCultivateだそうです。意味は「耕す」。詳細はまたみなさん調べて頂ければと思いますが、このCultureの成り立ちは産業革命にまで遡り、当時イギリスで起きていた労働環境の変化に対してドイツで農耕という仕事を見直していこうという動きから派生してきたという説があるとのこと。

振り返って現代。つい10年前は理系人材が重用されていたかと思えば、ChatGPTを代表とするAIの発達により、逆に理系人材から今度は文系人材が重要になるのでは?なんて話が出るくらい社会における仕事の捉え方、考え方が激変しています。

おそらく産業革命期を生きた人々もそうした激変の時代を過ごしていたのでしょう。文化という言葉の語源に耕すという意味の単語を持ってくるあたり、今とそう感覚が変わらなかったのでは?と思っています。

「耕していく文化」

広告は良くも悪くも景気の産業で虚業です。何か製品を生み出しているわけではありません。そこがもどかしく時に虚しさを感じてしまう業界なのですが、時代を切り取り、今の人々の生活を映し出し、欲望の形を具現化して見せてくれる業界でもあります。

まさに人という生き物を如実に表している世界かもしれません。

そんな広告、しかも映像は文化として成立するのか?そんな問いもありますが、ここは自分も生きてきた世界、「広告文化」と胸を張って言えるように先人たちの仕事を引き継ぎ、次世代へ繋げていくのが今の我々の仕事だと思うのです。

思えば、先人たちは、しっかりと社会の中で土を耕すように広告世界を浸透させ、そこにタネを植え、花を咲かせてきてくれました。そうした恩恵の上で広告費はいまだに産業と呼べるだけの予算が組まれています。そうした土壌を絶やさぬために今の私たちもしっかりとこの畑を耕していく必要があると考えています。

「文化の継承」

弊社のパーパスとしても書かせて頂いた、文化の継承。それは昔ながらの古きより広告を守ることではありません。そもそも冒頭で書かせて頂いた通り、そこまでの伝統がある業界でもありません。

広告は人々の生活に彩りを加える業界だと思います。そうした生活における花のような存在になれたらなと考えています。

その花のために、先人たちが耕してきてくれた畑を引き継ぎ、そこに新たな技術というタネをまき、しっかりと自分たちの仕事で花を咲かせ、次世代にその畑を引き継いで行ってもらえるよう、今の私たちの仕事があると考えています。






映像でお困りの方、静岡で撮影されたい方、ぜひ一度お声掛けください。