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豆腐を鉄に変える!メンタル術

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放送作家の仕事をしていて出会った、アスリートたちの言葉。そこには僕らのメンタルを強くしてくれるヒントがあります。ポジティブになりたい方、要チェックです。
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なにかと話題だった全仏テニス。僕の心に最も刺さったのは……。

長年、松岡修造さんと仕事をしていますが、そこまでテニスは詳しくありません。しかし、そんな僕にとっても今回の全仏オープンは印象的な大会でした。 男子シングルスは西岡良仁選手が、自身初のベスト16入り。 近年、男子テニス界は大型化が進んでおり、TOP30の平均身長はおよそ190センチ。そんな中、西岡選手は170センチという小柄な体で躍進しているんです。 修造さんによると、西岡選手の持ち味は〝フラストレーションテニス〟。小学生のときから相手を翻弄してイライラさせることを得意と

『灼熱カバディ』から学ぶ〝人生の勝利学〟

〝カバディ〟 マイナー競技の代表格であり、選手が「カバディ、カバディ、カバディ……」と唱え続けることで知られています。しかし、詳しいルールはというと、謎だらけではありませんか? そのカバディが漫画になるなんて、ましてアニメになるなんて、昔は思いもしませんでした。 『灼熱カバディ』 これを読むと、カバディが如何に激アツな競技なのかがわかります。 タッチをする/かわすという点では〝鬼ごっこ〟のようであり、コート内の人数が増減するという点では〝ドッジボール〟のようでもある

自分の良さって、なかなか気付けないものですよね?

前回、アスリートの言葉は時に人生のヒントになるという話を書きました。 アイデアに詰まったり、筆が止まったりしたとき、どのように気分転換(現実逃避)するかで閃きに違いが出るかも、っていう。 今回は〝自分の良さに気付く方法〟について書こうと思います。 皆さんは「ブレイキン」をご存知でしょうか? 2024年のパリ五輪で新しく採用される競技で、いわゆるブレイクダンスのことです。 DJがかける音楽に合わせて即興で踊るのですが、フィギュアスケートのような明確な採点基準はなく、重

パフォーマンスを上げるための考え方〝5〟の集中とは?

アスリートのVTRを作っていると、たまに人生のヒントとなるような考え方と出会います。 最近だと、こちら。 「オンとオフの切り替えが大事」という言葉はよく耳にしますが、その中間をキープしておきたいというのは斬新だなと。 これを口にしたのは、玉井陸斗選手。先月、世界水泳ブダペストの10m高飛込で、日本人として初めてメダルを獲得しました。年齢はまだ15歳! では〝5〟をキープしたいとは、どういうことなのか? 飛込という競技は技を6つ披露するんです。1つ見せたら、ほかの選手

心の中にいる〝宇宙人〟と〝妖怪〟が許してくれない。

松岡修造さんの語録には、こんな言葉があります。 「心の中に〝鬼コーチ〟を持て!」 怠けたいとき、逃げたいとき、甘えたいとき、自分を叱って奮い立たせてくれる存在を心の中に育てようということらしいです。 修造さんと鬼コーチが出会ったのは、高校時代。 あまりに練習が厳しくて、テニスをやめたいと思っていたとき、鬼コーチに喝を入れられたおかげで、壁を乗り越え強くなっていったというんです。 「修造、さぼるのか、甘えているんじゃねえ!」 「お前、これが本気か? 上手くなりたいんだ

羽生結弦選手は〝超ファーストペンギン〟です。

フィギュアスケート・羽生結弦選手。 僕が22年間、放送作家の仕事を通して見てきた中で、唯一無二の存在感を放つアスリートです。 理由は、その言動。 〝超ファーストペンギン〟とでも言いましょうかねー。 天敵がいるとわかっている海へあえて真っ先に飛び込み、えさをもぎ取ってくるような。そして、すぐ次の海へ真っ先に飛び込んでいくような。 恐怖に打ち勝つほど強くなる。それを肌で知っているペンギン。 印象に残っているのは2013年、福岡で行われたGPファイナルで初優勝した際のイ

【メンタル術】一人で五万人と戦った男

オリックスの選手たちを見ていると、涙腺を刺激されます。 万年Bクラスのチームが、歴史的な優勝争いを最後まで演じている。次々とアクシデントに襲われても、心折れることなく戦い続けている。立派すぎますよ。 正直、画面越しでも緊張が伝わってくるんです。 プレーはガチガチ、試合はヒリヒリ、メンタルはギリギリ。 しかし、そんな戦いもいよいよ最後です。 月曜日、敵地・仙台での楽天戦。僕は選手たちにあることを伝えたいんです。 今から45年前「一人で五万人と戦った男」と呼ばれた大先

