「ぶっちゃけ、SFAって何が良いの?」 というご質問に本音で答えます。(前編)
今回はSFAの選び方についてお答えしていきます。
Salesforceがいいのか、HubSpotがいいのか。
はたまた、Excelで十分なのか、その他の選択肢が良いのか。
そもそも、導入を検討する前に何をしたらいいのか。
私の経験と私見たっぷりに解説をしていきます。
すでにSFAを導入しているけど上手く活用できていない方や、これから導入を検討していらっしゃる方、すでに上手く使えているけど、さらなる活用をしていきたい方に読んでもらえたらと思います。
本noteは2部構成を予定しており、
前編:SFAの製品検討前に行うべきこと(本note)
後半:具体的な製品の選択時の仕方(次回note)
としています。
SFAは鬼門
Salesforce時代は、多くのお客さまの導入や活用のご支援をいたしました。正直に申し上げると、私の力不足でプロジェクトを上手く進められなかったこともあります。
まず最初にお伝えしたいことは、SFAの活用はとても難しいということです。
日本のIT導入プロジェクトの約半数は失敗に終わっているという調査を更に掘り下げていくと、成功率のワースト1位がCRM/SFAとなっています。
(CRMとSFAは粒度が違うので並列で書くのは好みではありませんが・・・今回はSFAに絞って説明をしていきます。)
出典:日経BP DXへの技術
そんな鬼門(僕ではなくDXへの技術のフレーズをサンプリング)とされるシステムであるSFAをどのように選択したら良いのか。
“製品選定前”に考えるべき4カ条を記載をしていきます。
①SFAの目的とは・・・
まず前提として、SFAの目的を整理していきたいと思います。
・売上向上のため
・営業の生産性向上のため
・受注率向上のため
etc.
正解っぽいこれらの理由は、正解でも不正解でもなく、△といったところです。
SFAを入れただけでは売上も営業の生産性も受注率も上がりません。
もし、このような訴求をされた場合は、その営業を疑ってください。上がるわけありません。(直接ではなく間接的な効果にすぎません。)
正しく目標設定をするのであれば、
①経営計画で売上(or利益)を〇〇にする目標がある
②そのために受注率(生産性 etc.)を□□にする
③手段として△△がある
この③に対してSFAを活用する。
というのが本来の目標設定です。
一足飛びに③からでもなく、①に対してSFAでもなく、
①、②、③ときて、SFAという順序となります。
ここが不明瞭な場合は、SalesforceやHubSpot、eセールスマネージャーといった選択以前に、SFAを導入するべきではありません。
①②③を明瞭にしてから再度検討をしましょう。
②責任と役割(Role and Responsibility)
次に検討するべきは、責任と役割です。
具体的には、
①明確に責任を持てる人を支援者として立て、
②その方に都度判断を仰ぐのではなく、その権限を明確に移譲をしスピーディーに判断をする。
③ここが一番大切なポイントで、営業などのフロントチームだけ推進しないこと!!
びっくりするくらい炎上します。
しっかりとITやセキュリティ、ガバナンスのことを考えられる方や、
バックオフィス業務に精通した方を必ず巻き込んでください。
え?否定的なコトばかり言われてるから馬が合わないって?
違いますよ。
違った目線で冷静にレビューをしてくださる貴重な方々です。
④は特段の説明は不要かと思います。
③アクションプランと成功の基準を明確化する
これは①に紐づく内容なのですが、アクションプランを明確化してください。
よくあるシステムに関するスケジュールは、本稼働までのマイルストーンを描く方が多いのですが、それでは全く意味がありません。
活用してこそのシステムです。
そのため、、、
・導入後の活用スケジュールまで記載
・活用の内容は明確にしておく
ことが必要です。
ここでいう、活用の内容を入力の徹底(強制)とすると、即座に失敗の道に進むので気をつけてください・・・
オススメしている設定としては、
・案件をデイリーで更新する代わりに日報を0にする
・案件が定常的に更新される状態になったら、営業会議資料の作成を0にしてダッシュボードに置き換える
などです。
そして、これらを予定の時期までに実行できているのであれば、このプロジェクトは成功の基準を満たしている・・・と考えるのが良いと思っています。
ここから本音のお話をしますが・・・
SFAを導入して入力工数が下がることはほぼありません。
入力しないとデータも蓄積されず、使い物になりません。
さらに追い打ちを書けるように、平行運用という名の元、日報もSFAも入力という地獄に陥っているパターンもあります。
なので、入力をする代わりに何かを止めるという、トレードオフが必須なのです。
④業務プロセスの明確化
この業務プロセスの明確化はメチャメチャ重要なのですが、案外重要視されていないことも多いです。
1番大きな問題は、そもそも業務プロセスが明確化されていない企業がおおいということ。
2番目の問題は、SFA単体でプロセスを考える方(特に営業の方)が多いことです。
まず1番大きな問題は、良い機会なので業務プロセスを再整理してみましょう。そして、その業務プロセスがお客さまのためになっているのか、はたまた自社都合のプロセスになっているのか見比べてみてください。
オススメの手順としては、
・現状のプロセスをプロットする(As is)
・カスタマージャーニーを描き、それに対応するプロセスを描く(To be)
・そのGAPに対してSFAがどのように活用できるか
という順序になります。
2つ目の問題に対しては、業務プロセスを定義した際に、営業の受注までで考えないことです。
会社は営業が契約書をもらった後に受注の処理、請求の処理、入金/消込の処理・・・と様々な業務プロセスが発生します。
ですが・・・
SFAに入力していようが、いなかろうが、これらのプロセスが回る状態を作り出してしまうと、SFAに入力がされないのです。
例を上げるときりがないのですが、一番多いパターンとしては見積だと思います。SFAに入力をしていなくても見積が作成でき、受注もでき、計上もできる状態になってしまえば、めんどくさいのでSFAに入力はされません。
よく、「入力を徹底させる」と声高らかに精神論を語る営業コンサルの方がいらっしゃいますが、僕は完全にこの意見には否定的なスタンスです。
「入力をすることで、業務プロセスが回わる」というデジタルな仕掛けをすることがSFAの入力が促進される秘訣だと思っています。
ちなみに・・・
これらの連携を取っていくとお金もかかってきます。
そこまで投資できない!といった場合はどうするのか?
というご質問もいただきますが・・・
本音の話をすると・・・
そのお金をケチっている状態であれば、まだ連携はToo Muchだと思います。(売り手だったら、今やりましょうって言っているところですw)
が・・・
月間の受注件数が○○件とか、毎月の請求がXX円以上だとか、基準を作っておきましょう。超えたら連携しましょう。
でないと、「今はまだ早い」という現状維持バイアスによって、いつまで経ってもITに投資しないレガシー企業になってしまいますよ!
まとめ&後編で書いていく内容
ここまでSFAを導入検討する際、
ベンダーに相談するより前の、“社内で考えておくべき”4カ条を書いてきました。
お読みいただいた方にはお察し頂けたかと思いますが・・・
ここまで考えていたらベンダーに聞くことなんて極僅かなのです。
ここまで考えていたら、SFA選定の7割位おわっているも同然です。
ですが・・・実際にベンダーに相談するとなると色々と迷うことも出てきます。
後編では、Salesforceが良いのか、HubSpotがいいのか、Excelがいいのか、その他の選択肢がいいのか。
それぞれのツールの特異領域や苦手な内容を交えて、解説をしていきます。
また、SFA(もう少し範囲を広げてCRM)に関しては弊社の特異領域でもありますので、上流から下流まで、あらゆるご相談にお応えできるかと思います。
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