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追加投資|Magic Moment:セールスエンゲージメントを実現

株式会社Magic MomentのシリーズAラウンドにて、弊社DNX Venturesも追加出資いたしました。同ラウンドへは既存投資家であるDCMベンチャーズとともに共同出資、シリーズAの総額は約6.6億円となります。Magic Momentは、エンタープライズ企業向けに、Sales Engagementという新たなカテゴリの営業支援SaaS「Magic Moment Playbook」を提供するスタートアップです。ここでは、Magic Momentが解決しようとする課題、Magic Momentが提供するプロダクトとDNXが投資に至った理由をご紹介させて頂ければと思います。

SFA/CRMのデータ活用の課題

日本でも大企業を中心にSFA、CRMシステムの導入が急速に進んで来ました。ただ、Oracle社が実施した「SFA /CRM に関する活用実態調査 2018年版」によると、導入企業の8割以上が自社内に定着していると回答している一方で、成果にはほとんど寄与していないことがわかります。

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* Oracle社 SFA /CRM に関する活用実態調査2018年版

この中で、SFA/CRMシステムがワークしない原因は、以下の3つが上げられます。

・組織が分断
・データが分断
・抜け漏れしているデータ

このような状態では、インサイトをデータから見つけ出すことは困難であり、SFA/CRMシステムへのデータ入力に意義を見出すことができなくなるという悪循環に陥ってしまいます。

データ活用を促進する新たなテクノロジーの台頭

上記のSFA/CRMシステムの課題を改善する、営業組織を支援するテクノロジー、セールステック関連サービスが米国で多数出現しており、米国では、Sales Engagement Technology (SET) や Sales Management Technology (SMT) と呼ばれる、データの収集・分析・可視化やそれに基づいた売上予測、アクションの提案を行うセールステックの新たな市場が誕生しています。

これまで、管理のために人間が長い時間をかけて入力・加工してきたものが、テクノロジーによってより正確かつ高いレベルで実現されるようになりつつあります。日本では、Magic Moment が先行してSales Engagement Technology市場に参入してプロダクトの提供を始めており、躍進が期待されます。

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* Accel by Magic Moment提供(Source)


Magic Momentとは?

株式会社Magic Momentは、Google日本法人で営業統括部長、freeeで営業組織を築いた村尾祐弥氏によって設立され、「すべての企業が、顧客との関係性を根拠にした、正しい経営判断ができる世界をつくる。」というビジョンを掲げ、エンタープライズ企業向けに営業支援SaaS「Magic Moment Playbook」を提供しています。

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「Magic Moment Playbook」は、顧客エンゲージメント*の向上が顧客価値最大化につながる、という考えのもと、営業プロセスや顧客エンゲージメントを可視化し、最適なアクションを提案する営業支援SaaSです。導入企業は、旧来の営業である獲得型から、顧客エンゲージメントを起点とした組織・オペレーション設計を実現でき、属人的になりがちなスキルを平準化し、成約率アップにつなげることができます。現状顧客として、LINE、旭化成、USENグループといった企業が導入し、リードから顧客獲得までの転換率が10.2倍になったという効果があります。

*顧客エンゲージメント=企業が顧客と築く関係性(愛着、親近感など)を表す。顧客エンゲージメントを高めることで、顧客のサービスやプロダクトに対する愛着が深まり、継続的に利用してもらえる(WMR Tokyo)

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「Magic Moment Playbook」の画面

コロナ禍により生活様式や価値観が一変し、営業活動においても従来対面が主流だったものがオンライン・リモートに移行しているなか、営業のあり方の見直しが迫られています。ただ、顧客のことを考え、最適な価値を提供するという営業の原理原則は変わりがないことから、エンタープライズ企業の営業変革への貢献は大きく、導入への期待が高まります。


Magic Momentのプロダクト優位性

なかでも同社のプロダクトの強みとなるのは、以下の3つです。

1. リアルタイムで顧客を知る
Magic Moment Playbookは、各種CRM・MAツールなどの既存ツールとのスムーズな連携により、見込み顧客情報の管理が簡単になります。具体的には、連携された顧客のデータの動きやステータスの変化がリアルタイムで更新され、これらのデータに基づいたアプローチ候補の見込み顧客のリストアップやその顧客に対してとるべきアクションのサジェストがリアルタイムになされます。

