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189 就学前の教育


はじめに

幼稚園や保育園での最後の行事を一つずつ大切に取り組みながら過ごしている就学前の子どもたちにとって、これからの数カ月は、少しずつ小学校での学習に向けて準備をしていく時期かと思います。
こうした就学前のタイミングでどのような取り組みをしていくとよいのかという質問をたまに受けることがあります。
今日の教育コラムでは就学前の家庭教育について少しお話してみたいと思います。

つまづいたときにどうするかを学ぶ

小学1年生に入学する前に、「ひらがな」や「カタカナ」の読み書きや簡単な足し引きの計算ができるようになった方がよいと考える方も多いかと思います。本人に興味関心があってそうした文字や計算の学習をしたいと思っている場合は別ですが、抵抗感が強いのに無理やりやらせるようなことはお勧めできません。
読み書きや計算は、1年生の夏休みくらいまでには学ぶ内容です。ゆっくりと基礎基本を友だちと一緒に学んでいけば大丈夫です。それよりも大切なのが、分からないことや出来ないことがあった時、つまり「つまずいたとき」にどうするかが大事です。
小学校で、みんなと学ぶときに必要以上にふてくされたり、いじけたりしていては、共同で学ぶ空間が重々しい空気になってしまいますし、一緒に学べない印象を相手に与えてしまいます。
難しい問題でも、自分で考えて、先生や親に聞いてみたり、粘り強くあきらめずに取り組んだりするような力を育てることの方が大切だということです。

学ぶ姿勢

では、どんな方法でつまづきを乗り越える力をつけていけばよいのでしょうか。わからないことがあった時に、そばに大人がいて「どこがわからないのかな?」「どうやったらできるのかな?」などと一緒に考えてあげる時間をとってあげてください。
わからないことがあった時に、誰かと一緒に考えると楽しく解決できるという経験を重ねることは、分からないことを克服する充実感や粘り強く考える姿勢を養うことにつながっていきます。
できないことがあった時に一緒に付き合うだけだと思われがちですが、遊びの中でもスポーツの中でも、本を読む中でもなんでもいいので、この繰り返しを大切にしてあげると「頑張る力=努力」の習慣が身につくのです。
この心の成長は、読み書きや計算などの見える学力を身に付けていく根本的な姿勢や態度の基礎となります。

素質を伸ばす大切な時期

一般的に就学前後までの時期は、脳の成長期であると言われています。この成長期に、どのような働きかけをするかは、その子の一生に大きく関わります。その意味でも就学前は、子どもたち一人ひとりの素質を伸ばす大切な成長期です。
素質とは、一般的には、生まれつき持っているものと考えられていますが、
実は、生まれてからの様々な教育や経験によって形成されていきます。本を読む習慣や感動する経験など、その子の才能を伸ばすために何が必要なのかを、子どもに寄り添いながら考えていってほしいと思います。

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