IT営業がいなくなる日が、DXのゴールだ。
そう遠くない将来に、日本にITの営業が存在しない世の中を作りたい。
アドミンと言われる職業が認知され、地位向上する世の中を作りたい。
これが私の理想とする未来だ。
IT営業なんかいらないって言っている私自身は、超が付くIT営業マンだ。
新卒で富士通系のグループ会社で営業のキャリアをスタートさせ、数々の最年少記録を更新。
その後、強い営業で定評のあるSalesforceに転職し、トップセールスを経験。
ヘッドハントを受け、高待遇で外資系IT企業へ転職。
外資系IT界隈では、鬼と異名をとる某マネージャの配下で、世界で1位のトップセールスとなる。
恥ずかしげもなく自分で言ってしまうが、30歳で、日本のIT業界の営業として歩むことができるトップクラスのキャリアを経験した自負がある。
ゆえに、この経験の中で多くの営業としてのスキルを身に着けてきた。
・オブジェクションハンドリング
・4つの不
・商談フェーズ
・コンペリングイベント
・クロージングテクニック
その他多数の書ききれない位のスキルがあり、
全て言語化し、人に教えることが可能だ。
(詳細は私の過去のnoteを参照頂きたい。)
おそらく、営業コンサルという仕事を生業にするのであれば、一生食いっぱぐれないだろう。
その上で、あえていいたい。
日本からITの営業が存在しない世の中を作りたい。
そして、日本にITの営業が必要ないと考える理由は大きく2つだ。
①日本のITの特異性
②売り手が強くなりすぎた
この内容を解説したい。
日本のIT業界の特異性を表す事実
日本のITが世界的におかしいということはご存知だろうか。
言い切りの文語でこのnote書いているが、言いたい
「日本のIT業界、マジでヤバイよ。マジで。」
この4つの画像について順に説明をしたい。
①IT人材がどの企業に所属するか
まずこの画像を御覧いただきたい。
出典:IPA/IT人材白書2017
このデータは、IT人材がどの会社に所属しているかというデータである。
(IT人材の細かい定義はここでは議論いたしません。)
このデータからわかることは、日本はITの売り手側企業に人材が集中しており、その他海外では、ユーザ側に人材が配置されていることがわかる。
②IT人材が足りない
IT企業に人材が集中しすぎているだけでなく、そもそもの母数自体が足りていません。
出典:経済産業省/IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果
この資料はITニーズが高まり人材の必要性が高くなる一方で、
2019年を境に供給は減少していくというデータである。
その数なんと、2025年には43万人の不足と言われている。裏を返せば、IT人材ならば、しばらく職に困ることもないということだろう。
③何のためにIT投資をするのか
この図は何のためにIT投資をするのか、日本とアメリカを比較している。
出典:2017年 JEITA,IDC Japan調査/企業におけるIT投資の重要性
一目瞭然で、日本国内のIT投資は守りに使い、アメリカのIT投資はDXに向けられているという点だ。
1990年代のIT投資額は日本とアメリカでほぼ同額の10兆円程度だったが、2015年には大きな差をつけられている。
アメリカ:70兆円
日本:20兆円
これだけの差をつけられていて、投資目的も完全に水をあけられている。
このままだと日本のITは終わってしまう。
④ITの重要性の認識
このデータは、IT投資を会社としてどう捉えているかという質問の回答である。
アメリカは積極的なIT投資を行い、極めて重要と位置づけている。
日本はなんとなく重要と答えているのではないだろうか。
同調査において、CIOという、IT専門のエグゼクティブを会社に設置しているかのデータも出ている。
アメリカでは、70%以上が社長直下に専任で人員配置をする一方、
日本では、22%しか配置されていない。
⑤IT投資ミスりまくりの日本
少しショッキングなデータを出したい。
ご存知だろうか。
ここまで特異な日本のITにおいて、
日本国内のIT導入プロジェクトのうち、約半数、47.2%は失敗に終わっているという事実があるのだ。
