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悪口を言われた側の消えない傷

私は今では少し落ち着いているものの、とてもひどいニキビ肌でした。肌の話題、メイクの話題、オシャレの話題、自撮りの話題に、学生の頃はついていけませんでした。ニキビ肌の私は、容姿に自信がなく、メイクやオシャレを楽しめなかったからです。自信のなさから、自虐的な発言も多く、いわゆるいじられキャラでした。

「うっさい、うざいわ。」などと冗談か本気かわからないことを何度も言われました。「汚い。キモイ。」などと陰で言われていることにも気が付いていました。話しかけても無視されたり、嫌われているとわかっていてもその集団について行ったり、笑われながら髪を切られたり…、学生時代の嫌な思い出です。

きっと私に悪口を言った人はもう覚えていないでしょう。私を無視した人はもう覚えていないでしょう。私の髪を笑いながら切った人はもう覚えていないでしょう。

しかし、私は忘れたくても忘れられません。たとえニキビが消えても、あの時言われたこと、されたことの残像は消えません。私は醜く、汚いのだと、私を好いてくれる人などいないのだと、本気で思っていましたから。

世界は理不尽で不条理です。私を傷つけた人に天罰が下ることはありません。結婚し、家庭を持ち、幸せに暮らしているかもしれません。でも、私は傷ついた人の心の痛みがわかります。言葉の刃の鋭さも、言葉の優しい暖かさも、心臓の奥でわかります。もうあの人達を恨んではいません。私は私の幸せを見つけたのですから。

ただ、許してはいません。どこかで出会ってもすれ違って通り過ぎるだけ。もう近づきたくなんてありません。心の傷はいつまでも私の中で残り、一生付き合っていくのですから。

どうか、私のような方に幸せが訪れますように。
どうか、傷つけられた人が生きることを諦めませんように。