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1日目 東京から埼玉へ

旅立ち。

天気は曇りのち晴れ。午前4:00バイクで旦那の実家へと向かう。連日30度を超える暑さとは思えないほどの冷んやりとした風に思わずタンクトップを脱ぎTシャツを着た。それでも少し肌寒かったが、これから挑戦することを考え始めたらどうでもよくなった。

今回の旅は日本ということで準備をまじめにやらなかった。なにか絶対忘れてるモノがあるだろうが日本なのでなんとでもなる。すべての荷物を自転車に付けてみるとだいぶ想定外なことが起こった。わたしではなく旦那のほうに。旦那の荷物は知らない間に多くなっていた。長期海外旅行から帰ってきて各々の実家へ1ヶ月居候していたため、互いの荷物を互いに監視することができなかったのだ。カバンを変えて元のカバンの荷物をどうにかこうにか分散させることに成功。旦那の兄と母に見守られなかば焦りながら家を後にした。

すべての荷物を取り付けたわたしの安物のロードバイクは足をつくたびにウィリーしそうになる。ロードバイクは軽量さがゆえにスイスイと進むのが特徴だが、その良いところをわたしが奪ってしまったのだ。アイデンティティを失ったロードバイクが機嫌を損ねて壊れてしまわないか心配だ。

自転車は2016年から車道を走ることを義務付けられている。しかし、まだまだ守られていないのが現状だ。車道を走ってみて日本という誠実な国の民たちがなぜこの義務を守らないのかということを実感した。守らないのではなく守れないのだ。自転車で車道を走るのはとにかく危なすぎる。車道には自転車分の道幅は用意されていない。道幅を広げることなく車道の一番左には自転車のマークや青い自転車用の矢印がプリントされていた。大型トラックなどと一緒に走行するのはとにかく危険だ。想像以上の風圧、熱気、轟音で自転車はフラフラしてしまう。子供に「車道を走るのがルールなのだから車道を走りなさい」とは言いたくない。

都内を抜けて埼玉に入ってもこの状況は変わらなかった。むしろ、埼玉のほうが道が狭い。大型トラックも多い。荷物によるバランスの崩れと車道を走る義務であまりにも気を張りながら走ったせいか2時間後には膝が悲鳴を上げ始めた。この日のために居候していた1ヶ月のあいだできるだけ整形外科へ通ってメンテナンスしてきたつもりだったが付け焼き刃すぎたかもしれない。やらないよりはマシだっただろうが。さらに走り続けたら今度は首と腰が痛くなってきた。いくら姿勢を変えられるグリップのロードバイクとはいえ体にかかる負担を変えることはできなかったようだ。

息を止めて精神を集中。どこかへ意識を飛ばしていないと軋む身体を保っていられない。元気な旦那は黙々と走って行ってしまう。息を止めているから大声で「ストーップ」とも言えない。そんな元気もない。徐々に距離を保てなくなってきた。まずい、限界だ。ふとフレームをみると小さな警笛が付いていた。そういえば旦那が付けといてくれたんだっけ。フラフラとバランスの悪い中右手でベルを連打させた。近くの公園へと行き先を変更。無事、膝がぶっ壊れる前に休憩に入れたのだった。今日はちょっと大きめのこの公園で野宿することにした。

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