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大粒のイチゴ

ふるさと納税で、返礼品としていただいたイチゴ。風農園さんの紅ほっぺという種類だ。

イチゴ

今まで見たことないくらい大粒でかつ甘さも格別。一口食べると、果汁があふれてくるようなみずみずしい。そんな様子をイラストにしてみました。

今まではスーパーで見切り品の小粒のものばかり食べていたような人間だったので、イチゴはほぼ一口で食べきれてしまっていたが、これは大粒なので、二口目、三口目・・と部位によって味の違いを味わうことができて面白かった。そういえば、先端が一番甘いというのを、とある本で読んだなと思い出したのが、『ストロベリーライフ』という小説だ。

もともとは農業をしたくなくて東京でデザイナーをしていた男性が、父親が倒れたことをきっかけに家業の農業を手伝っていくという話。最初はいやいやだった主人公が、農業の面白さに気づいていくのだが、それとともに起こる心境の変化が私には印象深かった。デザイナーとして独立していた彼は、自分の価値を下げてはいけないと小さな仕事は断り、事務所を置く住所にさえもカッコよさを求めるようなブランド人間?だった。もちろん実家の田舎に対してもあまりいい思いを持っていなかった彼が、農業の難しさや家族関係などでいろんな壁にぶち当たっていくにつれ、小さなことへのこだわりを捨てて、デザイナーで培った技術などを使って実家の家業を新しい方向へと導いていく。これを読んで思ったのは、ミテクレというのは非常に小さなことであり、自分が気にしているだけで意外と他人は気にしていない。それよりも本質が大事であり、それを追求することで、今まで自分が知らなかった新しい道も見えてくるということなんだなと。ただ文章に書くと非常に簡単に思うし当たり前のことだけど、実際は私もそれを実践できてはいない。だからこそ本を読むとそういうことを思い出し、自分の今の状況を改めて見れるから読書は面白いなと思った。

話は変わるが、私は大学生時代に授業で一年間の農業実習というものがあり、一週間に1回、3~4時間程度、大学の農園でいろんな作物を育てた。イチゴは育てなかったのだが、ジャガイモやトウモロコシ、キュウリ・・・など様々なものを育てた。真夏は熱中症で倒れそうになり、冬は凍えるように寒い。その時思ったのは、私は1週間に1回、それも短い時間だけだが、農家の人はこれを365日朝から晩までするなんて、なんて大変なんだということだ。しかも天候という人の力が届かないものによって、すべての努力が水の泡になってしまうこともあるのだ。毎日食べている野菜、果物。スーパーで数百円で売っているが、そこにはたくさんの労力と努力が詰まっている。小説にもそのような描写が書かれていたが、改めて思い起こされた。フードロスなんてもってのほかだ。古い言葉で『ご飯を残すとお百姓さんに怒られるぞ』と子供の頃親に言われたが、まったくその通り。しっかり味わって食べなくてはいけないなと感じたのでした。



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