今回はいつもの漆の説明からちょっと脱線して‥、 「うるしの塗膜がどんな構造になっているのか?」についてのお話です。 このnoteでは、漆の塗膜構造を下のようなモデル…
MR漆などの「ゴム質水球をより細かく分散した」高分散タイプの漆には、高い光沢の塗膜が得られることの他にもいくつかの特徴があります。 今回は、その特徴についてご紹介…
1999年以降、うるし精製の技術が大きく進化し、現在では乾性油を混合しなくても漆だけで光沢の調整が可能になっています。 これにより、他の樹脂成分や乾性油の入っていな…
「生漆」「透素黒目漆」「黒素黒目漆」の3種類を使うことができれば、その他の「漆」にはそれほど関心を払わなくても問題はありません。 何故なら、この3種類以外の様々…
うるしの精製とは、生漆を塗料として「より使いやすい性質に改質するための工程」です。 生漆は水分量が多く(15~30%)、この水分は塗料として塗ったあとに蒸発して…
漆を販売している「漆屋」さんでは、実に多種多様な「漆」が販売されています。 ですが、「うるし」は結局「ウルシ」という木の樹液(樹脂)ですから、大元は1種類しかあ…
はじめまして。 ここでは、「うるし」という素材についてのお話をしていきたいと思います。 ものづくりの職人でも、作品展に出品するような工芸作家でもない、ただの漆好…
DIYうるし部
2021年5月31日 13:25
今回はいつもの漆の説明からちょっと脱線して‥、「うるしの塗膜がどんな構造になっているのか?」についてのお話です。このnoteでは、漆の塗膜構造を下のようなモデルでご紹介してきました。主成分のウルシオールからできた重合体の海(含窒素物も一緒にいるよ)に、ゴム質の粒(水分が蒸発して干乾びた酵素ラッカーゼも一緒にいるよ)が泡のように散りばめられている‥というような塗膜断面の構造です。現在で
2021年5月26日 09:48
MR漆などの「ゴム質水球をより細かく分散した」高分散タイプの漆には、高い光沢の塗膜が得られることの他にもいくつかの特徴があります。今回は、その特徴についてご紹介します。・硬化するのが早く、塗膜もより硬く強くなる硬化した漆の塗膜は、塗膜一層がすべて均一な硬さになっているわけではなりません。漆液には、主成分のウルシオールと含窒素物、水、水溶性のゴム質、酵素ラッカーゼなどが含まれています。
2021年5月1日 10:59
1999年以降、うるし精製の技術が大きく進化し、現在では乾性油を混合しなくても漆だけで光沢の調整が可能になっています。これにより、他の樹脂成分や乾性油の入っていない「生漆」「透素黒目漆」「黒素黒目漆」の3種類の漆だけで、ほとんどのことができるようになりました。ここで改めて、うるしの精製についておさらいします。生漆を40℃以下の低温で加熱しながら攪拌して、「水分量を減らすこと」と「ゴム質
2020年11月14日 12:34
「生漆」「透素黒目漆」「黒素黒目漆」の3種類を使うことができれば、その他の「漆」にはそれほど関心を払わなくても問題はありません。何故なら、この3種類以外の様々な名称の「漆」は、「漆を主成分として、天然の樹脂や乾性油などを加えて塗料化されたもの」といっても間違いではない、ちょっと特殊な漆達だからです。今回は、この「ちょっと特殊な漆達」がどういうものか、漆屋さんが決めた「漆の定義」にある「漆の
2020年11月8日 11:31
うるしの精製とは、生漆を塗料として「より使いやすい性質に改質するための工程」です。生漆は水分量が多く(15~30%)、この水分は塗料として塗ったあとに蒸発して飛んでいきます。塗料の中で、塗膜に残らずに飛んでいく成分を「揮発分」といいます。生漆は水分量が多いために「一度に厚く塗ることができない」とか、「顔料の発色が悪くなる」といった問題あります。そのため水分を飛ばして、塗料として塗っ
2020年11月7日 17:50
漆を販売している「漆屋」さんでは、実に多種多様な「漆」が販売されています。ですが、「うるし」は結局「ウルシ」という木の樹液(樹脂)ですから、大元は1種類しかありません。まずは、そこから枝分かれする「3種類の漆」について覚えていただければ大丈夫です。これだけ覚えよう!「① 生漆 」 「② 透素黒目漆 」 「③ 黒素黒目漆 」木からにじみ出た漆を集めて、採取する際に入った木屑などを濾過し
2020年11月7日 14:29
はじめまして。ここでは、「うるし」という素材についてのお話をしていきたいと思います。ものづくりの職人でも、作品展に出品するような工芸作家でもない、ただの漆好きのうるし話にお付き合いください。今回は、筆者の経歴についてお話します。大学卒業後に工芸の専門学校へ行き、そこで「うるし」と出会います。その後すぐには漆工芸への道には進まず、木工塗料やコーティング材料の研究開発の仕事に就きま