【メンタル術】チャレンジしたいとき、心が軽くなる考え方。

(注)前回と同じようなタイトルですけど、中身は全く違います。 なにかにチャレンジしたいと思っていても、失敗のリスクを恐れて二の足を踏んでしまうこと、ありませんか? そんなあなたには、このアスリートの言葉を聞いてほしいです。 東京パラリンピック、競泳男子100mバタフライ(視覚障害S11)の金メダリスト、木村敬一選手。 チャレンジすることに対して、きっと心が軽くなるはずです。 木村選手は先天性疾患によって2歳のときから全盲となりました。 17歳のとき、北京で初のパラ

【メンタル術】「立場が人を作る」ためには、3つの条件がある。

うれしいことに、オリックスが息を吹き返してきました。 首位・ロッテとの直接対決で連勝。勝因はなんと言っても、怪我で戦列を離れていた吉田正尚選手の復帰。そして僕は、もうひとつあると思っています。 高卒2年目の19歳、紅林弘太郎選手の覚醒です。 まさに「立場が人を作る」という格言通り。 もともと打順は9番だったのですが、主砲の離脱中は3番へ昇格。すると、9試合でなんと4本塁打! 今までは打率2割そこそこ、将来性はあるけど粗さの目立つ打者だったのが、強打者の風格を漂わせる

【メンタル術】期待に応える上野由岐子流〝360°前進思考〟

なんなんでしょう、上野由岐子投手のあのメンタルは😦 きのうの決勝、想像を絶する重圧がかかっていたと思うんですよ。自国開催だわ、13年分の思いは積もっているわ、いわゆる絶対に負けられない戦いが、そこにはあったわけで。 それでも先発して6回0/3を無失点。 最終回にマウンドに戻ってきて、また無失点! 勝つことを宿命づけられた場面で、みごと期待に応えてみせたのです。 その上野投手について、僕には忘れられないインタビューがあります。 2021年1月の『報道ステーション』で

東京五輪で〝メンタルお化け〟を見つけました

東京五輪が始まりましたね。 開会式当日、家で仕事をしていたらブルーインパルスの音が聴こえてきました。世帯視聴率は実に60%近かったそうです。 僕が放送作家として五輪に携わるのは、アテネ、トリノ、北京、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオ、平昌、そして東京と9回目です。 今回はリモートワークなので、局にも現場にも行っていません。家でザッピングしながら観戦しています。 きょうは、印象に残った3競技について書こうかなと思います。 ①体操4大会連続金メダルを目指していた内村航

【メンタル術】あなたのレベルを爆上げさせる方法とは?

きのうの『報道ステーション』でまたひとつ学びがあったので、共有させてください。 陸上男子110mハードル。 いま、この種目で世界に急接近している選手がいるのをご存知でしょうか。 「それも……、2人も同時にだ………」(by 安西先生) そう、2人いるんです! 金井大旺(たいおう)選手と泉谷駿介選手。 金井選手は4月、13秒16という日本記録を樹立。これは、世界陸上2019の銅メダルに相当するタイムでした。 そして泉谷選手は6月、13秒06で日本記録を更新。これはな

【メンタル術】「○○」を持つと、周囲の声に振り回されない。

おととい『報道ステーション』で侍ジャパン・稲葉篤紀監督のインタビューが放送されました。 先週、東京五輪に向けた代表24名を発表したばかり。 本来の実力を発揮できていない選手が選ばれていたり、逆に好調の選手が選ばれていなかったりで、その選考には否定的な意見もありました。 そんな中、僕は指揮官の言葉に、 〝周囲からの声に振り回されないためのヒント〟を見つけたんです。 稲葉監督は、今回の選考についてこう断言しています。 「僕は絶対にこのメンバーで金メダル取れると思います

【メンタル術】ここ一番で輝く〝キング〟が心掛けてきたこと

きのう、僕が携わった内村航平選手の企画が『報道ステーション』で放送されました。 今月、4大会連続の五輪出場を決めたばかり。東京五輪は個人総合ではなく、種目別の鉄棒で金メダルを目指します。五輪で輝くためには「6種目こなしてこそ体操」というこだわりを捨てる必要があった、と明かしてくれました。 そんな〝キング〟が教えてくれるのは、ここ一番で輝くための考え方です。 五輪と世界選手権で金メダルを13個も獲得。 僕は内村選手の企画を過去に何度も担当してきました。特に印象に残ってい