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138 南中ソーラン


はじめに

南中ソーランは1983年に稚内南中学校で学校の再生を目的として導入されたとされています。校内暴力で荒れていた時代を私も学生の一人として過ごしていました。まさに校内暴力全盛期でした。
この南中ソーランですが、当初は従来のソーラン節を踊っていました。今のようなアップテンポの曲調になったのは、平成になってからのことだったと思います。
稚内南中学校の先生方の熱心な指導は、その後も子どもたちに熱意と共に団結力を伝えていきました。南中ソーラン節は、平成5年の日本民謡民舞大賞でグランプリを受賞するなど、その後も日本中の学校に広がっていきました。今日の教育コラムは、そんな運動会の定番としても、なじみのある人の多い南中ソーランについて少しお話ししたいと思います。

全国に広がったきっかけ

1979年から放送が開始された、TBSの大ヒットドラマ『3年B組金八先生』ですが、この中で南中ソーランを踊るシーンが登場します。再放送も含め、大人気だったこの学園ドラマは、その人気と共に様々な文化や教育観を全国の学校に広げていきました。

踊ること

日本では、2012年から中学校保健体育の一環として、男女ともにダンスが必修化されました。小学校で習う表現運動の授業と合わせると、約9年間にわたり、ダンスの授業を受けることになります。
2012年以前の指導要領で教育を受けた皆さんは、ダンスと聞くとフォークダンスや舞踊のような授業をたまに受けるイメージでしょうか。ここで言うダンスの授業とは、保健体育の授業を行う目標である「心と体を一体としてとらえること」を具現化するために大変重要な系統的なカリキュラムに基づく取り組みなのです。

自分を表現する

「心と体を一体としてとらえること」という目標に基づき、どのような学習を進めるべきかと考えた時に、ダンスを超える題材があるかと考えてみてもなかなか思いつきません。
現在、様々な学校種で新しいジャンルの運動を取り入れることで、個人に合った運動を見つけられるような動きが盛んになっています。ダンスももちろんそうした中で多様性を見せています。
フォークダンスと聞くと、キャンプファイヤーをかこんでみんなで輪になって踊るイメージが強いですが、本来はその国の伝統的な踊りを意味しています。日本であれば、盆踊りやソーラン節がフォークダンスとなるわけです。

自由にそして、みんなで表現を楽しむ

国ごとに個性の違う踊りを体験することと、国際理解教育、英語教育を組み合わせた、総合的な実践を最近目にしましたが、伝統や文化が国によって大きく異なることを学べたり、海外の文化や歴史に興味を持つきっかけになっ
たりと大きな可能性を感じました。
個性的な、ストリートダンスもフォークダンスもいろいろ経験し、自分の好きなダンスに出会い、そして、表現力や感受性を豊かにしていくことは、世界の様々な人々とつながり合うコミュニケーションツールを手にしたような価値があると思います。

伝統の良さ

伝統的なダンスや踊りにはいくつかの良さがあります。なんといっても、難しい振り付けがなく、運動神経やダンス経験の有無に関係なく楽しめるものが多いという点が重要だと思います。
集団としての完成度を追及する面白さもありますし、グループ間、あるいはグループ内で仕上がりについて話し合ったり、比較し合ったりすることができる点も学習に深みが出るように思います。
逆に、一般の人の目からは差がわかりにくいことが円滑なコミュニケーションにつながり、子どもたちに自然と連帯感を感じさせることができるようにも思います。
運動会のシーズンですが、皆さんのお子さんはダンスや表現運動を楽しめているでしょうか。実はすごくいい学習要素を含んでいるのが「ダンス」なのです。

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