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人事評価に公平感をもたらすために重要なことは?『図解 人材マネジメント入門』【無料公開#4】

電子版5月28日、書籍版6月26日発売の『図解 人材マネジメント入門』では、人材マネジメントの理解と実践に役立つ100のツボが紹介されています。その中でマネジメントする側・される側双方に役立つ30のツボを、毎日1つずつご紹介していきます。

Q:人事評価に公平感をもたらすために重要なことは?

A:他者と比較して分け前が適切だと思えること、評価の内容が公開されていて評価プロセスに参画できること


公平感とは受け取る側の主観

「公平感」のある人事評価が目指すべき理想です。
しかし公平感とは受け取る側の主観なのです。
どんなに人事制度が精緻で合理的であっても、上司が正しく伝えても、納得するとは限らないのです。
しかし、諦めてはいけません。必ずできることがあります。

2 つの公平感

公平感は大きく2つあります(図表013)。

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他者と比較して分け前が公平である「分配の公平感」と、評価の内容とプロセスが透明である「手続きの公平感」です。
企業では、資金もポジションも制限があるため、誰もが満足する分配の公平感は実現困難なことがあります。
しかし手続きの公平感は実現可能であり、人事評価の設計と運用において非常に重要です。

手続きの公平感を担保する

評価項目、評価基準、評価者、評価結果などの評価の内容が公開されていること(評価内容の透明性)、そして自己評価が反映されること、評価ミーティングですり合わせができること(評価プロセスの透明性)によって手続きの公平感を担保することはどの企業にも可能です。
さらに手続きの公平感を向上させるために、人間関係に焦点を当てることが近年着目されています。
丁寧なフィードバック、意見を真摯に聞こうという姿勢が一次評価者である上司や人事スタッフから感じられることで、公平感は向上するのです。
一次評価者の人選と教育が問われることとなります。

次回は、一次評価者の役割について確認します。

<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。
1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。
20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。
主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。

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