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アイドルなんて・・・と思っていたぼくが、乃木坂ヲタクになったワケ。と、1ミリも後悔していない理由。

 今や、日本の代表的なアイドルといえば、という代名詞で語られることも多くなった、そんな大人気のグループになった乃木坂46。
そのアイドルちゃんたちを推している人はいろんな人が居るけど、もともと昔からアイドルが好きという人が多いのではないだろうか。だから、自分のようなヲタクは異質なのでは。と思う次第なのである。


乃木坂46と出会う前

 もともと、小さなころから歌うことや音楽は好き。さらに、ラジオが好きになり、そこから流れてくる様々な音楽は少年時代のぼくに大いに影響を与えた。と思う。

 ゆえに、ラジオでよく掛かっているような、ポップス・歌謡曲・AORとかが好きになった。さらに、バンドやSSWが好みになり、作詞作曲など所謂「0から1を生み出せる人すごい!」となっていた。

 だからこそ、アイドルの曲は聞いてある程度知っていても、曲以外の所に特に興味はないというか、振付とか映像ありきの音楽なんて成立してねえし。などと、むしろ嫌悪感すら抱いていた。

 自分じゃない誰かが作った曲を、これまた誰かの考えた振り付けで、自分じゃない誰かの指示で歌わされ踊らされ、そして、それに熱狂する人たち・・・。
職場の人や友人たちとカラオケに行ったら、AKBやモーニング娘の曲を歌いながらフリマネをしながら、コールをしたり、盛り上がっていた。なんでみんなそんなに知っているのかわからない。何が楽しいんだ。
とっても冷めていた。正直、気持ち悪いとすら思っていた。
後に、そっち側に、自分がどっぷりはまるとも知らず。

乃木坂46との出会い

 2012年、当時大人気だったAKB48の公式ライバルとして、乃木坂46がデビューしたのを、ネットニュースで知ったがとても冷ややかに見ていた。
秋元康さん、おんなじようなこと何回もやってるな。今回もその繰り返しだろ、と。
当時の印象は、かわいらしい子たちだけど、AKB48と何が違うのかよく分からなかった。センターの生駒ちゃんショートカットでかわいいな。それぐらいだった。

 それと時を同じく。
社会人になって初めて、会社の人事異動で仕事内容が変わり、勤務地も変わった。慣れない暮らし、慣れない仕事。上手く行かないこと、怒られること、ストレス・・・ 日々、どんどん追い詰められていった。
 当時住んでいた7階の部屋のベランダから下を覗き込んでは、ああ。自分にもっと力があればな。自由が欲しいな。と思っていた毎日。

 ある日とうとう、朝目が覚めるととても調子が悪くなる。会社に行けなくなった。2日休んで1日行く、みたいなサイクルを何度か繰り返した頃、意を決して出社した朝、目の前にいた部長に「話聞いてもらっていいですか?」と声をかけていた。あの日、どうしていきなりそんな勇気が出たのか自分でもいまだにわからない。

 その時、部長は優しい言葉でアドバイスをくれた。
「辛いなら逃げても良いよ。でも自分が頑張りたいと思うけどしんどいなら、何か小さな楽しみを毎日何か見つけて行くようにすれば良いんじゃないかな。」
心が少し軽くなった。けど、小さな楽しみ、ってなんだ?
新たな課題が増えた。

転機

 しばらくは、仕事が終わったら、ご飯食べに行くとか街ブラに行くとか、とにかく何かしら楽しい予定をほぼ毎日入れることに専念していた。あと何日で休みだ!休みの日は、あれしてこれしてジャンプする!(←このネタ、もうわかる人おらんだろうな・・・)

 しかし、日曜の夜は憂鬱である。なかなか寝付けない。寝て起きたらまた仕事だから。当時、日曜の夜23時頃からやっていたクルマ関連の番組「SUPER GT」を見てから寝るのが毎週の恒例だった。ある日、番組を見終わっても寝る気にならずそのまま見続けていると、カワイイ子たちがいっぱい出てくる番組が始まった。

 それが、乃木坂46の冠番組「乃木坂って、どこ?」だったのである。

 いつしか、日曜の夜に彼女たちの番組を見終わってから寝るのが恒例になった。最初は、なんとなく後ろめたいような、「アイドルなんて・・・」と思いながら斜に見ていたが、徐々に。このカワイイ子たちをまた見るために次の日曜まで頑張ろう。と思うようになった。


実は伏線が

 これが、2013年の年始ごろに一気に乃木坂46にのめりこむようになった経緯だった。だが、実はこれ以前に「アイドルなんて・・・」という気持ちが揺らぐ出来事があったのだった。

 それは、2011年に放送されていた、NMB48がやっていたROUND1のCM。

 このCMでタイアップになっていた、NMB48の2ndシングル「オーマイガー」。今でも大好きな曲だ。この曲と映像で、心からカワイイし楽しいな~!と「思っちゃった」という話を居酒屋で友人に打ち明けたのが、最終的に「城壁を崩壊させるw」蟻の一穴だったのかもしれないな、と思う。

 のちに、NMB48も好きになりイベントに通うようになるが、
それはまた後程・・・

そして、城壁崩壊、陥落

 話を2013年に戻す。春になって、またもや人事異動があり、わずか1年で元の拠点に転勤で戻ることになった。仕事内容はそれまでと変わらずだったが、知らない所でもなんとかやって行けた。という小さな自信がついたことと、都会はそんなに遠い場所ではなかった。という事実を知ったことから、乃木坂のライブに行きたいと思うようになった。

 そして2014年の年始、2周年記念のバースデーライブが横浜アリーナで開催されることが発表された。よし、遠征するぞ!と、チケットの先行抽選に申し込むべく、乃木坂mobileに入会。初回申し込むは当たりやすいということなのか、一度目で無事にチケットが当たった。しかもアリーナ。

 その後、夏の全国ツアー(大阪)も行ったり、どっぷりハマった。
城壁崩壊、そして陥落、である。この時もまだ、少し後ろめたいような気持ちは残っていた。かなり少なくはなっていたが。

握手会へ行こう!

