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営業上がりの27歳新任サービスマネージャーが大事にしているたった1つのこと

現在わたしは、『「働く」を豊かにする。』をミッションにBtoBマーケティングの支援をするフィードフォースという会社で働いています。

これまで5年半”セールス"を続けたのですが、ここ半年はサービスマネージャーにキャリアチェンジして奮闘する毎日をおくっています。

そこで今回は、『営業上がりの27歳新任サービスマネージャーが大事にしているたった1つのこと』をおつたえします。

マネジメントで大事なコトは山ほど有ると思いますが、営業しかしてこなかった マネージャー初心者が感じる リアルな体験と想いをおつたえすることで、マネジメントを始めた人やこれからやりたい方にぜひ参考にしてもらえたらと幸いです。

マネージャーになった経緯:社内公募がでたので思い切って手を挙げた

2019年8月末、データフィードの作成や管理をアウトソースできるサービス『DF PLUS』には、専任のサービスマネージャーがいませんでした。

また、『DF PLUS』は売上の伸びが芳しくなく、改めて事業を伸ばすために専任のマネージャーを据えようという話になり、そのポジションで社内公募がでました。

当時わたしは、dfplus.ioというSaaS(DF PLUSを管理画面化してユーザーが自分で管理できるようにしたもの)の営業をしていましたが、社内の状況や自分のキャリアのことを考え「これはやるしかない!」と手を挙げ、任せてもらえることになりました。

はじめてのじぎょうけいかく

マネージャーになって最初の仕事がやってきました。下半期の事業計画作成です。(マネージャー初仕事としてはかなりハードモード...。)

これまでの自分はあくまでも”セールス"。顧客と対面しどう売上をつくってくるかを任される立場でしたが、そこから一転。

より抽象的かつ長期の戦略をつくり、さらにそれを細分化して実行計画に落とし込んでチームを動かしていく必要があります。

とはいえ本当に経験ゼロの状態なので、まずはそのサービスの現場に入り、そしてこれまでの方針も引き継ぎながら、どうにかこうにか準備を進めていきました。期間にして1ヶ月半程度かかった思います。

ただ、いま振り返れば、当時の自分は事業計画を甘くみすぎていました。

結局、1ヶ月半かけたものの自分の中でみえていたのはゴールイメージだけで、現状の正しい整理・現状とゴールのギャップ・ゴールへ到達するためのマイルストーンなど、あらゆるパーツの整理が全然できていない状態でした。

「これではマネージャーとしてチームを引っ張る存在にはなれない」「このまま進んでもよい結果にはならない」と、気づくことができたタイミングでした。

0からの状況把握と整理整頓

そこで、「もうどれだけ時間がかかったとしても、自分自身でゼロからすべてを整理してみよう!」と心に決めました。

他人がつくった概念や言葉を借りてしまっていたこと、それが自分の中で咀嚼しきれていなかったことが、整理がついていなかった一番の原因だと考えたわけです。

実際にやってみたことは以下のとおりです。すべてゼロからというのがポイントです。

①ビジネスモデルの整理

ビジネスモデルキャンパスというビジネス構造を可視化するフレームを使って、提供価値 / 顧客セグメント / 顧客との関係性 / 主要となる活動 / パートナー企業 /  販売チャネル / リソース / コスト構造 / 収益のながれ について、今後どういう状態をつくりたいのかを整理しました。

②バリューチェーンの整理

主活動(開発 ▶ マーケティング ▶ セールス ▶ デリバリー ▶ カスタマーサクセス) × 支援活動(人材 + コスト + 顧客管理 + 請求 + 法務)といった価値提供の全体のながれや、サービス運営上の機能を通じ顧客にどういう体験を提供していくのかを整理しました。特に、機能ではなくどういう人がどういう体験をつくっていくのか、を意識して整理しました。

③課題の優先順位つけとアクションの整理

①②を整理していく中で、サービス運営の理想系を実現する上でボトルネックになっている箇所を洗いだし、さらに解決の優先度を決めます。また、その課題に対する解決策のアイデアをだしておきます。

④自分が考える理想パターンにはまるお客様をを実際にみつけてくる

わたしたちが今後考える方針を喜んでくれている実際のお客さんは本当にいるのか?そしてそれは誰なのか?をみつける活動を先に進めました。

ちなみに、①②③については、まずは使えそうなフレームワークを勉強し、自分のサービスだったらどう表現できるのかを図を書いていくというながれでした。

④については、営業のメンバーと一緒に自分も最前線で動き、実際に受注をとり、明文化していくというながれでした。

その結果、どうなっていったか?

