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読書で自己肯定感が上がりスプライトが好きな自分に気が付けるかも[読書レビュー]

これを読んだ。


著者のアバタローさんの語り口が非常に優しく、あとがきの号泣必至エピソードも含めて、弱くて繊細で真面目な方なんだなと親近感を持った。動画のダンディーな印象が強かったため意外だった。自己肯定感を上げますと銘打っている通り、随所にちりばめられている温かい言葉に、私の中のこうしくんが「アバタロさぁん……」と繰り返していた。優しい言葉にうれピップル…。

冒頭にこれ。

何より大切なのは「あなたのペース」です。私はあなたの横につき、時に励ましながら、時に休憩をすすめながら、最後までサポートしていきます。どうかご安心ください。

好きになっちゃいそうだろ。

他にも、読書の内容が理解できないのは自分の頭が悪いからだと思ってしまう人へ向けて、「それは過去のトラウマが作り出した幻であり真実ではない。読書は精神論ではなく方法論だ。」とアバタロさんは言い、こう続ける。

万が一、本を読んでいる最中、自信を失いそうになったのであれば、またこのページに戻ってきてください。何十回でも、何百回でも、幻であると声を大にしてお伝えして差し上げます。

嗚呼…アバタロさぁん…ちゅきリーナ…という感じだろう。私に百万回の愛してるも頼みますって感じだ。まあ冗談はここまでにして、とにかくとても読みやすく、優しい語り口が印象的だった。


アバタロさんは読書を食事のようだと例え、アウトプットはトレーニングと表す。本から得た知識を血肉化させるにはアウトプットが必要ということだ。方法を”準備→読解→要約→発信”の4ステップに分けて説明しており、各段階での注意点や心持ちが詳しく解説されてた。取り掛かるハードルを低くしてくれている。が、初心者のみならず愛読家も満足できるだろう。

具体的な実践方法も参考になったが、なによりも、アウトプットを目的として読書をすることが自己肯定感に繋がるというアプローチこそが本書のよさだと思う。

 そして「思考」することの目的は、自分なりの答えを探すことであり、答えのないことに対して「悩む」こととは本質的に異なるものです。ですから、読書の時間が増えるほど、思考する時間が増え、結果として悩む暇すらなくなってくるのです。

これとか。
とにかく自分だけを見つめる。自分と向きあう。自分が考えている答えを探すことは悩むこととは違う。アバタロさんは序盤で繰り返し、そう伝える。

自己肯定感の低い人間は、自分のことは自分が一番分かっていると思いがちだ。かたくなで、例え「あなたは優しい人間だよ」なんて周りから言われたとしても、ちがいま~す!とバネのように跳ね返す。あ。いま自己紹介をしています。

それに加え、半分だけ自分を理解して「自分はこんな人間だ。だから自分が嫌いなのだ。」と自己を決定付ける。まだ半分もワタシが隠れているのに。自分でもわからない自分、見ようとしてこなかった”自分”という人間を知るにはどうすればいいのか。その方法が読書なのだ。

つまり、自分以外の価値観にたくさん触れ、自分が幸せに思う瞬間はどんなときか?自分にとって仕事とはなにか?「自分はどうだろう?」を問い続けることにより、内側にある価値観を顕在化できるということだ。

とくに、前述した意固地な自己肯定感低い民は、この「自問自答」を繰り返して自分を掘り起こす作業が非常に有効であると思う。自分のことも嫌いだし、他人にも素直になれないじゃん。オレらって。一緒にするなって?ごめん。
まあ、要は「自分が「納得」する」ことが必要なのだ。他の価値観→自分だったらこう思う。他の価値観→これは自分も同意見。その繰り返しによって自分を理解し、著者の価値観も見えてくる。良いアウトプットへも繋がるわけだ。

自分が大切と思うことを、自分で決められる。自分の言葉で他者に伝える。この繰り返しで成長し、幸福度も高まり、自己肯定感もアップ。良いことしか起こらなくて怖い読書術だ。え…マルチ?



ちょっと話がズレてしまうかもしれないけれど、意識しないと自分のことってわからないものだよなあと思って。読書は、他の価値観に触れて、落とし込み、咀嚼することで自分が分かる。
読書だけでなく、他人の一言で初めて気づく自分も多い。「〇〇の口癖って〇〇だよね。」と友達の一言で「え?私そんな癖あった?」と自分の口癖を知ったり。反対に、私は知り合いに「〇〇ってファンタはグレープしか買わないよね。オレンジはあんまり好きじゃないの?」と言ったら「え!言われたら確かに!」と返された経験があったり。

ファンタグレープが好きな自分に気づいて、ファンタオレンジの良さも知ろうとできる。ほかにも美味しい炭酸ジュースは沢山あって、知らない物の方が多い。知らないから知ることができる。ファンタよりスプライトの方が好きな自分に出会えたりもするわけだ。

本書のエピローグ、素敵な言葉があった。アバタローさんの恩師の言葉だ。

知らないことを恐れないこと。知ろうとすることを怠らないこと。

他人との関わりで新たな自分に出会えることがあるんだな〜と言いながら、私は人と関わるのが苦手だ。飲み会とか絶対行きたくないし休日は家にいたい。だが、それも逃げているにすぎない。遊びに出かけたり、自分から連絡を取ったりしなきゃな。してみようかな。知ろうとすることを怠らないことか。読書も、生活も。

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