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人事評価における一次評価者の役割は何か?『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#5】

電子版5月28日、書籍版6月26日発売の『図解 人材マネジメント入門』では、人材マネジメントの理解と実践に役立つ100のツボが紹介されています。その中でマネジメントする側・される側双方に役立つ30のツボを、毎日1つずつご紹介していきます。

Q:人事評価における一次評価者の役割は何か?

A:メンバーの成果と行動をよく見て、その価値を判断すること


一次評価者の役割は「正しく見る」こと

「正しく見る」ことが人事評価における一次評価者の役割です。
人事評価は人材マネジメントにおける判断の根拠(5月22日配信内容参照)となるため、ここで誤ると全ての判断が歪んでしまいます。

人材5

1 . 評価の責任を持つこと

一次評価者はそのメンバーの給与や処遇、さらには中長期の成長やキャリアに責任を持ちます。
一次評価者は自分の判断が覆されそうになったら上司や人事と戦うことも、部下の成長のために部下から嫌われることも覚悟の上で厳しい評価を伝えることも必要なのです。
つまり一次評価者は日々の仕事を見ている直属の上司が担うべき役割だと言えます。

2 . 適正な人数の評価を行うこと

一次評価者の下に何十人ものメンバーがぶら下がっていることがありますが、これでは人事評価は機能しません。
見ることができる範囲(マネジメントのコントロールスパン)は7名までです。
それを超える場合は、チーム編成を考え直しましょう。

3 . すりあわせ会議で主観を磨きあうこと

人事評価とは「主観」です。ここに人間が人間を評価する難しさがあります。
つまり評価者によって必ず差がでるということです(ハロー効果/中心化傾向/直近効果/厳格化・寛大化傾向)。
その前提の上で、評価のばらつきを最小限にとどめる方法が「すりあわせ会議」です。
一次評価者が集まり、お互いの主観を磨き合い「自社にとって価値ある成果や行動」とは何かを考える本質的なマネジメント力向上の場となります。
「主観」をピカピカに磨かねばならないのです。

次回は、何をどうやって評価するか、対象と手法を確認します。

<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。
1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。
20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。
主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。

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