まず、自分の描いていたものがよりロジカルで納得感のあるものになりました。そしてなにより、サービスの向かうべき方向性を自分の言葉で表現できるようになったのも間違いありませんでした。

頭の中にきれいな収納棚ができて、この話はどの引きだしの話なのか、が常にイメージできている状態です。これまでどんより霧がかった毎日に光がさしてきた感じがして、心地よかったです。

”伝える”という行為を舐めてはいけない

”はじめてのじぎょうけいかく”で情報整理に苦戦している中ぶつかったもう1つの壁の話です。

マネージャー就任から1ヶ月経ったころ、チームへ「今後強化していく営業や顧客サポートの活動イメージ」を共有する場を1時間設けていました。

考えたアイデアをメンバーに理解してもらうことが目的で、全員が「よくイメージできた!」「よし、やっていきましょう!」って言ってくれるのがゴールでした。

しかし、残念ながら状況は180度逆方向になってしまいました。

自分が説明を始めてから、チームメンバーの顔が明らかに穏やかではなかいことに気づきました。結構序盤だったと思いますが、わたしは間違いなく大量の冷や汗をかいていました。

そこで自分は思い切って問いました「皆さんどうですかね?イメージ湧きますか?」
そこに、かえってきた言葉は下記...。

「あなたの頭の中は、わたしには分からない。」

優しさを持った声色でしたが、心に突き刺さりました。自分が共有したかったことが、まったく届けられなかったという事実がそこで確定しました。

そして、自分の情けなさも相まって、普段感じることのない、どうしようもない無力感に苛まれます。「おれ全然ダメじゃん...。。。」と。

1つ目の壁は情報整理の課題でしたが、自分にはまた別の大きな問題がありました。それは、アイデアをどうやって人へ伝えるかの思慮が足りなかった、ということです。

徹底した視覚化と惜しみない時間確保

そしてその日、具体的になにが足りなかったのかを考え気づいたことは、「マネージャーとして早くチームを動かして成果をだしたい...。」という自分の焦りでした。

人生初めてのサービスマネージャーの仕事で周りにガッカリされたくないという思いから「とにかく早くアクションしないとっ...」と考えていたわけです。

ただ結果的には、行動ばかりが先行してチームを巻き込むための準備や心構えが間に合っていなかった状況でした。

そこで以下のような改善や意識つけをしました。

①フローチャートとグラフに落とし込む

とにかく図、図、図。”ビジュアルで分かる"ことを重視です。テキストとトークだけでは理解してもらうのに時間がかかるので、視覚化を徹底しました。

これまでの営業の仕事ではマーケ担当がつくってくれた資料をつかうことが多く、資料作成に慣れていなかったのでデザイン含め勉強しました。

②話す時間を十分にとる

認識を合わせることを最優先にして共有時間を確保しました。営業をやっていたときは細切れの膨大なタスクがあり1分1秒を惜しむような働き方をしていて、人の時間を押さえることに後ろめたさもありました。

しかしその気持ちはいったん忘れ、しっかり時間を確保して方針の共有を進めました。

③何度も話す

話すのは一度だけでは終わりません。もちろんしっかり時間をとったときに100%伝えられたらよいですが、人は昨日聞いたことの7割を忘れる生き物です。週1回のチーム全体会では、決めている方針について必ず話をするようにしました。

「もう分かってるよっ」と言われるくらいがちょうどよいんだろうな、と今では思います。理解させるのではなく、馴染んでもらう感覚を意識して取り組んでいます。

そして、この3つのことを推進してようやく自分の立てた方針がチーム全体に浸透した感覚を持つことができました。

そこからは、チームで進める施策の速さと質がぐっと向上し、日々の業務と平行してチームが進化していくスピードが格段に上がったと思っています。

わたしはもう”伝える努力を厭わない”


まだまだ駆けだしのヒヨッコですが、方針を伝えきれなかった期間、待っていてくれたチームメンバーには感謝をしています。

そして、それに最低限応えられたことは自分にとって大きな心の救いであり成功体験であり、今後決して忘れてはいけない教訓になりました。

就任1ヶ月で『あなたの頭の中は、わたしには分からない。』と言われてしまったのは当然のことだったなと今は思えますし、その言葉があったからスイッチを入れ直せたことも間違いないです。

なにかを伝えようと思ったときに、頭の中をぱっぱと共有できたらすごく効率的でよいなとは思うんです。でもビジネスってそんなに簡単じゃないことも多いし、誰もが同じ目線でものごとをみているなんてことはないですよね。

だから、まずは徹底して情報を整理すること、そして分かりやすい表現に落とし込むこと、時間をかけなんども伝えて体に慣らしてもらうこと、そういった地道な努力が大事だと思います。

わたしはもう ”伝える努力を厭わない” と心に決めました。

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