新規国内シード投資|ヤモリ
本日株式会社ヤモリより配信されましたプレスリリースの通り、この度DNX Venturesは、同社の資金調達ラウンドにてリード投資家として投資を実行致しましたことをご報告致します。本ラウンドへは弊社のシード投資枠よりエンジェル投資家とともに出資致しました。
ヤモリって?
株式会社ヤモリは「不動産の民主化」をミッションに、クラウド・AIを活用して不動産賃貸事業の学習から購入、管理、売却まで、不動産オーナーの経営を支援するサービスを提供しています。
同社のコアプロダクトは、「大家のヤモリ」。不動産オーナーは、保有物件の収支管理をクラウドで一元管理することができます。また、管理会社向けの「管理会社のヤモリ」とのシステム連携によって、不動産オーナーと管理会社間のコミュニケーション・月次報告の円滑化も可能となります。
一方、不動産オーナーを目指す不動産投資の初心者向け無料学習メディアの「ヤモリの学校」と、さらに踏み込んで物件探しから融資、購入、管理、売却まで寄り添ってサポートする「ヤモリの家庭教師」も提供しています。
ヤモリが解決しようとしている社会課題
ヤモリが根本的に解決を目指す課題は、収益不動産投資のハードルを下げて、放置されている物件を再生し賃貸市場を活性化させること。
日本では年々空き家が増え続け、約850万戸を突破。方や、高齢や低所得などを理由に賃貸住宅に入居できない住宅確保要配慮者は年々増加、大きな社会矛盾となっています。
中古物件が選択肢に上がりにくい数多ある理由の中で、同社が取り組んでいるのは主に2つ。
①現状煩雑で時間、知識コストが非常に高い中古物件の購入・運営体験(物件の発掘、調査、購入手続き、管理)をテクノロジーの力で簡単にすること。
②ヤモリが物件購入に際して銀行融資審査に必要となるデータを取りまとめることで、新築物件と比べると格段に付きにくいと言われる中古物件の銀行融資の申込みを支援、オーナーがより物件を買い易くすること。
その結果、中古物件の流通量が増加し賃貸市場が活性化することで、現在日本の不動産業界が抱える深刻な問題である空き家問題等を根本的に解決することを目指しています。
なぜヤモリに出資したのか?
1.不動産オーナーの課題解決にフォーカスしているという点
不動産テック領域ではすでに、不動産の売買、仲介、そして物件管理領域にて沢山の有望なスタートアップが出てきています。ヤモリの担う不動産購入・管理領域では、仲介業者や管理会社起点のサービスが多く、同社のように不動産オーナーの課題解決を優先的に取り組んでいる企業は革新的でユニークであると感じています。創業者自身が不動産オーナーの視点を持っているからこそ、不動産売買業務のプロセスの効率化という限定的なVisionではなく、不動産経営をより多くの人々に拓き、社会課題の解決をも視野に入れた非常に大きなVisionを持てているのだと思いますし、我々としてもそこに大きな可能性を感じています。成長ステージの初期段階から、サービサーや仲介業者ではなく、不動産オーナーを解決すべき課題の中心においているからこそ、自らの不動産経営の知見を初心者向けに「学校」として提供し、既存不動産オーナーだけでなくこれから不動産経営に挑戦しようという潜在層のファンベースを構築、エンドユーザーと直接繋がりコアかつ早いフィードバックループを実現しており、今後の成長可能性を感じています。
2.SaaSを超えた周辺領域への派生可能性
現在同社が提供するコアプロダクトは、不動産オーナーおよび管理会社向けの物件収支管理SaaSです。本収支管理プラットフォーム上にて不動産経営にまつわるあらゆるヒストリカルデータが蓄積されていくことで、将来的には銀行への不動産オーナーの送客など更なるビジネスモデルの展開可能性があると非常に期待しています。
3.Founder market fit
代表取締役の藤澤さんは、三菱商事のインフラ事業部を経験後、ニューヨーク発の不動産テック企業Knotelの日本代表を務め、ヤモリを起業するに至りました。実は、弊社が日鉄興和不動産と共同で運営するB2Bスタートアップ向けシェアオフィスSPROUNDの立ち上げに際して、Knotel日本代表として企画段階から設計まで手伝ってもらっており、我々も直に彼の国内外の不動産業界に対する深い知見、ネットワーク、そして非常にプロフェッショナルな仕事への取り組み姿勢を目の当たりにしてきました。
一方、共同創業者の廣瀬さんは、三菱商事在籍時代から不動産オーナーとして数々の収益不動産投資・経営を行ってきた実績を有しており、不動産オーナーの課題を肌で感じ、不動産経営に自ら向き合ってきた人物。
不動産事業に従事し、業界課題を深く理解した両名が、不動産オーナーの課題解決、強いては日本の大きな社会課題である空き家と住宅確保要配慮者増加を解決し、中古不動産市場を活性化してくれることを期待しています。
代表 藤澤さんのコメント
ヤモリの掲げるミッションに対して、常に視座を高めて頂けること、DNXのグローバルな投資経験と知見に基づいた的確なインサイトを頂けること、そしてSaaS事業の造詣が深くグロースをサポート頂けることを理由に今回リード投資家としてDNXにご出資頂きました。
何よりも起業前から倉林さん、DNXメンバーの皆様とコミュニケーションを取る中で、心から信頼できる関係を築くことができました。尊敬するDNXメンバーと一緒に、不動産業界の課題解決を通じて社会に大きな価値を届けて参りたいと思います。
ーーー株式会社ヤモリ 代表取締役 藤澤正太郎さん
メディア掲載
本日早速、日本経済新聞電子版にて、本資金調達のニュースを取り上げていただきました。ぜひ合わせてご覧ください。