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2.顧客とエンゲージメントを高める
Magic Moment Playbookは、営業担当者がどの顧客にどのようなアクションをすべきかが自動でサジェストされるので、営業担当者は顧客への価値提案に集中することができます。

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Magic Moment Playbookを使うだけで、Magic Moment の最先端の営業フレームワークや各社のトップセールスの知見を詰め込んだ、理想的な営業プロセスを実装でき、その結果、より深く確かな顧客エンゲージメント構築が可能になります。

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3.エンゲージメントと成果の可視化・分析
個人の営業活動内容と成果をリアルタイムで可視化し、営業活動の重要ポイントを分析でき、個人の営業スキルアップへ貢献します。また個人の成果に加えて、部門・組織の総合的な営業力までもが設定不要で手にとるように分かるようになります。

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また組織の営業活動は、連携するCRM・MAツールの情報と共に、すべてMagic Moment Playbookにデータとして蓄積。営業活動の効果測定は、より効率的にエンゲージメントを深めるための組織全体の営業戦略の最適化につながり、成果を正しく分析することで、適切な人材配置も可能になります。

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顧客エンゲージメント、セールステックの専門家集団がつくりだす営業変革

同社は営業プロセスや顧客エンゲージメントなど、セールステックにおけるのエキスパートからなるスタートアップで、これまで培ってきた営業ナレッジや顧客エンゲージメントを軸にした成功モデルをプロダクトに落とし込み、日本の営業変革を目指し歩んでいます。

DNXが投資した理由

今回、DNXが追加投資をさせて頂くに至った背景についてご紹介させてください。

1. 深い業界知見とビジョン、カルチャーを大切にする卓越した経営陣
Google日本法人で営業統括部長などを務めた村尾祐弥氏をはじめ、顧客エンゲージメント、セールステックの専門家集団であり、「すべての企業が、顧客との関係性を根拠にした、正しい経営判断ができる世界をつくる。」というビジョンを真摯に追求し、カルチャーを大事にしていく経営陣であることです。

2. 営業DXの機運の高まりとSales Engagement市場の拡大
SFA、CRMといったセールステックがグローバルでは大きく変革されつつある中、日本企業もコロナ禍の中で更なる営業DXの機運が高まったことにより、Sales Engagement市場がさらに拡大していくと考えています。その中でもMagic Momentの提供するプロダクトは、Sales Engagement市場を牽引していくプロダクトと考えています。

3. 日本の大手顧客への導入と事業成果の創出
LINE、旭化成、USENグループといった1,000名を超える日本の大手企業が導入し、リードから顧客獲得までの転換率が10.2倍になったという大きな事業成果を既に創出しています。(LINE事例ページ)

4. 海外の大手プレイヤーとの差別化
海外でのSales Engagement市場を牽引するプレイヤーと異なり、日本のエンタープライズ企業の営業改革に真摯に取り組み、日本のSales Engagement市場を牽引する独自の営業支援SaaSを構築しています。


代表 村尾さんコメント

まだプロダクトもなかった私達にとって、みなさまから頂いた数々のサポートは言葉にできないくらいの有り難みがありました。前回ラウンドから本シリーズAに至るまで、かなりのご人数、リソースをMagic Moment のために費やしてくださったおかげで、お客様にしっかりと向き合い、価値の提案にフォーカスすることができました。

引き続き、価値提案を狂ったように高め続けることができるよう、DNX Ventures の皆さまのご知見やマーケットフォーカスの姿勢から学び続けてまいります。

ーー株式会社 Magic Moment 代表取締役CEO 村尾祐弥


メディア掲載

日経新聞やDIAMOND SIGNAL、THE BRIDGEやアスキーでもMagic Momentの資金調達ニュースについてご紹介の記事を掲載いただきました。ぜひ合わせてご覧ください。


▶︎弊社その他の投資先はこちらからご覧いただけます!
https://www.dnx.vc/jp/portfolio

▶︎Magic MomentのWebsiteはこちら

 

(文・稲田 雅彦)




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