⑥特異なITの考察と営業
①で解説した特異な人員配置からはじまり、諸々世界標準からズレている日本のIT。
極めつけは半数以上のプロジェクトが失敗なのだ。
こんな状態で日本のIT業界に営業は必要だろうか。
約半数のITプロジェクトが失敗だとすると、
国内IT投資額の20兆円から単純計算で、
10兆円はドブ金になっているといえる。
日本のIT業界の営業は年間10兆円のゴミを売っている。
多少ワードが強すぎるが、あながち言い過ぎでは無いと考えている。
⑦加熱するセールステック,セールスハックへの批判
近年、営業をテクノロジーで変えよう。だとか、営業を科学するだとか、
そんなことをいう企業や人が増えた。
要するに、営業というテーマを使い金を稼ごうとする人々だ。その最たるものは私が前職で売っていた営業支援システムであるが、書き出すととにかく多い。
・SFA
・マーケティングオートメーション
・インサイドセールス
・オンラインセールス
・セールスイネーブルメント
・ABM
その他多数。
これら全てはアメリカを始めとした欧米の概念を日本に持ち込んでいる。
ここでまた口語で言わせていただく。
「そもそも、ITの人員配置がアメリカと全然ちゃうやん。アメリカは購買側がしっかりしているからええけど、日本で営業が強くなっても押し売りになるだけなんとちゃうのん?」
つまり、売り手が過剰に強くなっていく一方で、購買側はなにも変化していない。
また、これらの99%は最終的にツールを売りたい人たちのポジショントークに過ぎない。ゴリゴリにIT営業をやりきった私がいうので間違いない。
⑧購買側が変わる時
コーラの500mlが150円が適正価格かは判断できるが、
月額10万円のシステムが高いか安いか判断できる人間がそもそも日本にいない。
システムを導入するとき、抑えるべきポイントを自分たちで洗い出し、プロジェクトを推進できる非IT企業は存在しないと言っても過言ではない。
結局、ITベンダー任せになってしまう。
これではいつまで経っても日本はDXできない。
結論として私が言いたいのは、ユーザ企業のITへのリテラシーが向上すれば、ベンダーから売られるのではなく、自ら購買できるようなる。
すると、日本は自ずとDXの方向へ向かうし、営業という職業が不要になるということだ。
だが、現状では自ら戦略的にIT購買を行える人材が不足している。
2025年に43万人も不足すると言われている。
ただ、この大きなGAPを埋める秘策が私にはある。
アドミンと言われる職種だ。
アドミンが日本を救う
過去にもアドミンという職種にフォーカスした記事を書いたが、
このアドミンという職種が日本で一般化すると、IT人材不足が解消されると私は考えている。
ローコード開発と言われる、プログラミング不要なシステム開発や、
ビジネス部門に所属しながらもシステム開発を行い、
ユーザのやりたいこと、経営層の方針、双方をくみ取ってシステム戦略を担う人材だ。
まだこのアドミンという仕事は認知度も低く、多くの企業での立場が強い部門ではないが、2020年には必ずフォーカスされる時代がくる。
なので、最終結論はこうだ。
「日本のIT業界から営業が消え、アドミンが増えて地位向上したときが、日本のDXが達成される時、いや、DXのスタート地点なのかもしれない。」
最後に、直近3ヶ月で20人以上の優秀なアドミンの方にアンケートを行い、
優秀なアドミンに必要な素養をヒアリングしたので記載したい。
・システムへの好奇心
・周囲への気配り
・全体を俯瞰する力
・根回しが上手
・ユーザのやりたいことの理解が早い(現場目線)
・経営層の意思をキャッチ(経営目線)
・出来ないではなく、出来る方法を探すマインド
・ボトムアップの思考
・プログラミングスキルは不要
・アドミンをやってみようという飛び込む勇気
・コミュニティではなく、常に社内に目線を向ける
・VLOOKUPができればアドミンはできる。
Special Thanks to Great Administrators!!
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