視点の自由研究No.73「視点_量こそが質を支える」
昨年末、動画のワークショップをさせて頂く機会を得ました。
今まで培ったノウハウを改めて言語化するいい機会を得られたことはとても有意義でした。この場をお借りして、そうした機会を与えてくれたクライアントとエージェンシーに感謝いたします。ありがとうございました。
今回は、そのワークショップの中で改めて考えさせられた映像のプロとアマの違いを考えてみたいと思います。対価としてのお金ではない差とは?
「プロとアマの違い」
動画を撮影するにあたり、機材の発展はプロとアマの差を限りなく無くしていることに疑いを持つ人はいないと思います。今回ワークショップをさせて頂いた方たちがお持ちの機材もプロが使っていてもおかしくないレベルのものがありました。
広告映像は予算が千差万別です。東京で作られるような圧倒的な大規模予算で50名以上のスタッフが関わりながら作られる映像もあれば、数名のスタッフで編集だけで作られるものも共存するのが当たり前であり、そこがアイデア勝負になる面白さの一つでもある世界です。
前述のように機材のレベルがプロとアマでそれほど差が少なくなってくると、いわゆる機材面での格差は小さくなります。
自分も人に教えるにあたり、改めてプロとアマの差を考えた時に機材、技量などでどこに差があるのかを再認識させられました。
それが量です。
「量」
量。すなわちこれまで作った映像の数。アイデアを考えている回数。演出を練るために見ている映像尺。映像を作るための準備の量。撮影してきた日数。編集している時間。
それら全ての量がアマとプロを分けていると思うのです。
どの業種でも、仕事をしている人はプロです。大前提としてそれでご飯が食べられているからです。そしてプロである全ての人は、その仕事に従事している時間や量が他のプロと圧倒的に差があるのは当たり前です。だからこそ、技術は日々発展し、研鑽されているのですから。
「量こそが質を支える」
一人前の板前になるのに修行は必要か?という議論がされたことがあったかと思います。経営的側面に立てば必要ないということも言えるのはわかります。
しかし、ことクオリティを維持するためにはやはり量をこなすしかないと思うのです。さらにその業種の頂きの高さを決めるのもその業種にいる人の数だと思っています。
少しズレてはいますが、サッカーでW杯の優勝を謳うのが現実味を帯びてきたのも、これまでの長い時間と関わってきた人の数が支えた結果だと思います。
前回書かせて頂いた頂点の高さと通じますが、クオリティを高めるためにはそこにいる人の数と時間がなくてはならないもの。
自分のようなローカルでこじんまりとやっている人間もいるからこそ、その世界の分母を大きくできることはある。自分がいる映像の世界がより高いレベルになれればと今日も試行錯誤の日々は続きます。
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