ミュージカル「アルジャーノンに花束を」を観てきたんだな
ミュージカル「アルジャーノンに花束を」
を観て参りました。
今までに日本でもドラマ化されたり、海外で映画化されているけれど、こんなにも舞台化されているのは知らなかった。
それもミュージカルに。ロンドンでもミュージカル化されているようだが、この舞台は日本オリジナル版のようだ。それにも驚いた。
今回の日本版ミュージカルでの最大の魅力は、やはり主人公の
浦井健治
さんの演技だろう。
ワタクシは、彼のことを全く知らない。
素晴らしい出演リストなのだけれど、なぜかワタクシの好みを全て外している。
(ワタクシの好みなどどうでも良いのだけれど。)
そして、本作に関して言えば、9年前の舞台で日本の演劇界における大きな賞を2つも受賞している。
素晴らしかった!
6歳の知能しかない主人公・チャーリィの手術前と手術後、そしてどんどんと知能が高まる様子の演技分けは圧巻だった。
勿論、本作はミュージカルなので歌が上手いのは当たり前なのだが、
声の出し分け方は素晴らしかった。
ワタクシは、彼のチャーリィを観られたのは、本当に幸せだと思っている。
あと少し東京と大阪で公演があるらしい。
多くの人に観てほしい。
原作の小説「アルジャーノンに花束を」は、
さすがに、発売当初は知らないが、何年か毎に「アルジャーノン」ブームのようなものが来ていて、ワタクシも遥か昔に読んだ記憶がある。
まさに、ポイントはそこだろう。
主人公のチャーリィは子供の頃からずっと愛情を求めているのだ。
最大なものは母の愛であり、
大きくなったらアリスからの愛、
そして
友からの愛。
しかし、彼は
天才になっても得られていない。
彼は様々な人に助けられている。しかし、彼は高い知能を得るにつれ、その現実が見えなくなっている。
得られている愛情は、
彼が欲しているものではない…。
そんな時、
先輩であるネズミのアルジャーノンに異変が起こる。
そして、
その異変は彼にも起こる…。
絶望
怒り
負の感情ばかり出てくると思いきや、
彼は本来の自分を取り戻す。
優しさを。
原作は
そして、最後に追伸として
と書かれている。
彼にはわかっていた。
僅かに残っている天才の時の記憶すらいずれは消えてしまうことを。そして、自分自身も。
それを最後に、報告書として教授たちに残している。誤字脱字しか書けない状態ですら。
コレを読んだ時、ワタクシの涙腺は決壊した。今もだ。
手術前の状態の優しい彼は知能が6歳ぐらいしかない。
母親からは愛されず、同僚からは下に見られている。
それでも、彼の周りには笑顔があった。
彼にも笑顔があった。
彼は愛情を得られたと感じた時はあったのだろうか?
あったと切に願うのだ。
こんなにも他人を思いやれる彼なのだから…。
今回の舞台はそんな原作で得た感想を充分に体感させてくれるものだった。
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