 2014年の10月、ちょうど10thシングル「何度目の青空か?」がリリースされる頃、衝撃的な事件が起きた。詳細はあえて書かないが、自分の推しが悩んで苦しんでいる姿を見ているのはとても辛かった。でも、そんな彼女を精一杯応援したい一心だった。

 はたまたその頃、1stアルバム「透明な色」の個別握手会が発表になった。

 彼女に会いに行こう。直接、この応援している気持ちを伝えたい。今伝えないと、彼女の心は折れて挫折してしまうかもしれない。だから、彼女に会ってこの気持ちを伝えよう。その一心で、握手券を申し込んで、なんとか2枚確保した。

 初めての握手会。京都パルスプラザ。それから幾度となく通うことになる場所。「応援しています。あなたの笑顔に、いつも元気をもらっています。」そう伝えた。「さゆりんごパンチください!」とお願いしたら、重めの拳が飛んできてびっくりした。楽しかった。

沼にはまりに来ませんか?

 これ以降、イベントやライブにはほぼ欠かさず行くようになり、その後生まれた他の坂道グループや、NMB48、STU48、NGT48なんかにも手を伸ばしていく。それはまた、別の機会に・・・。

 こうして、ただの音楽好きで、アイドルなんて・・・と思っていたぼくは一転、アイドルに日々の元気を貰うことになった。そして、気づいたことがある。それは、

アイドルだって、アーティスト(表現者)である。

 前述のとおり、以前のぼくは、アイドルなんて自ら何も生みだしていない。と思い込んでいた。
でも、実際にアイドルちゃんたちの活動を良く見るようになると、曲や振り付けは自身が作った物ではないにせよ、歌唱やパフォーマンスでそれらをどのように表現するかは彼女たち自身の解釈と技量によるものが大きく、決して上手く行く時ばかりでない。

 しかし、プロというのは、それを求められてしまう。それ故、悩み苦しみ、はたまた、自身の表現が受け入れてもらえるのかと不安や恐怖と戦って、生まれた結果のみを我々聴衆は目にすることになる。

 その葛藤というのは、SSWでもバンドでもその他すべての表現者が感じてしまう物ではないだろうか。つまり、アイドルにしろ、SSWにしろ、バンドにしろ、音楽以外の表現者でも、同じという風にぼくは思うのだ。

 かつて、乃木坂46の次に坂道グループとして誕生した、欅坂46が世に出たときに一部ファンの間で、ある論争が起きた。
それは、「乃木坂はアイドルであり、欅坂はアーティストである。」という物だった。実態としては、新参の欅ヲタが古参の乃木ヲタより優位に立ちたい故にぶち上げたようなくだらない物だったとぼくは感じているが、世の中にはまだまだ「アイドル」を下に見る風潮というのは色濃く存在する。

 その原因が何であるかはあえて触れないし、触れたくもない。
それは何故かというと、アイドルを応援することを知った今では、それがとにかく「楽しい」からだ。やれ遠征だ、イベントだ、お金がかかる。極寒の屋外から、空調の利かない猛暑の屋内の現場、連日連夜のイベント行脚など、体力が持たない。いろいろ悩みは尽きない。でも、そのすべてが「楽しい」のである。

 もし、2012年にいろいろあって乃木坂46を詳しく知る機会がなかったら、今こんなに楽しいと感じて生きているだろうか。とすら思う。
はたまた、自分が人生で一番か二番目に苦しかった時、心の支えになるものに出会えなかったら・・・ 今、ぼくはこの世に存在していなかっただろう。はっきりそう断言できる。

 そして何より、世に沢山存在する表現者のすべてが、大小はあるにせよみんな同じ表現者として平等な立場である、ということに気づいたこと。
TVやラジオで良く流れていて、ヒットチャートの上位に居て、そういう曲の全てが良い曲なわけでもないし、そもそも全ての人にあまねく届く「良い曲」って何なんだろうね。という話でもあり。

 「この曲オススメだから聴いてみてよ」と誰かに紹介すると、「なんかのCMとか主題歌とかの曲?」「いや、全然そういうの無いけど良いよ」「ああ、そう。」というやりとりが繰り広げられることが良くある。有名な〇〇じゃないの良く分からんし調べるの面倒だし。という反応。
これは、ものすごく勿体ない行動だと思うのですよ。
 もっともっと、自分の心の赴くままに、有名とか売れてるとかそういうの関係なしに、自分の「好き」や「推し」を見つけるのって、すごく楽しいしワクワクすることだと思うんですが、ねえ・・・。

(おまけ)

 ちなみに、文中の「あれしてこれしてジャンプする!」というのは、岡山香川を放送エリアとする民放テレビ局・テレビせとうち(TSC)のはるか昔のキャッチコピーでした。笑

 そして、最後の見出しの「沼にはまりに来ませんか?」というのは、ぼくの母校である、「沼自動車学校」という自動車教習所の広告のキャッチコピーをオマージュとして引用させてもらいました。笑

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