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システムコーチング®初回セッション編【第1回】10年で100名越えの組織になった福祉NPOの組織づくり!

ダイバーシティ工房は2022年で法人設立から10年を迎え、5事業10拠点で働くスタッフは100名を超えました。沖縄在住の代表、フルリモートで働くスタッフ、SNS相談のように基本的な業務が全てオンラインとなる活動など、スタッフの数の拡大と合わせて働き方も多様になりました。

そんな環境でもある中、今後の既存事業の拡大や新しい活動の展開に向けて、今年度から注力をしているのが「組織づくり」です。

創業時から組織づくりの中心には「対話」があった

1日〜数日、日々の業務から一度離れ、ときにキャンプやアクティビティを通してメンバーのことをより深く知ったり、
少し先の地点を見つめたときにやりたいことや、仕事の内外で大事にしていることを話してみたり。

運営するコミュニティスペースを使い、対面で合宿を行っていたときの様子

以前はあったそんな機会も、人数の拡大やコロナ禍によって一度は断たれてしまいました。

では今、これからの10年を眼差す私たちの組織づくりに必要なものは…?

今回新しく始めたのは、システムコーチング®というもの。2人以上の関係性を「システム」とみなし、関係性を構築する中で目標達成を目指す取り組みです。

今後組織がより大きくなり、事業が増え、拠点が増え、それでも同じビジョンを描いて活動をしたい。
代表だけじゃなく多くのメンバーが組織の基盤にある文化を理解し、またそれを醸成していけることが必要でした。

今回は、そんな組織文化を構成していく参加メンバー10名が臨んだ、第一回目オンラインセッションの様子をお伝えします。

全てが正しい。ただし、それは全体の一部分だけ

「ORSCルール 出典:ORSCプログラム」

訪れたシステムコーチング®初回。

まず印象的だったのは、そもそも「システム」とは?それを通したコーチングとは何なのか?その考え方を理解する上でコーチから話された、

1人ひとりが、自分から見えているもの・自分が感じ取れるものについて話をしたとき、そこに不正解はなく、全ては正しい。ただし、それはあくまで自分から見えている一部分においてのみ正しい

ということでした。

コーチと今回の参加メンバー

それぞれの立ち位置から見えることや感じることについて言葉にし、「私」と「あなた」から見えているものを通じて「私たち」全体のシステムを構築していく。

その過程で、Aさんの口から話されたことを「Aさんだから感じたこと」として個人的に捉えるのではなく、「システムの声」として受け取るということも、対話において新鮮な考え方でした。

納得したり、グサっときたり…チームの今の姿

初回セッションを迎える前に、コーチと参加するダイバーシティ工房メンバーの10名1人ひとりが面談を行いました。

面談では、今回の参加メンバーで構成されるシステムに対する印象、目指したい状態、そこに向かうまでの伸びしろなどについて、メンバーの考えが集められていました。

参加メンバーが普段仕事をしているのは、学習支援、保育、生活支援という支援現場から、経営、人事、広報と業務内容も拠点も異なります。

まずは事前面談をもとに、コーチより『チームの今の姿』、『チームが次のステップにあるときの姿』、そしてその間にある『エッジ(=次のステップに向かう心理的抵抗)』の見立てが話されました。

セッション中の様子をまとめたグラフィックレコード
※エッジモデル 出典:アーノルド・ミンデル博士 プロセスワーク、資料作成:GEMSTONE

これを聞いているメンバーからは、画面越しに大きなうなずきや「本当にこれはよく感じていた…!」といった声が。

例えば、肯定的な言葉を使う優しい人が多く気持ちよく働けるという現状。
同時に、優しさの中でも「言わない優しさ」を選ぶ人が多いという側面が浮かび上がり、それがメンバーの気づきや成長を妨げる場面もあるのかも…?という話も出てきました。

この見立ての共有をきっかけに、参加メンバーそれぞれが感想や思うことをチャットの文章に書き出したり、発言をしたり、共有していきました。

日々何となく感じていたことがコーチを通して明確な言葉にされると、冒頭で話されていたことを実感するポイントが早速現れ、

仕事の中で感じていた違和感や、忙しさを理由に蓋をしていたもやもやは、実は「私」だけが気になっていたのでも、「私」だからそう思っていたということでもなく、「システム」が抱える違和感や悩みであったのだ

と気がついていきました。

私ではない人がそこにいても、きっと同じように感じたり、違和感を抱いたりしていたはず。

同時に、そこで何か話がまとまるわけでもなく、よく話してみるとその感じ方や考え方も、人によって拠点によって、カラーやバリエーションがあることにも気づかされます。

仕事においての優しさとは?伝え方ってどれくらい気を遣えばいいの?失敗って実はさせる側が苦しかった?・・・

今の姿を取り巻く、すぐには答えが出ない問いにひたすら思考をめぐらせ、仲間から発せられる感想や考えに耳を傾け、自分はどう考えるだろうとまた思考はめぐります。

たどり着きたい場所の前には山がある

初回のメインパートは、今の自分たちの姿を認識し、目指したい状態とその間にあるエッジ(次のステップに向かう心理的抵抗)に気がつくことでした。

最後は、今の姿を認識したうえで、自分たちはどのような文化や雰囲気を作っていきたいかをコーチの力を借りながら自分たちで言葉にしていきました。

気が付けばあっという間の3時間。頭はかなり熱くなった状態で、色々な考えや感情に触れたことがわかります。

今の状態から、目標とする状態にたどり着くまでには山があり、そこでは今の「システム」が持っている何かを手放したり、なかったものを取り入れたりする必要が生まれていきます。そのときに、心理的な抵抗を感じたり、慣れないことへの不安感を覚えることもあるでしょう。

簡単ではないことが待っていそうだけれど、誰かが1人でやることではなくここに集まったメンバーみんなで作っていくものだということを、パソコン画面に並んだ同じく疲労した頭を抱えながらも、これからの希望を口にするメンバーが表しているようでした。

これからどんな風に私たちの「関係性」が醸成されていくのか、楽しみです。

次回は第二回、対面で行ったセッションの様子をお伝えします!

※システムコーチング®はCRR Global Japanの登録商標です
  ORSCはOrganization and Relationship Systems Coachingの意 


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