コンピテンシーとは何か?『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#9】
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コンピテンシーとは何か?『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#9】

電子版5月28日、書籍版6月26日発売の『図解 人材マネジメント入門』では、人材マネジメントの理解と実践に役立つ100のツボが紹介されています。その中でマネジメントする側・される側双方に役立つ30のツボを、毎日1つずつご紹介していきます。

Q:コンピテンシーとは何か?

A:高業績者の特性をベストプラクティスとして最大多数の社員に移植する(ベンチマークする)仕組み


「行動」を評価する方法としてよく使用されているコンピテンシーについて確認しましょう。

高業績者の特性をベンチマークする

コンピテンシーとは、高業績者が成果を達成する「特性」を、ベストプラクティスとして社内に公開して最大多数の社員に移植する(ベンチマークする)仕組みです。
アメリカの心理学者マクレランドの1970年代の研究を起源に1980年代後半から1990年代初頭にかけて普及しました。

日本企業におけるコンピテンシーの導入

日本では1990年代後半から、年功的になりがちな昇格と人事評価の曖昧さを回避するための人事評価ツールとして活用が始まりました。
高業績者の「行動」特性を分析し、行動項目を特定し「コンピテンシー・ディクショナリー」としてまとめました。
しかしその項目は膨大で、抽出やメンテナンスに労力がかかります。
また苦労して作成したコンピテンシーの信頼性も経年とともに環境が変わると低下します。
具体化することで説明責任を果たそうとしたのですが、必ずしもうまくいかなかったようです。

本来的なコンピテンシー

日本にコンピテンシーを持ち込んだヘイ・コンサルティンググループ(当時)の川上真史によれば、コンピテンシーは「行動」ではなく「動機」や「意識」をモデル化するものです(図表018)。

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前出のマクレランドの研究においても優秀な外交官の一番目の特性は「最後の最後まで、相手を信じ切ること」でした。行動は状況によって毎回変わります。
そして「困難でも高い成果を生み出したい」という動機こそ最も着目すべき特性です。
具体的な行動事実を捉え、そこから類推して「動機・意識」を見る、これが本来的なコンピテンシーの使い方だと言えます。

次回は人事評価のフィードバックについて確認します。

<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。 1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。 20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。 主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。

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