紅蓮館の殺人:阿津川辰海:本格、ど真ん中。
年間、文庫本で、小説ばかり、約150冊を読み続けているGGが、今年は読んだ本の読書感想文を書いていこうかと。
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「紅蓮館の殺人」(024/2020年)
やっと読みました。本格系、ど真ん中。毎年恒例のミステリベスト10に軒並みランクインしたこと、納得。本格らしい本格でした。
山火事で「孤立」した館に閉じ込められた中、少女の死体が発見されます。それをめぐるミステリ。本格なので、過去の連続猟奇的殺人も「実に都合よく」絡んできて、どんどん物語は複雑化していきます。
その複雑化した状況を、皮を一枚一枚、丁寧に剥いていきます。たまに意図的なミスリードもありつつ、ちゃんと「猟奇的」な要素も組み込むあたりは上手です。着実に解決に近づいていく感じは実に本格であり、仕掛けられた多くの嘘、騙しがバレていくさまは爽快です。名探偵がいて、謎を解く王道ミステリですから。
名探偵が二人いることが肝な本作、欲を言えば、この二人の物語も読んでみたいかな。本格ミステリには不要な部分ではありますが、全く別の作品として成立させてみても良いかと思いました。
ミステリ初心者から楽しめる作品なので、おススメです。
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