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単品EC事業導入と再構築の10ステップ「7」~「10」

7.フルフィルメントの設計

6まで考えられた(前回や前々回をご参照)として、それが実際運用できるか?1時間あたりの処理量は適正か?何の便で送るのか?そのコストを吸収できるのか?何よりコンピュータシステムはそれに対応しているのか?いくら良い企画や商品が出来てもラストワンマイルがだめなら、顧客は良い印象を持たず、それが実現できるコンピュータシステムやフルフィルメント体制になっているのか?
※フルフィルメントについては自社ブログもご参考に。

https://www.dmgc.jp/blog72/

そして、何より重要なのは、広告やサイト以外に顧客との接点はすべてフルフィルメントにある。だから接客意識を高めてパッケージや配送便やメール内容や不在の際のメールや電話連絡まで。もしご自分が受けたとして、もしくは大切な人への贈り物の気持ちが入っているのか、という視点で考え抜く。何か問題や課題があった際にPDCAを回して改善できる体制になっているのかも重要である。
 

8.売上利益計画の作成

フルフィルメントまで設計や見直しが出来たら、人件費や商品開発費や施設利用料、通信費などの間接費を入れて、売上利益計画を作る、何年で単年度黒字が出るか?最近では3年目で単年度、5年以降に累損解消など、競争激化しているマーケットなので、会社の上層部の理解も得ながら、見直したい。

※このシミュレーションなどが簡単に出来るエクセルは有料ですが販売中です。数量を試算出来るので生産数や出荷数やツールの必要数まで検討できます。

9.実行計画(3カ年など)の作成

 売上利益計画を作ると共に、第2次投資計画の必要性にも気付いて欲しい。現在計画中のコンタクトセンター(もちろんWEB運用も含めて)の規模感や物流センターの処理能力、当たり前のように生産能力や人材確保など。サービスは後ほどから更に良くなっていくほうが顧客は良い印象を持つので、3年目から新しい顧客へのおもてなし制度や次の商品群まで企画しておきたいものだ。
 またターゲットの広げ方も検討しておきたい。最初はニッチな商品でターゲットを絞る方が顧客(予備軍も)に伝わりやすいし、少量であろうが売れていく。その新規獲得の候補となる商品は広告内容などでターゲットが広げられるのか?例えば、シニア→40~50歳台へ。女性→男性へ。シーンはアウトドア→食卓へ。また同じダイエットでも働く女性と産休中の女性には響く広告内容は自ずと変わってくる。必要あれば姉妹商品であるが、例えば商品名の一部やパッケージを変更することにより拡大化も可能で、更にチャネルを増やす(自社サイト+3モール+店頭への卸など)と夢を描くのは楽しい。大胆な計画と冷静な作戦(PDCA)の両方で進めていきたいものだ。

10.テストマーケティングの実施

 素晴らしい事業計画が出来たとしても、それを小さく実践してみることがとても重要である。EC通販は何時でもテストマーケティングの繰り返しが重要であるが、特に事業スタート初期段階は各種のKPIが正しいのか?ターゲットは予想通りなのか?業務はスムーズに回るのか?などを事前に小規模で実際に販売して検証しておきたい。

 商品が出来る前でもテストは可能で、例えば資料請求やSNSでターゲットが興味あるコミュニティーを作って、そのエンゲージメント数などの確認など。出来れば、「1円」以上のテストをしておきたい。そういう意味ではクラウドファンディングは絶好のテストの場とも言えるし、コミュニティーの方々がどのような投稿に反応してくれるのか?コメントは付くのか?シェアーはあるのか?なども本番に備えた良いテストとなりえる。

次回はこの「単品EC」の最終章に入っていく。鉄則と言われてきた7つの重要思考(と実践)について。引き続き、よろしくお願いいたします。


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