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R帝国:中村文則:当事者たれ(ちょいネタバレ)

「R帝国」(075/2020年)

実に面白い。ディストピア系近未来SFとして、シンプルに面白い。そして、今まで中村作品を(文庫化)全て読んできた僕としては、敢えてシンプルに書いていることに、色々な意味を勝手に感じてしまう。

日本とは書いていないが、まあ日本という事にしておこう。R帝国はインチキ民主主義系独裁国家である。そのRが戦争を始めることから物語はスタートする。

独裁勢力(者でなないな)に「抵抗」する組織が登場する。Lという名で呼ばれている。Lはそれなりに頑張っているのだが、まあ、ダメだ。で、以降、ちょいネタバレです。













で、結局、独裁勢力は勝つ、というか、勝負にもなっていない。Lの仕掛けは空回り。何事も無かったかのように世の中は進んでいく。ただ、Lのメンバーには影響があっただろう。そして、仕掛けられた方も、それなりに影響は受けている。

結局、当事者には次のステップがあるのだ。再挑戦するもよし、諦めるもよし、何かしらの判断を迫られる。しかし、当事者以外は、何も変わらない。

そんなメッセージを届けたいがために、この作品は書かれたのではないだろうか。

あとはスマホ問題だな、きっと。このままスマホに人生を乗っ取られる人たちが増加していくに違いない。乗っ取る側にとっては良い時代ってことでしょう。スマホを使って無力化、どんな兵器よりも強力である。そして、格差は広がり固定化していく。ま、気が付かなければ存在しないと同じだから、それは良いのかもしれませんね。スマホで楽しい人生を!

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