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ヨシヨシしてくれることだけが優しさではない

私の周りにいる方々は、ヨシヨシしてくれる方ばかりではありません。主治医や臨床心理士の方は特にそうです。私が泣こうが、辛さを訴えようが、いつもフラットで接してくれています。ヨシヨシする訳でもなく、突き放す訳でもない。丁度良い距離感でいてくれるのです。

私は元コメディカルです。私にとって患者と丁度良い距離感で接することは難しいことでした。患者に拒否されたくない、患者に必要とされたいという、自己中心的な思いが強かったためです。患者に依存されたり、逆に拒否されてしまったり…実際、他のスタッフよりも任せてもらえる患者が少なかったように今でも思っています。

故に、主治医や臨床心理士の方がフラットで接してくださっている姿勢を、素晴らしいな、自分にはできなかった対応だなと思っています。

本当の優しさとは何か。
いつもアメをくれてヨシヨシしてくれることが全てではないのだと改めて強く感じています。ヨシヨシをする関係性には、上下の関係性や相手を子供扱いしているような態度であることもはらんでいるように思うからです。フラットな目線で、「それはあなたの思い込みかもしれないよ…。一般社会ではいつもそうだとは限らないよ…。」などと率直な意見を伝えてくれる。大人になってこれほど有難いことはありません。

私はもう医療や福祉の世界には戻りません。しかし、主治医や臨床心理士の方の対応は、どこでも通用する対応だと考えています。

社会復帰して私にもいつか後輩ができたとき。友人や恋人や家族と接するとき。主治医や臨床心理士の方の対応を参考にしてみたいと思います。そして、自分本位の接し方やヨシヨシをするのではなく、対等でフラットな目線で言葉がけができるようになりたいなと思っています。