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新規国内シード投資|ROMS

この度DNX Venturesは、株式会社ROMSのシリーズAラウンドにて投資を実行致しましたことをご報告致します。本ラウンドへは東京大学エッジキャピタルパートナーズとともに出資致しました。

ROMSって?

株式会社ROMSは、ロボティクスと自動化ソリューションを軸としたオムニチャネルの店舗の自動化、省人化と倉庫化プラットフォームの開発・製造、ソリューション並びに消費者に対して新たな購買体験を提供するスタートアップです。コロナ禍において、人と人との「非対面」「非接触」需要が高まるリテールマーケットにおいて、期待高まる技術・サービスです。

ROMSが開発したのは「Robotic Convenience Store」と呼ばれる自動型店舗。通常のコンビニ程度の大きさでロボットアームがピッキングを行い、オーダーされた複数商品をまとめて提供するというソリューションです。さらに同社は、モバイルオーダー可能なECソリューションも提供しており、BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)という、事前にモバイルでオーダーし、店舗で受け取るというオムニチャネル型のプラットフォームを実装しています。
また、同社の技術は店舗併設型の倉庫としての活用や、物流のラストワンマイルの課題を解決するマイクロディストリビューションセンターとしての活用も可能です。

少子化・人口減少による労働力不足や、ECの台頭による収益減など従来から抱えていた構造的な課題に加え、コロナ禍による消費者の購買様式の変化への対応など、新たな課題を抱えているコンビニエンスストアをはじめとしたリテール店舗において、自動型店舗やマイクロディストリビューションセンターの貢献は大きく、導入への期待が高まります。


ROMSのプロダクト優位性

なかでも同社のプロダクトの強みとなるのは、以下の5つです。

1.ロボットによるピッキングから在庫管理、ECまでをカバーする統合ソリューション
ROMSには、高い技術開発力に加え、国内のリテール各社出身のプロフェッショナルが集結。その知見に基づき、キオスク端末、ロボットを使ったピッキング、在庫管理などのハードウェアからミドルウェア、ソフトウェア、ECソリューション(アプリなど)まで、一気通貫した統合ソリューションを提供しています。そのため、ROMSをプラットフォームとして利用することが可能です。

2.オムニチャネル対応が即座に可能
こうした一気通貫のプラットフォームがあることで、顧客情報の管理(CRM)やマーケティング、在庫管理などのシステムを個別に統合する必要がありません。そのため、オムニチャネル対応も即座に可能になります。BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)という、事前にモバイルでオーダーし店舗で受け取るといったことが、ひとつのソリューションで可能になります。

3.オムニチャネル・マーケティングが可能
また、ROMSの提供するプラットフォームでは、店舗とモバイルオーダー、ECの顧客行動を見える化し、それらを統合しているため、販売のオムニチャネル化に加えて、顧客を把握し追跡してマーケティングを行うマーケティングのオムニチャネル化にも対応できます。

4.ニーズに応じた一部自動化、有人店舗との併設も可能
店舗の自動化を実現するROMSですが、リテール店舗のニーズに応じて既存店に併設し、一部自動化するレトロフィットやハイブリッドでの対応も可能であり、突然、既存店舗を全自動化することにハードルがあるリテールシーンでも、部分的に導入を始めることができます。

5.マイクロディストリビューションセンターとしての活用可能性
同プラットフォームを活用すれば、ラストワンマイルのマイクロディストリビューションセンター(小規模物流センター)としての活用もでき、有人店舗の併設型倉庫として、近隣店舗への店舗間配送拠点やオンライン注文のデリバリー拠点としての活用も可能です。
EC利用率の増加に伴い、課題が拡大しているラストワンマイルの解決策としても期待が集まります。


リテール業界出身メンバーと、ロボティクスの専門家、ハードウェア、ソフトウェアのエキスパートからなる集団がつくりだす業界変革

同社はリテール・EC業界出身メンバー、ロボティクスやAI技術の専門家、ハードウェア、ソフトウェアのエキスパートからなるスタートアップで、これまで培ってきた自動化やインテグレーション、ロボティクスの知見と、ビジネスや事業開発、小売の知見とを融合し、業界の変革を目指し歩んでいます。


代表:前野さんのコメント

ROMSとして、BtoBソリューションのBtoCへの展開、ハードとソフトの融合、オンラインとオフラインの融合、新たなCXの創出をテーマに掲げている中で、領域横断的なソリューション展開の知見やサポートを得られると考え、DNXに投資参画してもらいました。
中長期の視点でビジネスを考えてくれるDNXのサポートを得ながら、リテール業界のオペレーションを最適化、進化させていき、新たなCXを創出していきます。
ーーー株式会社ROMS 代表取締役 前野洋介さん


DNXの日本国内での投資では、久しぶりのフロンティアテック・リテールテック領域の投資となりました。高い技術力と、深いリテール業界の知見や理解、インサイトに基づいた、実用ニーズがよく考えられた一気通貫のプラットフォームです。リテール業界のDXは、このコロナ禍の人と人との「非接触」需要の高まりに伴い加速しています。無人店舗自動化やマイクロにより人との接触を減らすことができるほか、オンラインとのシームレスな連携なども、2021年の新しい生活様式を提示するソリューションだと期待しています。


(文・上野 なつみ / 監修・稲田 雅彦)


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