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新規投資|メディカルフォース

この度DNX Venturesは、2022年3月18日にプレスリリースが配信されました通り、株式会社メディカルフォース(以下、medicalforce)のシードラウンドの投資家として参画、出資させて頂きました。同社が運営する美容医療業界向けの電子カルテ・CRMプラットフォーム「medicalforce」の拡大・強化に尽力して参ります。今回、弊社が同社へ参画した理由ともなる、medicalforceの魅力と投資理由を紹介していきたいと思います。


「medicalforce」とは?

「medicalforce」は、一言で表現すると、美容医療クリニックのITインフラを一手に引き受けるVertical SaaSです。クリニック業務の根幹となる電子カルテはもちろん、患者さまのCRMによる管理から備品の管理・予約、在庫管理、決済と幅広く対応することができる、All-in-Oneのソリューションです。

クリニックの運営においては電子カルテの導入は必須ですが、現行のサービスは保険診療に最適化されたものが主流であり、美容医療等を行う自由診療のクリニックにおいては、機能に過不足がありました。一例として、保険点数を請求するレセコンは自由診療において必要がない一方、自由診療においては施術価格を自由に設定することが可能なため、割引やクーポン、回数券といった請求に関わる柔軟性が求められていました。

従来では予約管理、CRM、会計決済、在庫管理と、さまざまなサービスや、時にはエクセルや紙などを使って処理した業務を、medicalforceを導入することによりワンストップで解決するという、クリニックさんにとっては夢の様なサービスです。

メディカルフォースが実現しようとしている世界

メディカルフォース社は以下を実現することにより、業界の課題解決に貢献したいと考えています。

1. バックオフィス業務の最適化

自由診療領域に対して最適化されたSaaSが存在していなかったため、複数サービスの並行利用や、紙資料の保管など、煩雑なフローが存在しておりました。また、業界に特有の課題として、施術のメニューの豊富さなどから、予約管理を行うにあたり医師、看護師、設備や部屋の予約を同時に考える必要があり、多くの労力と人為的なミスが発生しうる状況にありました。

患者様の予約を受けられるかどうか、そこからスタッフのシフトの調整をどうするか、薬剤などの消耗品の在庫管理など、少数精鋭で回っているクリニックでは、院内オペレーションの負荷が高く、患者様に向き合うこと以外の業務に多くの時間を取られてしまいます。

メディカルフォース社は顧客の業務フローに対する深い理解と傾聴力を武器に、医師、看護師、事務スタッフの全員が使いやすいサービスを開発しており、クリニックがより患者様に集中できる体制をサポートしています。

2. 電子カルテを起点としたCRMプラットフォーム

「medicalforce」の最大の強みは、電子カルテ上のコンサルティング内容や施術履歴に基づき、患者様に対して最適な提案を行うことができる、CRMとしての機能を併せ持つことです。どの業界でも接点のあるお客様と深く、継続的に対話していくことは大切ですが、クリニックにとっても、患者様に喜ばれるメニューを提案できることは事業上の大きな利点となります。

メディカルフォースではLINE等を活用した患者様との接点を手軽に運用できるため、継続通院が必要な患者様への的確なフォローや、新たな施術のリコメンドをセグメントごとに配信できます。新規の患者様の獲得が課題となっている美容医療業界にとって、売上向上施策に繋がる業務を簡単に実行できるシステムは大変魅力的です。

なぜ、DNXはメディカルフォースに出資したのか

1. DNXのVertical SaaSにおける投資仮説

業界特化のSaaSにおいては、第一に対面業界に対する深い知見と共感を持っている経営陣と、業界特有の課題を丁寧に解決していく開発力が必要不可欠です。そういった企業が、SaaSのプラットフォーム提供に始まり、徐々にサービス可能な領域を広げていく可能性に惹かれ、DNXはこれまでもAndpad (建設) やKakehashi (調剤薬局) 、Restar (商用不動産)といった業界を代表するVertical SaaS企業への投資を行ってきました。

メディカルフォース社にも同様に、美容医療業界におけるMust Haveに成長する可能性を強く感じており、SaaSプラットフォームを起点とする様々な事業展開への期待感が非常に高い投資先と考えております。

2. 経営チームの徹底的な顧客思考

メディカルフォース社は、初めてお会いした時から、若いながら野心を持った魅力的なチームだと感じました。そして、同社のお客様とお話ししていく中で、CEOの大嶋さん、COOの組田さん、CTOの畠中さんのお三方が、いかにお客様に向き合ったプロダクト開発を行なっているかを目の当たりにし、その姿勢に大変感銘を受けました。

初期からお付き合いされているお客様からの熱烈な声に加え、業界の出身者でないながらに感じる、美容医療業界に対しての強い使命感やビジネスへの探究心、短期間で難易度の高いプロダクトを作り上げるトップクラスの開発力にチーム一同魅了され、そして何よりも、実直にお客様に向き合い、業界のポジティブな変革に邁進する姿にDNX Valuesらしさを感じ、経営陣の皆さまにもDNXの支援方針にご共感いただけたことも今回の投資を後押ししました。

CEO大嶋さんのコメント

美容医療という領域をSaaSという形でアップデートするにあたり、これまで多数の著名Vertical SaaSスタートアップへ投資実績のあるDNX Venturesがこのフェーズで入っていただけること、非常に心強く思います。 今後「medicalforce」が美容医療のインフラとなりクリニック様の経営のご支援ができるようメンバー一同全力で努めてまいります。

ーー株式会社メディカルフォース 代表取締役 大嶋 翼

(文・田中 佑馬)

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